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「かぼちゃの馬車事件〜スルガ銀行シェアハウス詐欺の舞台裏」ビブリオエッセイ

詐欺ってなんだ?

スルガ銀行かぼちゃの馬車事件は、法廷が認めるようなわかりやすい詐欺だ。
金額も膨大、インパクトも強烈で、世の中に大きな印象を与えたのは間違い無い。

某刑事ドラマに「事件に大きいも小さいもない!!」という台詞があったように、「詐欺に大きいも小さいもない!!」と言えないだろうか。
たとえば、1000円なら騙されても諦めるだろう。なんだったら「いやぁ、騙されたよね。気づかない自分もそうとう間抜けだわ(笑)」なんて、笑い話にしてしまうかもしれない。
しかし、1,000人が騙せたら100万円。もし10,000人を騙せたら1,000万円。
そんな詐欺、10年前なら難しかっただろうが、誰もがSNSを使うようになった今なら、案外容易いのかもしれない。
さらに気になるのは、詐欺か詐欺じゃないかのボーダーラインの幅がグラデーションのように広いことだ。
実は、この1ヶ月間、「命とお金は取られない!」という強い気持ちを持ってチャレンジしたものがある。
ネット上の、無料セミナー、無料講座、無料相談会を受けまくってみたのだ。最後には、クロージングと呼ばれる本講座の売り込みが待ち受けているのは織り込み済みだ。
正体がわからない人、何冊も著書を出している人、よくわからない団体、共感できる人、何年も前から繋がりがある人‥‥様々なものを受けてみた。
あるセミナーで、
「最悪の状態をイメージして」
「次に最高の状態をイメージして」
「今、やらないとどうなりますか?」
「そう、最悪な状態になるかもしれませんよね」
「本当は〇〇円ですが、一括なら、今申し込んだら‥‥」
「毎月、いくらだったら払えますか?」
って、払える金額にしてくれるんかい。
詐欺ってなんだぁ。
「法律に違反してますよ」とわかりやすい詐欺はわかりやすくてありがたい。問題は小さな詐欺だ。嘘はいけないけれど、人を幸せにする嘘なら許されるだろう。
厄介なのは、同じサービスでも詐欺だと思うか、ありがとうと思うかは、受ける側の受け止め方次第だということだ。
とりあえず、納得できないものには関わらないようにしておくか。

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