#49 カバーアルバムは、好きですか?

 こんにちは、鏑木澪です。

 私が積極的にカバーアルバムを聴くようになったきっかけは、
「編曲の勉強のため」でした。

 ボカロPの活動をはじめて、自分の曲を作るのに
「この曲(自分の曲)の正解はなんなんだろう?」と思うことが多かったのです。

 同じ曲でもアレンジが違うと印象が大きく変わることがあります。

 自分が曲を作るようになるまでは、
「カバーって、どう頑張ってもオリジナルには勝てないよな」
 そういう気持ちが強く、
「どう頑張っても正解にはなれないもの」を聴くのに抵抗がありました。

 しかし、オリジナルを知らずに先にカバーを聴いてしまえば、私にとってはそちらがオリジナルになります。

 むしろ、本当のオリジナルを聴いた時に違和感を覚える。

 そんな自分に気づいた時、

「カバーって、どう頑張ってもオリジナルには勝てないよな」
「どう頑張っても正解にはなれないもの」

 これは間違いだったのだと思いました。

 そもそも、創作物に対して
「勝敗」「正解不正解」なんていう考え方自体、今の私は好きではありません。

 どうしても、好みはわかれますが、
「オリジナルとカバーの優劣」なんて、考えなくて良いのだと思いました。


 以前は主に「編曲(アレンジ)」に注目してカバー曲を聴いていたのですが、最近は「歌い方」に注目しています。

 アレンジが違うとそちらに目が(耳が)行ってしまいがちですが、オケ(伴奏)が同じだと「歌い方」の違いがわかりやすいです。

 正直にいうと、オケが同じカバー曲を聴くと
「うわぁ、オケ使い回しなんだ。手抜きじゃん」
 そんなふうに思っていた時期もありました。

 まぁ、もしかしたら、
 悲しい事情が裏にあるのかもしれませんが、そこは知りません。

 しかしある時、「他人のために作られた曲を自分なりに歌う」って

 めちゃくちゃ、難易度高くないか?

 ってことに、気がついたんです。

 自分が作った曲でも、
「もとはこの子に歌ってもらおうと思っていたけど、このアレンジだと声が合わないからこの子に変えよう」
 そんなことがたまに起こります。
(「この子」っていうのは、「ボカロ」のことです。念のため←)

「アレンジを変えれば歌うのは簡単」なんていう気はありません。

 どちらも容易なことではありません。

 オリジナル曲を作るのとはまた違ったしんどさです。
(創作活動は大体、面倒くさくて大変なことの連続)


 この2ヶ月くらいは、

『シャッフル -Precious 4 Stars-』(スフィア)
『シャッフル -Bright 3 Waves-』(TrySail)

 こちらをよく聴いています。

 スフィアとTrySailは、ミュージックレイン(以下、ミューレ)に所属する声優さんのユニットです。

 それぞれ、ソロでアーティスト活動もされています。

 このアルバムは、ソロでリリースした楽曲を互いにカバーし合うという夢のような企画でした。

 「ミューレ箱推し」とかいっておいて恥ずかしいのですが、私は全員のソロ楽曲、特に初期の頃の曲を全て知っているわけではありません。
(歴がとんでもなく浅いので許してやってください。今はだいぶ覚えました)

 それでも、イントロを聴いた瞬間に
「これのオリジナルはこの人かな?」
 そう思ったものがひとつも外れませんでした。

 やはり、サウンド感(?←うまく説明できない)にそれぞれの特徴があるのですね。
(殆どがキーの変更もなくオリジナルのオケを使っていて、ハモリにオリジナルの声が入っているものもあります。私の耳にはそう聞こえます←)

 私は、
「歌ものの主役は、ボーカル」だと思っていて、
「その人が歌えば、その人の曲になる」と思っているところがありましたが、
 そんな簡単な話ではなかったようです。

 スフィアのオリジナル曲はこちらのプレイリストから、どうぞ!
(ミューレが出しているので、公式と思われます)

 私が見つけられないだけかもしれないのですが、
 TrySailのほうはミューレのページに公式のプレイリストが見当たりませんでした。


 ”声優アーティスト”と呼ばれる方々ですから、”一般的なアーティスト”よりも歌う時に「演じる」要素が入りやすいのではないかと個人的に思っています。

 それぞれが「自分らしく」歌っているけれど
「オリジナル曲にこめられたキャラクター」の存在を感じる

 カバーされたことで、”曲のキャラクターの厚みが増した”

 私は、そんな印象を受けました。
「オリジナルとまったく同じキャラクターがそこにいる」のではなくて、
「今も変わらずこういうところもあるし、こんなふうになったろころもあるよ」
 そんな成長のようなものも感じました。(←何様なんだ)

 素敵です。

 歌の技術的なことでは、
「おぉ、この人はこうするんだ」(カバーを聴いて)
「あぁ、この人はこうしてたのか」(オリジナルを聴いて)
 そういうのに気がつけたのも面白かったです。


 もっといろいろなカバーを聴いてみたいです。

 ボカロ界隈には、「歌い手」さんがいらっしゃるのですが、私はあまり聴く習慣がなかったので、これを機に調べてみようと思います。

 ではでは〜

本日、Spotifyの月間リスナーが400人を超えました!
ありがとうございます!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?