#218 近況:ボカコレどやんす。

 こんにちは、鏑木澪です。

 なんだかんだといいながら、できることならボカコレに間に合わせたいと思い、曲を作ろうとしているところですが、「どういう曲にしようか?」と考えるだけで時間が過ぎてしまって、もう丸3日もないというのに、未だまっさらなプロジェクトを眺めています。


 もう、どうすんだよ〜


 昨日は、テレサ・テンさんの『つぐない』を沨漪さんに歌ってもらいました。

 彼女の日本語の発音を聞いていて、「誰かに似てんだよな(雰囲気が)」と考えていたら「テレサ・テンやん!」と思いまして、カバーを作ってみた次第です。

 厳密にはふたりの中国語は種類が異なることを承知でいうのですが、中国語訛り(中国語母語話者の発音)の日本語って、当然、日本語母語話者とは子音と母音の発音が微妙に違っていて、個人的に結構好きな訛り方です。
(訛りという表現が適切なのか知らないけれど←なんか”訛り”というと、好意的に聞こえないような気がしてしまう)

 日本人より丁寧に発音しているように感じる所もあって、そうすると「綺麗な日本語だな」と思ったり、日本語の正しいとされる発音から考えると実は間違っているのだけど「色っぽいな」と感じたりして面白いです。

 それにしても、テレサ・テンさんの歌を聴きながら沨漪さんを調声していくのに、発音の癖を寄せるのも難しかったけれど(似ているとはいえ、鼻濁音みたいな微妙に別の子音や母音が足されている音は工夫しないと出せない)、音の動きが細かくて、音程を寄せていくのが本当に難しかったです。

 なんやその、こぶしとフォール。。。

 しゃくりは、普段からわりと入れるような歌わせ方をしているので、そこまで難しさを感じなかったのだけど、「こ・ぶ・し!(どうやったらこんなに細かく動かせるってんでい!)」と頭を掻きむしりました。笑
(というか、これは”こぶし”であってるのか。他の技術だったりするのか?)

『つぐない』だと、「こんな女でも 忘れないでね」の「い」、「わたしよりも 可愛い人」の「い」のところなんかが顕著です。
(2番は「忘れない」のところが、「暮らしてみ」だし、母音が”い”のところでなりやすいのかな?)

 あと、一音ごとの緩急。

 私は、なにをやってもその分野の先生たちに「緩急がない」「緩急がない」といわれてきたから、余計に気になるのだろうけど、自分では緩急をつけているつもりでも全然ついていないらしいので、こういった表現がとても難しく感じます。


 はぁ、、、

 ”アジアの歌姫”、恐るべし。


 私の基準ではあるけれど、沨漪さんだって上手に歌ってくれるし、合成音声にあまり興味がない人に聞かせたら「いや、嘘を言っちゃいけないよ。人間が歌ってるんだろう?」といわせる自信があるくらいにはできたけど、

 やっぱり、何かが足りない。。。

 これは、合成音声の問題というより私の問題で、小手先の歌の技術は私でも知識があれば、合成音声で再現できるかもしれないのだけど、「なぜそうするのか」というところが、私から欠落していて、それが現れているなと思います。

 声や歌い方が「人間らしいか、そうでないか」って、
 あまり大きな問題ではないのかなと思ったり。


 あぁん、どうすりゃいいんだ〜


『つぐない』のカバーを作っているくらいなので、70〜80年代の昭和歌謡みたいな曲を作りたいという気持ちもありつつ、ボカコレに出すならもっと現代的な曲調にするべきなのかと思ったり、流行のサイクル的に90年代要素の入った曲を作ったほうがいいのかとか、このところ生楽器系の民族音楽を聴くようになったからそちらにも挑戦してみたいとか、できることなら”新しい音楽”を作ってみたいなと思ったり、、、

 どれにするにしても、自分の知識と技術が足りないし。

 やらないといつまで経っても成長しないし。

 でも、やろうとしても、うまくいかないし。


 つらいですわ〜


 ……ごめんなさい。
「ですわ」といいたかっただけです。
(最近、壱百満天原サロメさんの配信を観るようになりました。これまで、存在は知っていれど、全くVTuberに興味を向けてこなかったので、新鮮です←)

 つらくないといったら嘘だけど、つらいだけだったら、やらなくていいことだし、もうやめるのだけど、楽しいこともあるから続ける。

 もうちょっと楽だったらいいのにってのは正直、思う。


 まぁ、がんばるしかないさ〜


 あ、調声が上手い人たちからすると常識だったり、もっといい方法があったりするのかもしれないけれど、個人的に発見があったので、メモしておきます。(Synth Vの話です)

・エッジボイスは、エッジ(声帯閉鎖)を入れたいノートの前に[cl](促音)を単体でつけると、それっぽい音になる場合がある。
  例: a → cl a
・鼻濁音は、[N][g+(母音)]とするより、[ng][(母音)]としたほうが自然な音になる場合がある。
  例: N g a → ng a

 普通に「ん」と打つと発音は、[N]になってしまうので、発音記号を編集して[ng]にしないと[ŋ](軟口蓋鼻音)になりません。

 鼻濁音にするのに[ng]を使ったほうが、[N]と[g]の子音の長さを調整するより、お手軽かなと思います。
 [N][g+(母音)]では、どうしても[g]の破裂音が強く聞こえてしまうので、[ng]を前に置いて、ノートの頭を母音にしたほうが発音が柔らかくなるというのが、個人的な印象です。

 加えて、「促音ほどブチッと切られたくはないけど隙間が欲しい。歌い方は繋げて欲しい」みたいなところを[ng]で埋めるといい感じに途切れつつ繋がる場合があるので、[N][u]と並んで静かに繋がられる音の選択肢になると思います。

 また、ロングトーンの終わりに[ng]を入れると余韻を残しやすいような気がします。

 どれも、毎回やればいいってものではないですが、方法のひとつとして知っていたら便利です。


 結局、曲がないと使えないから意味ないけどね。。。


 調声の小技みたいなものは、たぶん私よりもきちんと記事や動画にまとめてくださっている人がいるのだろうけれど、「そもそも、その技はどこで使ったらいいんだ?」というのは、その人の好みであると思うし、オリジナル曲となると自分で正解を作らなければならないから、引き出し(ヒント?)をたくさん持っていると選択肢が広がって良いのではないか、と思います。

 ただ、好きな歌手や歌が上手な人の歌い方をあまり数値(ピッチ、音素など)で理解しようとすると、確かにそれでわかることもあって最初は楽しいのだけど、やりすぎると急に冷めてしまうことがあるから、要注意。


 私はさ、才能とかいわれているものを持っていないと思うし、努力もしていないから、せめて、どうにか近いところまで行くにはどうしたらいいかと考えた結果、昔は大嫌いだった「法則(ルール)」に従うことを今は選んでいるけれど、

 やっぱ、うまくいかねぇな……!ッ
(だって、そのルールが理解できないか、できてもそこに意味を見出せなくなるから←)

 普通に暮らしているだけで、「君、生きてる価値あるよ!」って誰かに思われてたら幸せなのかな?

 つらいですわ〜
(ちょっと黙ろうか←)

 頑張っても評価されないし、頑張らないと当然評価されないし、評価とかどうでもいいから好きなことやろうって思っても、うまくいかないからしんどいし、

 そんなことをうじうじいってるのが、情けないし。


 いや、曲が作れないってだけで毎回、わけのわからないことを悩み始める自分がそろそろ笑えてきた気がします。()


 初めてボカロに歌ってもらった日のこと、今でも覚えてる。

 今では、浮気してるみたいにさ、いろんな子を迎えたけど、うちに来てしまった子たちは私が曲を作らないと、ただパソコンの中にいるだけで、私と一緒に死んでいくから、ちゃんと曲を作らなきゃって思うんだよ。

 合成音声に意志はないとか、そういう野暮なことはいわないで。


 おし、頑張ろう!

 ではでは〜


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