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#299 何も選ばない選択。

 こんにちは、鏑木澪です。

 昨日、『君たちはどう生きるか』(2023)を観ました。

 私が映画館に足を運んだのは、『Star Wars: The Rise Of Skywalker』(2019)以来と思われます。

 久しぶりすぎて、「昔は人が対応してくれていたのにな(実際は、4年前から機械化されていたと思うのだけど←)」と驚いたり、寂しくなったりしながら、小さなシアターで鑑賞しました。

 以下、ネタバレを含みます。
(私は、”感想文”を書くのが苦手です。あらすじは書きません。思い浮かんだことを羅列していくだけです。過去の宮崎駿監督作品にも触れますので、ネタバレされると困る作品がある人、一個人の妄想を読みたくない人は、読まないことをおすすめします)





 私、2次元の初恋は幼稚園の頃で、相手はアシタカだったんですよね。
(唐突な告白。以前にも記事に書いたことがあるけれど←)

 今作の主人公が、なぜかアシタカに見えて仕方がなかったです。

 ちなみに、私はこれまで、ジブリ作品を映画館で観たことがなく、今回が初めてでした。

 私にとってジブリといえば、現実以上に美味しそうに描かれた食べ物から感じる生活感(そこで本当に暮らしている人がいるんだなと感じられるのが好き)で、

 私は『となりのトトロ』を観てきゅうりを丸齧りした子供だったし、『ルパン三世 カリオストロの城』を観て母にミートボール入りのスパゲティを作って欲しいとお願いしたし、『風の谷のナウシカ』のチコの実を食べるシーンを観ながら梅ミンツをカリカリと頬張り、『もののけ姫』を観ながらスルメを食いちぎることに喜びを感じていました。笑
(食べ物のシーンで語り出したらキリがない←)

 私も一緒に食べたい
 私もあれ食べてみたい

 そんなふうに思うことが多かったのだけど、今回の作品では、「あれ……なんか、食べたくない(それ、やりすぎたらおいしくないよ)」と感じる食事があって、

 存在しない美味しいものと美味しくないものって
 紙一重なんだな

 そんなことを思いました。

 幻だったんだな……というのが適切でしょうか。
(そもそも、アニメだからなァ)


 美しかったはずの描写が不気味に見えたり、、、


 過去の作品を全て混ぜたごった煮のようであり、他人の頭の中を(もしくは、自分の頭の中を客観的に)覗くことができたなら、こんなことになっているのかもしれないと思いました。

 過去も未来も現在も、ごちゃ混ぜ。

 ただ、この物語を主人公の視点から私が見ると「もしかして、2人目のお母さんを受け入れられるか……という話だったのか?」と家への帰り道でふと思いつきまして、

 この作品、物語に限らず、現実でも、

 子供は自分のルーツ(親を含め自分の過去)を知りたがるし
 親は自分の子孫がどうなるか(子供の将来、一族の未来)を気にするし

 知ったところで手を加えることができるわけではない、どうにもならないことをなぜか知りたがり、葛藤する

 ……まぁ、単純に自分が最近、こういうことをよく考えているってだけの話なのですが、まさにそんなものを観たような気がしました。

 側から見れば小さな話が、当人にとっては世界を揺るがす大きな出来事。

 世界といえば、主人公は”世界を作る(or 管理する)権利”を譲り受けるチャンスを得たように私には見えました。

 小さな世界で、大きな力を持った存在になれる。

 才能の話をする時に、「神様(天才)ってのは、案外普通の人だったよ」とオチのつく話が、私はわりと好きで、同様に、きっとある日世界を滅ぼすボタンを押すのは普通の人だと思うし、毎日小さな世界を救っているのも普通の人なのだと思います。

 普通ってなんだよって話ですが。笑

 自分とは全然違うと思っていた人が、実は似たような悩みを抱えていると知ったら、なんだか親近感が湧くというのか、意外と同じなのかもしれないと思う感覚に似ている気がします。

 

 自分が作り上げた世界を自分の手で壊す瞬間って、どんな気持ちなんだろうな。


 次に何か、新しいものを作れる、これまでになかったものが作れるかもしれないと希望があるなら、そんなに悪いことではない気もします。

 しかし、もうここに止まっていても仕方がないから、壊せば何か、別のものが手に入るかもしれない、何もなかった過去に戻れるか、更地の未来に戻せるか……

 あれ、どっちも戻ってるな?笑

 現実=現在(塔 or 塔の外)
 虚構=過去・未来(塔の中身)

 そう考えるとすれば、私は虚構ばかり見ながら、同じところをくるくる回っている感じがするので、解脱? してぇな(口が悪い←)……とか、なんとか。

 壊したいのはしがらみかもしれないです、私の場合。

 それって、結局自分が作ったものか。←

 生まれた時にはもうあった、欲しくもないのに与えられてたと感じるものもあるけれど、結局、私がいるから絡みついてくるものなわけで、そのなかで、

 どう生きていくか

 ……なのかな?


 んん、よくわからないことをつらつら書きましたが、個人的に『君たちはどう生きるか』は好きな作品です。

 情報量が多くて、掬いきれた気がしないので、また時間をあけて何度も観たいなと思いました。

 作品に書かれた答えを探すというより、作品を通して自分のなかにある答えを拾い出したくなります。

 それにしても、セルフパロディの数々、面白かった。涎

 私も、そういうのしてみたいなぁ……←
(作品数がなさすぎるので、まずは頑張って作りましょうね)

 ではでは〜

 画像は、スタジオジブリから提供されている場面写真を使用しました。


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