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2割に満たない技術士会入会者

1.技術士とは
技術士とは、技術系の専門家として高度な知識や技術を持つ人々を指す称号である。技術士制度は、日本の産業界や社会における技術の向上と発展を促進することを目的としてる。

2.日本技術士会
日本技術士会は、技術士制度の専門団体であり、技術士登録者や技術士を目指す人々が参加する組織である。正式名称は「公益社団法人日本技術士会」であり、技術士制度の普及や技術士の地位向上を図るための活動を行っている。
日本技術士会の主な目的は、以下のような活動を通じて技術士の交流や発展を促進することである。

  • 情報提供と教育:技術士制度や関連する法律・規制の情報を提供し、技術士たちの専門知識や技術の向上の支援。さらに、技術士向けの研修やセミナーなどの教育プログラムも提供。

  • 研究・技術交流:技術士同士の交流を促進する場を提供。技術士同士の情報交換や意見共有を通じ、技術の発展や最新の技術トレンドについて議論し、専門性の向上を図る。

  • 倫理と規範:技術士の倫理規範の確立と遵守を重視。技術士の活動においては、高い倫理観と社会的責任を持つことが求める。

  • 社会貢献:技術士の社会貢献活動を支援し、社会に対する技術的な貢献を促進。災害対応や環境保護など、社会的課題に対して技術士が積極的に関与し、解決策を提案することを奨励。

3.日本技術士会入会数
上述のように日本の技術力向上に尽力する日本技術会。では実際にはどのくらいの技術士が日本技術士会に入会しているのだろうか。
下に主要部門の入会者数、入会率を示す。

平均入会率は14%。意外にも技術士の資格を活かすことができる建設部門や上下水道での入会率の低さが目立つ。一方、機械、電気・電子、情報工学の部門では3割近い入会率である。
建設部門では技術への関心から技術士を取得しているのではなく、業務上必要なため技術士資格を取得した人達が多いものと推察する。

4.年会費2万円に見合うのか
技術士会入会金1万円、年会費2万円である。定期刊行物のほか、セミナーなど会員の知識の向上の場を提供してくれる。新しい技術や他分野の技術者と親睦を深められるのは技術士会以外にないだろう。
しかしながら近年では、ウェビナーなどオンラインを用いた、より安価で優良な教育コンテンツにふれる環境も整っている。
また最近では、ロジカルシンキング、コンサルティング能力、コミュニケーション能力など、技術以外に必要な能力が多岐にわたっている。
そういった点から2万円の価値があるのか、と考える技術士もいるだろう。

5.技術士ネットワークを活かせる人には加入をおすすめ
やはり最大の魅力は他分野の技術動向を知る、技術者との親睦を深められる点であろう。反面、他分野の技術動向を知ったところで、活かすことが難しい業務、職種についている人、また遠方に住んでいる人にはセミナーなど参加が難しい点も否めない。
目安としては、通常の業務で外部の企業と接することが多い人は入会価値が多いと思う。なぜなら外部からの技術、情報を活用して業務しているので、技術士会での活動もその助けになってくれるだろう。


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