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再び、著作権法違反についての考察

久しぶりに、noteのトップページから気になった記事を拝読させていただいたので、ご紹介したいと思います。

霜村様の事例が「著作権保護」の範疇に入るかどうかは、私も気になりました。
私の見解はコメント欄で書かせていただいたのですが、SEO記事を書く身としては、やはり「どこまでがコピペとなるのか」、常に気にしなくてはなりません。


SEO的手法での記事作成手順

さて、あまり披露したくはないのですが(苦笑)、SEO記事を書く際の一般的な手法についてです。
ここで少し復習しておくと……

SEOとは
Googleなどの検索エンジンからの流入客を増やす施策。想定ターゲットがあるキーワードで検索した際に、最初のページを中心に見る傾向があるので、自サイトが上位に表示されるように工夫を凝らす手法。

ということです。

本職で、いきなり文章を書き始めるライターというのは、まずいないと思います。私もnoteは割と気ままに書いていますが、少し長い文章のときは、きちんと構成を作ります。
SEO記事は、大抵、次のような手順で書き進めていきます。

  1. キーワード選定

  2. 構成作り

  3. 構成案に基づくリサーチ

  4. 執筆

  5. CMS入稿

1の段階では、自社のトピックに合いそうなキーワードを選び出します。要するに、ここでターゲットに興味を持ってもらいそうな話題を見つけるわけです。

たとえば、本日のXのトレンドで「防災グッズ」が上がっていたとします。

で、これを専用ツールに掛けるなり、Googleで調べて「サジェストワード」を選定。
現在の私はここまで請け負うことはないですが、たとえば「防災グッズ おすすめ」というキーワードを決めていきます。

で、たとえばこんなタイトルができるわけですよ。
(今回はAIに作ってもらいました)

で、これをヒントに
「2024年版女性におすすめの防災グッズ10選」
なんていうタイトルを作ってみたとします。すると、考えられる「大見出し」(いわゆるh2タグ)「小見出し」(h3タグ。ボリュームが多い場合は、この下位のh4タグが使われることも)は、以下のようなもの。
これも、今回はAIに作ってもらいました。

1: 女性に必要な防災グッズ
1-1: 災害時に必要なもの
1-2: 2024年版防災士おすすめセット
1-3: 1人暮らしでも安心の防災グッズ
2: 最強の防災アイリスオーヤマ
2-1: 火災、地震時に必要な医療グッズ
2-2: 災害時に役立つ緊急時用品
2-3: 停電時に必要な懐中電灯
3: 地震対策におすすめのアイリス防災グッズ
3-1: 家族のために備える防災セット
3-2: 自然災害を防ぐ対策用品
3-3: 2024年おすすめのアイリス防災グッズ一覧
4: ウェルネスセットのアイリス防災グッズ
4-1: 防災情報に関連するランキング
4-2: 災害時に必要な食品グッズ
4-3: 最新の防災グッズ用品
5: ヘルメットとライトを含む防災グッズ
5-1: 地震の際に必要な備え付けの食料
5-2: 風雨を受け流す備蓄品
5-3: 持ち運びに便利な軽量グッズ
6: 女性向けの最新防災グッズ
6-1: 災害時のおすすめ食品グッズ
6-2: 高齢者向けの非常用持ち出し袋
6-3: 断水時に必要な生活関連商品
7: ランキングで評価されている防災グッズ
7-1: 防犯効果のある防災用品
7-2: アクセサリーのような防犯グッズ
7-3: 期間限定のお得なアイリスグッズ
8: 備えが重要とされる防災グッズ
8-1: 安全性が確認できるエクストラアイテム
8-2: 避難場所限定での必需品
8-3: 自然災害の備えとしてのグッズ用品
9: アイリス商品に含まれる防災グッズ
9-1: 3日間生活が可能な防災準備
9-2: 医療関連の緊急対策グッズ
9-3: 近隣の人に配る避難所準備グッズ

さて、ここまでは「アイデア」の段階なので、「著作権法保護の対象外」です。
次に、「リサーチ」。
これは、概ねGoogleに「防災グッズ おすすめ(今回はこれに「女性」も字加えました)」と打ち込み、上位に表示されるサイトを抽出します。

2の「構成作り」の段階が、霜村様の仰る「記事のレイアウト」だと思われます。この段階では、まだ「アイデア」出しの状態なので、ここまでは、「著作権法違反」にはなりません。
(※「アイデア」の段階で、「表現物」となっていなければ著作権法保護の対象外です)
実際に、クライアント側でここまで作ってから、ライターに発注するケースも多いです。

ここから先、3のリサーチ~4の執筆(場合によっては5のCMSへの入稿も)が、割とよくある「ライターへの発注内容」となります。

そこで気になるのが、「どこまで参考にできるか」ということ。

ライターの場合、締切との戦いもあるので悩ましいところですが、大体「構成作り」の段階で、書くべき内容は決まるのですよ。
なので、参考サイトは「エッセンスだけ」抜き出すように注意しなければなりません。
エッセンスだけというのがミソで、執筆メモは、箇条書きにする、使われている単語を変える(同じ意味の類義語で置き換える)、図解・作表にする……などの工夫をします。

後は、PREP法で書くなら「Example」(例示)の部分で、オリジナルの例示を作るなど。

ここで締切に追われて参考サイトの文書をうっかり使うと、私でも後で行う「コピペチェック」に引っかかります。

霜村さまのケース

私も元の文章を拝見していないので、断言はできないのですが……。
恐らく、相手方はほぼ間違いなく「真似した」意識は持っていると思います。
コピペチェックツールに引っかからないように書いたとしても、法的にはグレーか限りなく「黒」に近い「著作権法違反」じゃないか?というのが、私の印象です。
半分位、文章が似ていたというのであれば、表現物の「類似性」が認められ、「アイデアが同じだっただけ」では済まない範疇なのではないかと。

コピペチェックツールにかけたら、一発で「剽窃元」が分かるかもしれません。
(ネット上のあらゆるWeb文書を網羅していますから)

後は、相手方が「どのキーワードで検索してほしいと意図しているか」を見抜き、そのキーワードに基づく上位サイトを調べてみると、「コピペ元」がヒットすることがあります。

ちなみに、「弁護士会のHPからのパクリ」事案の実例については、こちらをどうぞ!
当然、話題に出した剽窃記事は引用元を表示していませんでした

パクリをするデメリット

まあ、平然と「パクリ」をする人には、私も嫌悪感しか感じませんが、考えられるデメリットとしては、次のようなものでしょうか。

・著作権法違反により、相手から訴えられる可能性が生じる
・訴訟に至らなくても「敵」を作ることになり、業界内・所属コミュニティでの信用を失う
・Googleではコピペ作品は「ペナルティ」を受けることになっており、上位に表示されることはない

まとめ

うーん、ここまで書いても、「各種権利」を振りかざして悪事をごまかそうとする人は絶えないのだろうなあ……と思うのですが。

パクリをして「敢えて敵」を作って一時的に名前が売れたとしても、結局は自分にその報いが返ってくるのが落ちではないでしょうかね。

中には「いや、パクリじゃない。二次的著作物だ」と言い張る人も出てきそうなので、参考までに、こちらもどうぞ!

当たり前のことですが、「盗作」「剽窃」物に対して、著作権は認められません。


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#違法

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