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再び、植物図鑑より

「またかよ」と思われますが、今の季節に手近な場所で山菜が採れるというのは、本当にありがたいです。
食で四季の移ろいを感じられるというのもさることながら、田舎ではちょっとしたレジャーなんですよね。
そして、春の一日は他の季節の一週間に該当するというほど、植物の成長が早いのです。

そんなわけで、またしても有野浩先生の「植物図鑑」のレシピを頼りに、山菜料理を試してみたのでした。

この日、収穫してきたのはノビル、よもぎ、セリ、ノカンゾウなど。
半月ほどの間に、みるみる内に養分が葉に回ってしまったのか、あの球根はほとんど見られませんでした😅
ですが、あさつきなど似ていて、万能ねぎの代わりとしても優秀な食材です。実際に、小口切りにしてチャーハンなどに混ぜても、結構美味。
掘り起こすのが、少し手間ですけれどね。

左よりノビル、よもぎ、セリ。細かいゴミや汚れを落として、分類するのが山菜料理で一番面倒なところ。

ノビル&よもぎ、おまけのセリ

まずは、ノビルとよもぎから。

本文には出てきませんでしたが、「植物図鑑」のおまけページに、「よもぎのチヂミ」がありまして、それに挑戦してみようというのが、今回の試みです。

よもぎというと、「春の和菓子」によく使われる素材ですが、野菜としても優秀なようです。
沖縄では、「フーチバー」として親しまれているとのこと。

ですが、沖縄のよもぎは本土のよもぎとは種類が違うそうで。そのせいでしょうか、よもぎ料理●●は、天ぷら以外はどうも苦手です。
そんなわけで、よもぎのちぢみも少し腰が引けていたのでした。
有川先生のレシピでは、「チヂミ粉」を使用していましたが、私の家にそんなものはありません。
なので、家庭にある材料を使用して代用しました。

よもぎのチヂミ
<材料>3~4枚ほど
よもぎ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・一掴み
ノビル(4~5cmくらいに切る)・・・・・・・適量
薄力粉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・カップ1
片栗粉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・カップ1
たまご+水・・・・・・・・・・・・・・・・・カップ1
中華スープ・・・・・・・・・・・・・・・・・100CC
桜えび(オキアミなどで代用可)・・・・・・・・適量

タレ
中華スープ+醤油+酢+ラー油・・・・・・・・・・・・・・・適量

本格的なチヂミを食べたことがないので、見様見真似のレシピです。
中華スープは、顆粒でも半生タイプでも構いませんが、中華だしの素を熱湯で溶いたものを使用します。
本場のチヂミは海鮮ベースのものが多いようなので、私は海鮮だしの中華だしを使いました。他に、アクセントとしてオキアミ(小型の海老みたいなもの)を入れます。

中華スープは少し多めに作って、チヂミのタレにも回すと便利です。

作り方は、本当に簡単。
液体類を、粉類の入ったボウルに入れて混ぜて(この分量だと、結構シャバシャバしますが大丈夫)、山菜と風味づけの桜えびを混ぜ、フライパンなどで焼くだけです。
焼き時間の目安としては、中火で5分くらいずつでしょう。

そんなわけで、よもぎのチヂミの完成です。
汁物は、宮城名物「せり鍋」をヒントにして、和風スープ仕立てに。
鶏肉を柔らかくなるまで煮立て、そこに白だし、醤油などを加えて味を整えてあります。

気になるよもぎの癖でしたが、予想よりも癖が少なかったです。
まだ、出始めで香りが柔らかいのと、ノビルと合わせたのが正解だったのかもしれません。

昨年の投稿を探してみたら、昨年は「ノビル」のチヂミを作っていました。


ノカンゾウ

昨年は登場しませんでしたが、こちらも私がよく使う食材の一つ。

ノカンゾウ。なぜかレシピは「酢味噌和え」ばかりが出てきます。

山菜にしては珍しくほぼ癖がなく、甘味があるので使いやすいです。
フライパンで炒めて玉子とじにするのもおすすめ。また、味噌汁の実などにも利用できます。

軽く炒めて、白だしや水少々を加えた卵液で、ふんわりと。

フキノトウ・こごみ・ウコギ

先日、護真寺を訪問した際のよもやま話の最中に、盛り上がったのが既に成長しきったフキノトウの食べ方です。
やはり、お花見にいらっしゃっていた奥様から、「育ちきったフキノトウは、葉っぱや蕾をむしって、茎だけ食べても美味しいわよ~」との情報を教えていただきました。

フキノトウは私も使いますけれど、あの特有の苦味がやや苦手です。ですが、奥様によると、成長しきったフキノトウの茎はもはや苦味が少なく、香りだけを楽しめるのだとか。

そんなわけで、もう終わりかけのフキノトウを取ってきました。

そして、既に出始めているフキ。

こちらは、こごみ。これも、我が家の近くで採れます。
奥には、初めてお目にかかる野草(多分ヒメジョオン)も並べてみましたが、万が一ということもあるので、今回はパスしました。

こちらも、私がよく使う「ウコギ」。
米沢の名君、上杉鷹山公が非常食として栽培を奨励したことでも有名です。
ほろ苦さがあるものの、それほど嫌な苦さはありません。

これらを食材にして、「山菜五目パスタ」にしてみました。
それぞれの食材の下準備は、下記の通りです。

  1. こごみ:細かいゴミを除いてざっと洗う

  2. フキノトウ:がく、花の蕾を除いて茎だけを小口切り

  3. フキ:さっと茹でて、筋を除いて小口切り

  4. ウコギ:さっと洗っておく

後は、別にパスタを茹でておいて下さい。

下準備が終わったら、ベーコンと合わせて炒めます。

別途茹でておいたパスタ・パスタの茹で汁と合わせ、白だしや醤油などで味を整え、完成。

とまあ、山菜もアレンジ次第では、洋風や中華のレシピにも利用できます。
今回は作りそびれてしまいましたが、セリはナムルにしても美味しいですよ!

先日、俳句幼稚園の方に「遭難には気をつけて下さいね!」とご心配いただきましたが、意外と身近にある山菜も多いものです。
ただ、今までの山菜レシピは「和」の調理法が多く、まだまだ開拓の余地があるのかもしれません。
ぼちぼち里山の山菜シーズンは終了しそうですが、(これからはワラビや山椒など)、今年も、ギリギリまで楽しむつもりです(*^^*)

©k_maru027.2022


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