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女は皆アーティスト

「俺にしてみれば女の人は、みんな芸術家だよ」確かそんなセリフを主人公の男性が言う。

少し前のドラマで石原さとみさんが出ていた。花道を題材にしたお話だった。ひょんなことで自転車屋さんの主人公の男性が言った言葉に、なるほど〜そうかもね。女は自然のまま生きているから創造することを躊躇なくできてしまうのかも。男の人よりは、確かに芸術家向きなのかな?と単に考えていた。それから、ドラマの主人公が言ったこのセリフは私の中で特別な言葉となった。

あれから数年が経ち、子供を出産し、病室で娘の顔を眺めながら、ふとその言葉が頭を過ぎる。「女の人はみんな芸術家」女の人は子供を産む、それだけじゃない身体の構造も複雑でホルモンバランスで同じ人なのに違う自分が何人も存在する。少し大袈裟な表現かもしれないが、ホルモンの揺らぎが大きい影響で繊細な感性が研ぎ澄まされることだってある。そう思えたのも自分自身が、産後のホルモンバランスの乱れで涙が止まらなくなったからだ。生と死が、すごく近くに感じた。恐怖、不安、もどかしさ、孤独をこんなに感じるなんて。こんな時、人は絵を描いたり、本を書いたり、歌を作ったりするんだろうなと思った。自分がその時感じた感情を吐き出す。そして同じような感情を持った誰かの孤独が少しでも癒されて、やるせなさを、戸惑いを、共感することで救っていく。芸術家とは、そういうことだと私は思う。

私は名乗るような肩書きは一切持ってないが、強いて言えば「女である私はアーティスト」私の感性が誰かの癒しになれば、私は幸せだなと思えるだろう。女は、男は、なんて言う表現は古臭いが女の身体を持って生まれた私の臓器が、肉が、私を芸術家にしていくのに間違いはない筈だ。

誰かの孤独を癒すアーティストでありたい。近頃の私はそう思うのであった。

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