見出し画像

日本語指導ボランティア日記 3

関西人は、オノマトペを制限して話すって、
地味に苦行なのではないかと思いました。

今回のメインテーマは、あげる・もらう・くれる。
学び手にも、教え手にも、悩ましい学習項目です。

前回に引き続き、中国出身の方とペアになりました。
アイスブレイクで授受表現がとても難しいと嘆いていたので
「あげもらい」についてお話しすることに。
中国語に授受表現というのは無い、と、どこかで読みました。
漢字ひらがなの混ざった文章の読み書きが少しできる方なので
もう中級の入り口に立っているのですが、
それでもまだまだ概念を理解するには時間を要するのでしょう。

あげる/くれる・もらう。
基本理解は単純でわかりやすいとおもいます。

物 →(くれる・もらう)→ 自分 → (あげる)→ 物

出典:私

次に、文法としてどう使われるか。

私は Aさんに おかしを あげる。
私は Bさんに おかしを もらう。
Bさんが 私に おかしを くれる。

出典:私

行為の授受を表現する補助動詞(てあげる・てもらう・てくれる)
として使われる場合は以下です。

私は Aさんに 英語を 教えてあげる。
私は Bさんに 英語を 教えてもらう。
Bさんが 私に 英語を 教えてくれる。

出典:私

本動詞(あげる・もらう・くれる)、
補助動詞(てあげる・てもらう・てくれる)共通ですが、
主語が自分である場合、(て)あげる・(て)もらう、が使えます。
また、相手が主語になる場合は(て)くれる、ですね。

ただし、日本語は主語が必ずしも必要ではないので
主語を判断の手がかりにすると「主語がない!?」と
なってしまうだろうなぁと思いました。
自分でも、これは主語なのか?と思うことが多く。
また、格助詞さえ間違っていなければ、順番が前後になっても良いので
「私に 英語を 教えて◯◯◯のは Bさんだ」(自分メモp.133)
となると、もう訳がわからないはずです。
もちろんこたえは「くれる(くれた)」。

また、授受表現で難易度の上がる要素が「ウチ・ソト」の概念。
私と他人をどこで線引きするかというものです。

Aさんが 私の飼っている犬を 預かって◯◯◯。

出典:私

ネイティブの皆さんはわかりますね。

韓国の方は自分の国をよく「ウリナラ(私たちの国)」と表現しますが
日本人が「私たちの日本」とは言いません。
「私たちの地球」と言うほうが多いかもしれません。

さて、授受表現をこの場でまとめましたが、
現場ではグーグル先生に一部助けてもらいながら教えました。
教えると自分の中の不明点があぶり出されるので、
やはり実戦で成長するのがいちばんの近道です。楽しい!

ちなみに指導するときは標準のアクセントでお話しすること、
やさしい日本語(心の中でヤサニホと略している)であること、
単文であることを心がけながら話しているので、
脳みそのワーキングメモリは許容量めいっぱいフル回転。

地域のボランティアなので、もう標準語だけは勘弁してほしいなぁと
弱音を吐きたい気持ちになります。
「バーっと喋られへんかったら、頭ピャーなりますやん?」です。
地域で指導しておられる方はどうしているのでしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?