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トレーニングルーム開室準備中① 〜研究に向けた取り組み〜

来月からオープン予定の二階トレーニングルーム。普通のトレーニングができる環境だけでは物足りないので、研究用の器材もできる範囲で揃えたいなと思って色々な方にアイデアを拝借しにまわっています。

先日は大学院時代にお世話になった先輩のところへお邪魔してきました。


一言に研究といっても様々ですが、私が専攻していた分野はバイオメカニクス。日本語いうと生体力学のことで、いわゆる力と動きを解析して怪我の予防やパフォーマンス向上につなげる学問です。

今回、先輩の元を訪れた目的は、

・ この研究をするにはどんな準備をしておけばいいか
・ どんな方が似たような研究をしているか
・ 研究のプロトコルで失敗しがちなこと
・ この10年で変化したこと
・ 論文の発表にあたって

などを聞きたかったからです。


ちなみに私が研究室に在籍していたのはもう10年以上も前のこと。

スマホがこの10年で大きく進化したように、研究用の機材も大きく進化しています。三次元動作解析など、昔は何日もパソコンに向かっていないといけませんでしたが、今では数十分でできるようになってますからね。


結論としては、この10年で変化しているものもあれば変化していないものもあるので、まずはパートナーとなる先生や先輩方を見つけて一緒に進めた方がいいですよ、とのこと。

あとは、私がやろうとしている表面筋電に関しては、今でも精度は難しいという話しもしていただき、安心したような、やっぱりというような複雑な気持ちにもなりました。


バイオメカニクスで測ることができるものですが、力を見たければ表面筋電や床反力、動きを見たければ二次元解析などで変位量などを計算することができます。

見た目的には動きを見ている方が楽しいですが、全ての動きは力から成り立っているものであり、そう考えると力を計測していった方が奥が深くなっていきます。

自分自身が手術を二回経験していることもあり、術後の筋肉の回復過程を知ることができれば自ずと動きの変化もわかりやすいかなと考えています。


ただ、先輩からもご指摘を受けましたが、筋電を測るのは非常に難しいんです。

・ 毎回同じ位置に筋電を貼ることができるのか
・ 体内の抵抗値の変化はどれくらい影響するのか
・ どのように比較するのか

などの条件がなかなか一致できないんですね。


研究というのはそれくらい厳密に行われているものなので、逆にいうと世に発表されている論文というのはそれだけ正確に計測されているからこそ信頼性があると言い換えることができます。

どうしても現場でほしいデータというのは条件を統一しづらいので、科学的な証明というのは難しいかもしれません。

だからと言って科学が必要ないか、と言えばそんなこともなく、その中から取捨選択できる客観的な指標を身につける一歩と言い換えることができるのではないでしょうか。


自分の施設で多少なりとも研究をすることができれば、現場と研究室の間の役割として色々なデータを取ることができるのかなと思います。それが実際に役に立つデータかどうかはわかりませんよ。

ですが、

役に立たない

とか、

効果がなかった

ということも研究結果の一部なので、実際に自分の目で確かめながら自分なりに研究を進めていきたいな、と考えています。

信頼できるデータが取れるように、事前準備を徹底的に行うことも研究の醍醐味。お忙しい中、時間をいただいた先輩には感謝しかありません。

いただいたサポートは実験や研究、その他勉強のために使わせていただきます!