見出し画像

力学を避けて通れないならとりあえず学んでみる?という話し

これまで何度となくバイオメカニクスの講座を開催してきて、どうしても避けて通れないことが力学を説明すること。

今は高校の時点で文系・理系に分かれてしまうので中学生以来、物理に触れていないという方がいても不思議ではありません。

講座に参加される方の中にも当然のことながら物理を習っていない方がいるわけで、あまり専門的にならないようにしながらもなんとか物理を紛れ込ませていました。

一時期はできるだけ物理の要素を入れずに運動学の話しをメインにしていたこともあったくらいです。


とはいっても動きはやはり重力と地面反力のやりとりがあって初めて成り立つわけで、やっぱり力の概念を説明しないことには動きの説明も中途半端になってしまう。

Biomechanics=Bio(生体)+Mechanics(力学)

というくらいですから、運動力学を知ることでようやく動きの解説もしやすくなるわけです。


だったらとりあえず力学の講座をやっちゃえばいいか。ということで先日、運動指導者のための力学講座を開催してみました。

画像1

体にはどんな力がかかっていて、その力をどのように活用すればバイメカ的に正しいと言われる動きができるのか。もっというとスポーツのパフォーマンスに活かすことができるのか。

平日の朝7時からという時間にも関わらず7名の方にご参加いただき、朝から刺激的な時間を過ごすことができました。


事前に聞きたいことなどのアンケートをとっていたので、どんな質問がきていたかを紹介します。

・バイオメカニクスと力学の関係性やそれがどのように大切なのか
・それを知るメリット
・バイオメカニクスの理論
・これまで触れる機会が少なかったので力学の基本を知りたい
・選手への伝え方
・ヒトの運動を物理的な視点から見ること、特に重心位置と力の関係とか

最初は座談会みたいな感じで話しをしながらその中で疑問に答えていくようにするつもりでしたが、せっかくなので力学としっかり向き合いながらもいかにパフォーマンスと活かすかについてお話ししました。

(こう見えて、実は学生時代に塾の講師で物理を教えていました。)


今回話した内容を簡単にまとめると、

●バイオメカニクスってどんな学問?
●そもそも力学って何?
●力にはどんな種類がある?
●ものの単位
●テコの原理
●安定の条件

といったところです。完全に力学ですよね笑


ただ勘違いされやすいのですが、バイメカ的に正しいと思われている動きであっても実際には正しくないことの方が多いということ。

正しくないと言うよりも形をマネしているだけになっている、と言った方がいいのかもしれません。


体には個体差があって、これまでの運動経験などによって運動感覚は人それぞれです。これまでに経験がない動きをしようとした時に、

こんな身体操作をすればこんな結果になるんじゃないか

と言う予測を立てられるかどうか。いわゆるコツやカンが働くかどうかが運動の鍵を握ると思っています。これは感覚的な部分で数字として表せないことがほとんどです。


しかも、動きの再現性という面に関しても超一流アスリートならまだしも、高校生や大学生が毎回同じような動きができるかというとそんなことはありません。

(ピッチャーが毎回同じ位置でリリースできるか、直球と変化球で同じフォームで投げられるかというと難しいですよね)

毎回同じ動きができる前提で作られている学問なので、人間的かどうかと言われると、、、この辺は運動学の考え方の違いにもなるので、また別で記事を書きたいと思います。


とは言え、力学を学ぶことで

これだけの力を発揮できているのだから、こんな動きができるはずだ。もしできないのならここでロスが出ているに違いない。

という予測を立てやすくなるので運動力学と運動学の往復をしやすくなるはずです。


ご参加いただいた方からは、

・自分の理解できているところ、できていないところ、整理できたし、基本的なことしっかり押さえられてて、とても勉強になりました!
・僕のような、書籍でしかバイメカに触れてこなかった初心者には、頭が整理されて、とても役立ちました!
・スポーツをしていると何となく分かるけど、何となくしか分かっていない力学、基礎的なことを分かりやすく教えてもらいました!

と感想をいただきました。まずは力学から、という思いでなんとなくスタートしてみたものの「やって良かった!」と朝から気持ちのいいスタートが切れた木曜日でした。

次回は1月14日(木)7時からオンラインで行いますので、ご興味ありましたら連絡お待ちしています。

いただいたサポートは実験や研究、その他勉強のために使わせていただきます!