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vol.39 風景写真で最も大切でもあるギア、三脚。

こんにちは。
さて今日は、三脚のお話。
風景写真を撮る際に、こいつがいないと撮影できないことが多々あります。
そこで今回は三脚の細かい説明、また材質などから、三脚を用いて写真を撮る際の注意点、作例等をお話していきます。

三脚を使う機会

三脚は主に長秒撮影の時に使いますね。
星の撮影では15秒〜1分などのシャッタースピードで撮影する場合もあるので、三脚がないとカメラが固定できずブレてしまいます。
また、NDフィルターを使った日中での長秒撮影などでも多用します。
NDフィルターが分からない方はこちらへ。

写真がちょっと楽しくなるNDフィルター

三脚の段数

三脚の種類についてですが、まずは段数について話していきます。
皆さんご存じのように三脚は3段や4段など、伸縮できるようになっています。その段数について深く考えたことはあるでしょうか?

段数が増えれば増えるほど収納できるパイプが増えるわけなので、より小さく、コンパクトになるので、持ち運びが楽になります。しかし、段数が増えるとその分段の継ぎ目も増えますね。
継ぎ目が増えるとどうなるか。答えは明確で、剛性が劣ります。
(後々話しますが、剛性の弱さを別でカバーしている製品もあります。)
段数が少なければ剛性を保ちつつ、さらに多くの段数を引き出す必要がなくなるため、三脚を設置する時間の短縮にも繋がります。撮影するタイミングを逃しては元も子もないですからね…

三脚の材質

三脚の材質は主に「アルミニウム」「カーボン」「プラスチック」が使われています。それぞれメリットデメリットがあるので説明していきます。

まずは、初心者、入門者向けに比較的安めで売られている「プラスチック」です。
軽量かつコンパクトになるものが多く、価格も数千円とお手頃ですが、性能は…
はっきり言ってあまりオススメはできません。
軽量なのはいいのですが、三脚は長秒撮影をする際にブレないようにするためのものです。
あまりにも三脚の重量が軽いと風でブレてしまいます。屋内での使用などには問題ないので、使う場所が限られている方、またはほとんど使用する機会がないという人にはいいかもしれません。

さて次は「アルミニウム」です。
価格層としては数千円から数十万円と幅広く、最も普及している三脚の素材です。金属製なので剛性も十分あり、且つアルミニウムは軽量な金属なので持ち運びも楽ですね。
ただし、金属であるからこそのデメリット。
冬に使うとなると金属なのでめちゃめちゃ冷たくなります。素手で持ち運べません🙄
また、多少の重さは金属なのであります。持ち運びを重視するのであればあまりオススメはしません。

さて、残りの「カーボン」です。
カーボンはアルミよりも軽量且つ、剛性を持つという素晴らしい素材です。ですが、価格が高いのがデメリットです。
同じ性能でアルミニウムの1.5倍以上値段が上がるので少し手が出にくいですが、持ち運び、性能ともに最高です。お財布が許すのであればカーボンも選択肢に入れてはどうかと思います。

三脚のパイプ径

さて、それでは次はパイプ径の話をします。実はここがあまり気にしない人も多いですが、大切なところです。
パイプ径は段数が多い三脚では、下へ行くほど径は小さくなります。パイプ径が小さくなることで収納を可能にしていますが、径が小さくなると、剛性が落ちます。
ここが、先ほど話した段数が多くなるほど剛性が落ちるもう一つの原因なのですが、これは逆に剛性を保つことができるようになる部分でもあるんです。

下の段ほど径が小さくなって剛性が落ちるので、それならば下のパイプ径が剛性を保つサイズで作れば良いことになります。
ただその代わり上の段はそれ以上の径になるので、太くなります。少し重量が増し、女性など手の小さい方には持ちにくくなりますが、段数を増やしコンパクトにできるメリットを考えれば径を太くしたほうがメリットが大きいです。

ちょっとごちゃっとしたので簡単にまとめると、段数が多いのであれば、パイプ径を太くして剛性を保つ、という方法があります。

三脚の選び方

さて、それでは三脚の選び方について。
まず三脚は何を指標にして選ぶのかというと、耐荷重で選びます。
次のnoteで話しますが、三脚にカメラをつけるためのパーツとして雲台というものがあります。耐荷重を考える際は、カメラの重量と雲台の重量も考慮して選ばなければいけません。

耐荷重ぴったりの三脚を選べばいいのかというとそうでもありません。
耐荷重には少し余裕を持っておいた方が、三脚の安定性を確保できるので、自分の機材+5〜10kgほどを目安に考えればいいかと思います。

あとは、持ち運び重視なのか、剛性重視なのかで選びます。
持ち運び重視なのであれば、軽量化でカーボン製、段数が多めで、パイプ径も気にして選びます。
剛性重視なら、アルミニウム製、段数が少なめでパイプ径は太い方がいいですね。

各社さまざまな三脚を出しているので自分の用途にぴったりな三脚を選べば良いかと思います。

三脚の足

三脚の一番下の部分、地面と接するところのパーツにも注意が必要です。
そのパーツは石突と呼ばれ、ゴム製や、金属製、雪の上でも沈み込まないかんじきの様なものなど様々あります。
撮影場所の環境によって組み替えて使用します。

三脚の重量をふやす?

三脚は重いほど風などに耐えるのでブレが無くなります。ですが重くなると持ち運びがしんどいですね。それを解消した製品があるんです。

このような「ストーンバック」と言われる製品があります。
真ん中にある布の部分にストーン、重りになる石や水の入ったペットボトル、持ち物などをいれて重りがわりにするというものです。
3本出ている紐を三脚の足にそれぞれ結びつけるだけで三脚の重さを疑似的に増加させることができます。
これをつけることで持ち運ぶ途中は軽い三脚でも撮影する際は重量を重くすることができ、風のブレなどに対抗できるようになります。
しかし、これは耐荷重のうちに入るので、耐荷重には余裕を持って三脚は購入しておいた方が良いですね。

三脚のメーカー

あまり、皆さんは知らないかもしれないのでここで三脚のメーカーをご紹介しておきます。 

マンフロット

大型三脚から小型三脚までを取り扱うメーカーで、プロから初心者まで多くの人に使われているメーカーです。 

ジッツオ

プロ用三脚として有名で、超剛性、軽量化の製品を作るメーカーです。価格が非常に高いことで有名ですかね。  

レオフォト

日本では株式会社ワイドトレードが販売する中国製三脚のブランドです。高剛性、軽量化を図りつつ、値段は比較的抑えているメーカーで、最近ユーザーが増えつつあるメーカーです。 

バンガード

カメラバッグなども生産しているメーカーで、三脚もリーズナブル且つ剛性もある製品を作っています。 

ベルボン

日本のメーカーで、大型三脚から小型まで多くの三脚を取り扱っています。 

SLIK

現在は、ケンコー・トキナーに買収された日本のメーカーです。昔からプロ用三脚を製造しているメーカーです。 

シルイ

レオフォトと同様、近年出てきた中国メーカーで、比較的値段は安めで売られており、手の出しやすいメーカーです。

三脚を使う際の注意点

三脚は、長秒撮影でブレを防止するための機材です。
そのためには三脚にカメラをしっかり固定して撮影する必要があります。そこで雲台はしっかりしたものを選ぶことが必要です。その話は長くなるので次回書きますね。

三脚を使用する際、カメラ側の設定で注意しなければならない点が1つあります。それは、手振れ補正機能です。
手振れ補正機能は、カメラが手ブレを感知して内部の機構を動かすことでブレを打ち消す動作をしています。
これが三脚に載せた時に誤動作を招いてしまい、三脚で固定されているにもかかわらず、内部の機構が動いてしまってブレてしまうことがあります。
手振れ補正機能がついているカメラは必ず機能をオフにしてから三脚に載せましょう。

また三脚を立てる際は、平面な場所では出来るだけ3本ある足のうちの1本を前に、斜面では斜面の下側に足を1本にして立てるようにして設置することが無難です。
なぜかというと、三脚に横向きに荷重がかかった際、足が2本ある側へは倒れにくいですが、足が1本しかない側へは非常に倒れやすいです。
カメラが向こう側に倒れると手で取ろうにも追いつけれません。またその倒れ方だとレンズが地面に突き刺さるのでレンズが割れる可能性大です😰三脚は置き方にも注意が必要です。

さて今回は三脚のお話でした。
三脚を使った撮影にぜひ挑戦してみてください。
以降には作例を三脚を使って撮影した写真を載せておきます。  
 


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