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夏嶺 (なつね)
2016年3月11日 20:01
白昼夢を見た 幾千もの光 蛍のような灯火は あなた方だったのだろうか 小さな合掌に 嗚咽を耐える口元に 涙をこらえるまつげに 慟哭に震える肩に 立ち尽くした雪をまとう髪に あの日に縛られた影達に そうっと そうっと 触れてゆくのだ そうして小さなため息一つ ほろり と零して ゆるゆると空へ 昇って往くのだ 名残惜しげに伸ばした指は きっと 微かに影を揺