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第3章 学生時代のアルバイトは無意味なのか

第1章 お1人様でも安心                      第2章 麻雀打ちはだらしない人間が多い?


大学進学と同時に1人暮らしが始まった。念願だったフリー雀荘に通いまくれる環境を手に入れたのだが、1つだけ不安材料があった。

予備校通いの時はホテル代、交通費とは別に10泊で10万円を貰っていた。大変ありがたく全部使わせていただいたのをよく覚えている。ほぼ麻雀でな・・・

大学受験の時はホテル代、交通費とは別に4泊で4万円を貰っていた。大変ありがたく全部使わせていただいたのをよく覚えている。ほぼ麻雀でな・・・

この2つの前例から1か月の仕送り額を予想してみようじゃないか。なーに簡単な算数だ。30・・・30なのか?? 僕はわくわくしなながら契約交渉のテーブルについた。

母「1人暮らしは大変だろうけど頑張ってね」

僕「うんうん、おれ頑張るよ母さん!」

母「それでね。仕送りのことなんだけど――」

僕「え――」

提示された金額を聞いて一瞬耳を疑った。家賃、光熱費、電話代、全て込みで、なんと!1か月10万円だというじゃないか。

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誠意とは言葉ではなく金額という言葉をグッと飲み込んだ。くそう、誰かが仕送りの相場を入れ知恵しやがったのだろうか??とにかく希望の金額にはほど遠く、期待していた僕のあては完全に外れてしまった。

使えるお金は1か月食費込みで大体5万くらいか・・・フリー雀荘に通うためにはお金が必要だ。予備校時代、大学受験時、その事をわが身をもって知っていたのだ。5万ぽっちでは1日大敗しただけで、その後の生活を維持することができなくなってしまうだろう。

仕方ない―― そう思った僕はさっそくアルバイトを始めることにした。週に4日、時給は600円スタート(30年前だからねw)17時から26時までの居酒屋勤務だ。

学生時代のアルバイトは無意味なのか


頭の良さそうなヤツが人を見下したように半笑いで「アルバイトは無駄、そんな時間があるなら自分のスキルを磨け!」というじゃないですか。正論過ぎてぐうの音も出ない。全く持ってその通りだ。僕が長いアルバイト生活で得たものは、その場しのぎのためのお金と、大学で1人もできなかった友人、そして彼女くらいのものだった。それはそれで得難いものだったかもしれないが、もしももう1度大学生に戻れたとしたら――

絶対雀荘でアルバイトするわ

学生時代のアルバイトが無意味なのではなく、何の目的意識も持たずに時間を浪費するのが無駄だったのだ。先輩後輩の関係がうざいから部活動は敬遠した。働くのが嫌だったからとりあえず大学に進学した。就職したけどサラリーマンがつまらなくて退職した。

嫌いなこと、やりたくないことをただ避けるような人生だった。やりたいことを見つける努力や工夫を怠ってきた人生ともいえるかもしれない。唯一やりたいと思えたことが麻雀だけだったのだ。恥ずかしげもなく言わせてもらえば、もう1度生まれ変わったとしても麻雀がやってみたい。

今度はもっと若いころから真剣に勉強して―― ただこの頃は全く知らなかったのだ。将来こんなにも麻雀にはまってしまうことに。

それともっとゲーム代の安いフリー雀荘があったことにも・・・・


つづく

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