12年ぶりの縁
12年ほど前に働いていたプロジェクトのマネージャと再会した。大変物腰が柔らかい方で、優しくも時には厳しく、思考は合理的で実力もある。誰からも好かれていた。
12年ぶりに見ると白髪がだいぶ多くなったが当時の物腰のままで、包み込むような大らかさが変わらずあった。
当時の私は技術的なことは一製品に多少詳しい程度で、システムエンジニア業界を初めて経験する立場だった。そのマネージャとはシステムの運用マニュアルの方針などで何度か質疑応答を対応した程度だった。
プロジェクト終了時にはまた一緒に仕事したいですね、と言っていただいたのを覚えている。ずぶの素人SEだった私にそんな声をかけて頂いたのが大変光栄で、今でも昨日のことに用に思い出せる。
最近発生しているサーバ性能負荷が高騰する障害対応にて、そのマネージャが急遽アドバイスに来て頂いたのだが、あの頃とは異なり対等に技術的な意見交換ができた。
プロジェクトの抱える政治的な状況や、技術的にコアな話題もじっくり相談させて頂いた。12年ぶりに一緒に仕事が出来るだけでも光栄であるのに、あの頃とは違って、同じ目線で技術を語れることに大変誇らしい気持ちになった。
どこで人生が交差するか分からない。長く続けてきてよかった。長い年月を経て自分の成長を感じることが、これほど嬉しいものだったとは。
苦しい経験もたくさんあったが、その先にこんなうれしいことが待っているんだぞと過去の自分に伝えたい。
12年ぶりの縁に、乾杯。
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