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メインコンテンツが無料で、メイキングが有料??

ここ最近の #西野亮廣エンタメ研究所 界隈では、クリエイターにとって新しいビジネスモデルを提唱している。なんでも、メインコンテンツを無料化し、そのコンテンツ作りのメイキングを有料化するというものだ。

無料公開実験

西野亮廣さんは、自身のインスタでご自身の作品である絵本を2作品ほど無料公開を始めた。絵本作家としてメインコンテンツであるはずの作品を、無料で公開してしまったことになる。

結果どうなったかといえば、絵本の売り上げが上がったそうである。一時的な上昇だけでなく、1.3割増しで安定したそうだ。

過去にも同じような試みをされていて、3年前の当時は大バッシングにあったそうだ。不当廉売にあたるとして、商品価値を著しく下げるものとして、作家のみなさんから相当な攻撃を受けたと語っている。

ところが、2020年現在、コロナも相まってか、無料公開に一定の理解が世論に得られ、届くコメントはポジティブなものが多いそうだ。あの頃バッシングしていた人々はどこへ行ったのだろう。

ちなみにビジネス書も無料公開されている。これはスマホで読むのに適さない一つの記事として公開しており、紙の本のありがたさに気づければ本を買うだろうという狙いのようだ。

メイキングでマネタイズする

無料公開することによる実験の延長で、メインコンテンツを無料公開し、そのコンテンツのメイキングを有料配信するという試みが次なる実験だ。

YouTubeチャンネル 西野亮廣エンタメ研究所の有料メンバーシップコンテンツとして、西野さんの宅のみの様子を配信するというもので、月額590円だ。

https://ameblo.jp/nishino-akihiro/entry-12615973338.html

売り上げは、ゲストへのギャラを除き全額寄付されるとのことで、子供たちへの絵本や映画鑑賞のプレゼントに使われたり、被災地の復興支援に使われることになるそうだ。

これもメイキングのひとつになる。ゲストとして予定されている方々とは主に飲みの場でビジネス論を交わす間柄とのことで、次に仕掛けるアイデアなどが飛び出る可能性があり、視聴者はまだ世に出ていない生まれる前のストーリーを体験できるかもしれない。

そして、オンラインサロン西野亮廣エンタメ研究所は、活動そのものがまさにメイキングである。

現在進行形の数々の実験の様子が日々投稿されており、西野さんのみならず、株式会社NISHINOのインターン生の調整や、サロンメンバーの方々の挑戦がリアルタイムに配信されている。

作成中の絵本の打ち合わせの模様も動画配信されるなど、見せられている方はメインコンテンツ完成前の方が面白いと感じてしまっている。(私だけ?)

オンラインサロンというメイキングコンテンツに、月額1000円で、約70000人が課金している状況である。明らかにメインコンテンツよりメイキングの方が売れているという事例だ。

過程を楽しめ

もはやメインコンテンツを買ってハイ終わり、面白かった、では物足りなくなってしまう。その背景は?どういう意図が隠されているのか?この人物のモデルは?どういうメッセージが込められているのか?

など、作品のメイキングには、深堀りすればするほど、その世界にのめりこむ要素がある。

思えば自分も、映画のDVDに入ってるメイキング映像が好きで、好きな作品はよく見ていた。一度見た映画でも、わざわざDVDを買う、借りるなどしてその特典映像を見て、もう一度本編を鑑賞するなんてことも。

衝撃的な作品ほど、余韻に浸りたくなるし、その感動の名残りでメイキングを眺めていると、新しい気づきが得られて、さらに衝撃を受ける、のループに合うことも・・・

週刊少年ジャンプの別冊コンテンツである「ジャンプ流」もメイキングをコンテンツかしているものの一つだ。

人気のジャンプ漫画家が作品を手掛ける様子を、有料でコンテンツ化しており、ファンの間で随分話題になった。

ジャンプ漫画の代表選手であるONE PIECEも、未だ人気に陰りがない。その一つの理由に、先の展開がどうなるか分からないという点もあることだろう。

900回以上連載しておいて、未だにONE PIECEが一体何であるかも分かっていない。ファンは未だかつてない冒険の行方を想像し、ルフィが海賊王になるまでのメイキングを熱狂的に追いかけている。

思えば、過程を楽しんできた経験は気づかぬうちに比較的日常的にあるものだ。完成した作品をある程度愛でたら飽きてしまうし、まだ完成しない、まだ完結しない、どうなるかわからないものにこそ、興味をそそられる。

完成したメインコンテンツを出汁に、未完成の作品のこれからに魅力を持たせる。

メイキングに価値を見出すというのは、何もエンタメ業界の専売特許ではないだろう。

これまで過程に着目して仕事をしてはこなかった。我々の仕事にも応用できる部分がないものか、遅まきながら研究していきたい。

「過程を楽しめ」

この無料公開からメイキングのマネタイズに関する一連の流れには、なんだかそんなメッセージが込められているような気がするからだ。







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