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あなたが努力しないことが問題なのではない

スキルを習得する方法に向き合う機会が多い。

これからエンジニアになりたいと言って入社してくれた新人社員に、先輩エンジニアとして伝える機会が多いからだ。

彼らの悩みの多くは、何を勉強したらいいのか、どう勉強したらいいのか、という内容だ。

とてもシンプルな事なのだが、なぜかいつもその「最初の一歩」で新人たちはつまづくのだ。「なにを」「どうしたら」で延々悩み続ける。それも当然で、ITといっても範囲が膨大だ。

アプリ開発なのかシステム開発なのか、フロントエンドなのかバックエンドなのかインフラなのか、立場は様々だからだ。

「Webを作りたいと思って入社したけど、長年インフラやってます」などのような話をこの業界ではよく聞く。勝手ながらその方の様子を見る限り、結果的にそちらの方が合っていたのだろうと思う。

何を勉強したらいいのか。
そして、どう勉強したらいいのか。

この問いの答えは簡単で、「出来ないことを、繰り返しやる」だ。

スキルとはそもそも、繰り返し繰り返し練習した結果、身につくものである。

最初は皆、出来ない。出来るまで反復練習する他に、出来るようになる方法があるだろうか。ズルをして楽にスキルを得たいのだろうか。

いや、近道はないはずだ。遠回りしてでも泥臭く学び、その結果得たものがスキルだ。

「なにを」「どうしたら」で延々悩み続ける。そして、時間だけが過ぎていく。

でも安心して欲しい。
これは大きい問題に見えて、実は、問題ではない

私の考えでは、そうやって浪費してしまった時間、悩んで過ごした時間も、人生においては何らかの意味があるものだと考えている。

巡り巡ってその時の時間に、人生的に価値を見出すことは将来可能だろうと考えている。

だから問題はないのだ。
スキルの身につけ方が分からず延々悩んでいても、特に目立った行動をせず、いますべき努力が出来ない状態でも、問題はない。


問題は、同じスタートラインにいたはずなのに、今その努力を全力でしてしまっている人がいるということだ。

今この瞬間も、そのずっと前から、寝る間を惜しんで学習しているかもしれない。

失敗を重ね、試行錯誤し、経験を今も重ねているかもしれない。圧倒的な回数をこなし、圧倒的な量を積み上げているかもしれない。

コミュニティに属し意見交換を交わし、何らかの有料コンテンツを利用しているかもしれない。週末はセミナーなどの関連分野の講義を聞きにいっているかもしれないし、勉強会を自身で主催しているかもしれない。

その差は歴然。周回遅れでどんどん突き離されていくだろう。時は戻ってこないからだ。

あなたが努力しないことが問題なのではない。
世界のどこかで、全力で努力をしている人がいることが、問題なのだ。


新人たちにはそのように教えているのだが、だいぶ冷たい先輩だと思われているのかもしれない。だがきっとそれも、特に大きな問題ではない。


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