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Audibleを試してみたよ

読書のスタイルがテクノロジーとともに大きく変わってきた。

電子書籍は大きな流行を見せていて、スマホやKindle端末などで読むことは広く一般化された。

漫画は、大手のWebサービスでポイント利用で、お金を払わず読んでいる、なんてスタイルも多いそうだ。

かと言って、未だ紙の書籍は安定して売れているのだそうだ。本日相談させていただいた、印刷業界の方に教えてもらった。

flier(フライヤー)に代表される要約サイトも利用者が増えていて、サブスクリプション課金で、数ある書籍内容のエッセンスだけ知識として広く吸収するスタイルも人気だ。

YouTubeで書評動画や本の内容開設動画も人気だ。動画を見るだけ、または見ずに聞き流すだけで、本の内容が分かる。私もよくこのスタイルで気になっている本の内容を「聞く」のだが、結構これで満足して買わない、なんてこともあるほどだ。

合理的で、現代人らしい発想に着地したものだ。

また、最近になってAmazonの音声書籍サービス、Audibleを利用し始めた。

はじめは抵抗があってなかなか購入しなかったが、YouTubeで「聞く」ことで、面白いなと思った本は、もしかして、全編音声書籍として聞くスタイルで「読む」というのは自然に受け入れられるんじゃないか?

と思ったことが発端だった。

Audibleのデメリット

実際聞いてみると気づいたことがある。まずは、結構読んでいる声優の技術が気になる。もちろんプロであるので上手いのだが、物語調の書籍は演技が妙に違和感があったりと、話が素直に入ってこなかったこともある。

また、音声を文字に変換するとどういう漢字なのか、すんなり入ってこないワードも中にはある。自己啓発本や、異業種の本は多く、どういう字が充てられるのかが分からず、もやっとすることもあった。

一番、利用しにくいと感じたのは、もう一度あの部分を読みたいと思ったときに、戻れないことだ。厳密には戻れるのだが、再生バーのどこで(何時間何分のところで)止めていいか見当がつかないことがある。

細かく目次が設定されている本などはそれでよいが、ざっくり5章構成で6時間、などの本は、「あの言葉良かったからもう一度読みたい(聞きたい)な」と思っても、なかなか目標の場所に戻ることができない。

そして、結局諦める、なんてことが数回あった。お気に入りの書籍、「幸せになる勇気」がまさにそれで、この手の本は結局、紙版も欲しくなる。

Audibleで読んで、もう一度読みたい部分があるな、と思ったら紙版、または電子書籍を買う。そのようなスタイルも比較的効率的ではないかと思った。良い書籍と出会うと、複数回読みたくなるものだ。

読書効率は電子書籍が勝る

ただ、読書効率という意味では電子書籍には敵わないなという感想だ。

マーカーを引いたり、気になる部分をハイライトしたりといった物理的な行為は読書中に出来ないし、インプット効率が悪いなとも感じた。

もちろん聞きながらノートを取ったりというスタイルは考えられるが、文字を書くなら、インプットも文字であったほうが効率が良いようにも感じた。先ほどの通り、どういう漢字を充てるんだっけ、となるし、漢字は分かっても漢字がいざ書こうとすると出てこない、などの間抜けな状況もありうる。

再生速度も気になる標準の速度は、聞きやすくはあるが、遅い。1.1から1.2倍が丁度良いように感じたが、それでも1冊6時間が5時間強に減る。そこまで集中して聞くことは、日常生活では難しいようにも感じた。

速読に慣れている人は、全てを聞かされることにも苦痛を感じるだろう。

本をめくりながら要素を察して、部分的に飛ばしながら読み進めることが速読のひとつの手法で、私も取り入れてるが、音声書籍ではこれが出来ない。

当然と言えば当然のデメリットだが、両手と視界が空く、というメリットは、読書好きには新感覚である。全てをAudibleで、とはいかないまでも、シーンを選んで活用するメリットはあるのかもしれない。

家事をやっている主婦や共働き家庭では、両手と視界が空いているとラジオなどを聞くことも多いが、代わりにAudibleで読書する、といった利用も考えられる。

運転時間が長い生活をされている方は、車の中でラジオ代わりに聞いてもいいだろう。満員電車で本を読みにくいのであれば、Audibleで聞く、ということも手だ。

生活シーンに合わせて読書が様々な手法に変化した。繰り返しになるが、現代らしい、大変合理的な読書様式になったものである。

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