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第8回 画用紙✖️水彩絵の具滴下(2)/放射状に滴下(立体滴下描法)

 前回、第7回でご紹介した『画用紙✖️水彩絵の具滴下』では、画用紙を立てて、水彩絵の具を重力で滴下させたのですが、この方法だと、滴下経路がみな平行的になるので、やや単調な印象となります。
 水彩絵の具を放射状に滴下させることはできないだろうかと考えて、編み出したのが、今回ご紹介する描法です。立体の方に画用紙を貼りつけて、その表面で水彩絵の具を滴下させるもので、これを《立体滴下描法》と名付けました。

1.立体の型への貼り付け

 まず、紙をあてがう立体の型を用意します。ここでは、インスタント・コーヒーの空き瓶の口にゴルフボールを詰めたものを使います。

紙をあてがう型

ここに画用紙をあてがって、マスキングテープで止めます。

画用紙を型にあてがう


2.彩色滴下

そして、画用紙のセンターを濃い目の水彩絵の具で着色し、その周囲に薄めの水彩絵の具を垂らして、これを自然に滴下させます。

彩色滴下①
彩色滴下➁
彩色滴下➂

3.展開


 水彩絵の具が滴下し終えて乾くのを待って、型から外して広げます。

展開①
展開➁

4.仕上げ彩色

 
 展開した画用紙には水彩絵の具が滴下して作った模様が現れていますが、余白も多く残っています。この余白部分を彩色して絵を仕上げていきます。
 仕上げの彩色には、主に色鉛筆を用いていますが、これは、私が筆さばきが下手なために、水彩絵の具では滴下してできた模様の際の部分と仕上げに施す色彩とを上手に塗り分けられないからです。 

仕上げ彩色(途中)

 この絵はまだ仕上げ途中ですので、以前に同じ手法で完成させた作品をご紹介します。

 水彩絵の具で彩色した部分と色鉛筆で彩色した部分の肌理の違いがはっきりしています。これはこれで面白いのですが、全体を水彩絵の具で統一したらどのような感じになるかも試してみたいと思っています。

完成した作品例

今回は、ここまでとします。

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

このシリーズの次回はこちらです:


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