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93歳のおじいちゃんに子どもサンタがやってきた!

12月24日。クリスマスイヴ。自粛モードとはいえ、日本中の子どもたちは「サンタクロースは自粛しない」というとっても自己中で根拠ないロジックをもとにワクワクを目一杯膨らませていた。

自らサンタになった中学生

でもね、うちの地域の中学生たちはちょっと違う。

午後、子ども福祉委員の中学生メンバー17人は、サンタを待つのではなく自らがサンタになり、体育館の軒下に集合していた。

子ども福祉委員…阪南市社会福祉協議会が創設した小中学生のボランティア組織。学校外で自主的に高齢者の困りごとを解決したり、街をよりよくする活動をしたり。コミュニティワーカーが活動を支援。2019年度には下記フォーラムで全国大賞を受賞。

子ども福祉委員からの提案

遡る事1週間。子ども福祉委員のミーティング。

「この街のひとり暮らしで寂しくしてるおじいちゃんおばあちゃんにクリスマスカードを届けて元気づけよう!」

キラキラ感がすごい(笑)多分何も悪いことはしていないはずなのに、一緒にいるだけでこちらが閻魔大王に睨まれた気持ちになる。そんなくらい純粋でまっすぐな想いが溢れ出している!

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さっそく制作。

「猪俣さん、何て書いたらいいかな?」

「自分たちで考えよう。気持ちが伝われば何でもいいよ!」

みんな一生懸命。自分ではない誰かのために夢中になれる。

きっと素敵な大人になるだろうなー、と40手前のおじさんは既にジーンときてる。

1時間ほどで完成♪

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器用な子、不器用な子。男の子、女の子。カードの出来栄えはいろいろだけど、想いのこもったカードはどれも金粉でもまぶしたかのようにキラキラしてる…☆彡

いいなぁ〜 僕がおじいちゃんになった時にこんなカードもらえるだろうか。タブレットからポチっと送信、だったら嫌だなー(笑)こっそりタイムマシンで40年後の自分に贈っておきたい…

空の上から

カードを届ける相手は、民生委員さんやCSW(コミュニティソーシャルワーカー)さん※にお願いし、地域内のひとり暮らし高齢者らをリストアップしてもらった。

「◯◯さんは最近奥さんを亡くして寂しくしてる。ぜひ行ってあげよう。」

と、訪問先を選ぶ作業は、さながらサンタクロースが「どの子にどのおもちゃあげようかなー」と空の上から眺めてるよう。

普段から地域の高齢者らを把握して関わってくれている民生委員さんや福祉職のネットワークが活きる。

※CSWとは、地域の様々な困りごとをキャッチし解決に向けて支援するソーシャルワーカー。2014年にはNHKでドラマ化された。深キョン主演。

こうして、年末に並の独居高齢者たちでは味わえない喜びをもらえる権利を得た勝ち組おじいちゃんおばあちゃんは17人。

子どもサンタ大作戦決行!

迎えた12月24日。

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マスク姿の中学生サンタ17人が集合!

フィンランドからは渡航制限があってもまったく関係ない。だってうちのサンタたちは徒歩で夢を届けられるから。

案内役のトナカイ…いや民生委員やCSW、コミュニティワーカーなどが先導し4チームに分かれて出発。

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メリークリスマス!子ども福祉委員の夢かなえ隊です。プレゼント届けにきました〜♪

民生委員さんが事前にお知らせしていなければ確実に新手のサンタ詐欺かと疑うであろう直球インターホンにも、笑顔でドアを開けてくれるひとり暮らし高齢者のみなさん。

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93歳。ひとり暮らしになり歩くのも辛くなってきたけど、まさかこんなプレゼント貰えるなんて。

別のお宅でも、

老々介護のストレスで日々暗い気持ちだったけど、今日は明るい気持ちになりました。明日から又、少し、頑張れそうです!

との嬉しい感想が。

時間にすると数分。届けたのは色画用紙に書いたメッセージカードとクッキー。でもどんな高価なプレゼントにも代え難いかけがえのない贈り物。

閉塞感のある年の終わりに、布団に入れた湯たんぽみたいにじわ〜っと芯からほっこり温まる、そんな中学生ボランティアたちの取り組み。

子どもサンタのみんな、いい夢をありがとう。

ちなみに、子ども福祉委員の中には受験前の中学3年生も…。

今日やるはずだった勉強を前倒しで全部終わらせて、お母さんにOKもらったから来た!

ひたむきで可愛いサンタクロースさんたちにも満開の春が訪れますように♪

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