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オンラインセールスの事前準備について
最近、「オンラインセールスだとどんな事前準備するんですか?」とよく聞かれます。その度に、「何か違うのかな〜」「特に気にしたことないしいいや」と言語化を放棄していたのですが、改めて後世に伝えていくために、どう違うのか言語化して、僕が良くやる事前準備をまとめてみました。
事前準備の目的自体は同じ
フィールドセールスもオンラインセールスも事前準備を行う目的自体は同じだと思います。「顧客の現状をできる限り正確に把握することにより、共に最短距離で最適解を導き出すこと」にあるんじゃないでしょうか。本noteの趣旨とは変わってしまうので、この目的については深く言及しないことにします。
Webに公開されている情報、インサイドセールスからヒアリングした情報から仮説を立て、顧客の課題に合わせた提案をできる状態を作る。その提案が素晴らしいものかどうかは顧客との対話を通して決まるので、「仮説から導いた提案ができる=事前準備ができている」状態としています。
詳しくは次郎さんが書いたnoteをご覧ください。
僕がよくやるオンラインセールスでの事前準備
①先方担当者名でぐぐる
当たり前かもしれませんが、商談前に必ず担当者の名前で検索します。大きく得たい情報は2つです。先方担当者の正確な役割・役職、先方担当者の趣味嗜好の2つです。
特にオンラインだと、最初の接点が名刺交換ではなくなるので、先方担当者の役割・役職が事前に把握できない可能性が高くなります。マーケティング・インサイドセールスである程度解決はできますが、それでも不安なので、プラスで必ずWebから確認するようにしています。
検索方法は、「フルネーム」「会社名+姓」です。こちらでコーポレートサイトのメンバーページや外部インタビュー記事がヒットすれば、そこから担当者の役割・役職を把握します。ヒットしなければ、その会社の「コーポレートサイト」「リクルートサイト」で該当ページを探します。BtoBで複数部署が関わる商材だと要チェクですね。
また、少し小さい規模の会社だと、代表の名字と担当者の名字が同じかどうかも確認するようにしています。上記検索方法ではヒットしなくても、代表と血縁関係にあり意思決定をする立場であることが稀にあります。調べられる情報はできるだけ調べ、どんな立場の人がどのような課題感を持っていそうかをイメージするようにしています。
僕は、ここに一番時間かけている気がします。担当者の立場、役割を正しく把握しておくことによって話を円滑に進めていくことができます。また、結局人と人とのコミュニケーションです。BtoBにおいても多くの方が個人として扱われたいと思っているので、事前にこれでもかってくらい調べて、いやらしくなく話すようにしています。
②ある程度決まった自己紹介を作る
オンラインセールスの場合、ある程度どの顧客へも適用できる自己紹介を用意しておくことをお勧めします。というのも、普段の訪問営業で行うアイスブレイクが通用しないことがあるからです。
よくフィールドセールスの方に「オンラインの時アイスブレイクどうすんの?」と聞かれます。オンラインだからってそんな変わらないよと返答していたのですが、確かに考えてみると、先輩の営業に同行した時も、営業提案で来社いただいた時も、アイスブレイクの内容ほとんどが訪問ありきの内容でした。オフィスについて、道中の気付きについてなど訪問に依存するアイスブレイクが体験した中では多かったので、確かにオンラインでは少しやり方を変えないといけないなと思いました。
そこで、訪問に依存しないほとんどの顧客へ適用できる自己紹介を用意することをおすすめしております。ポイントは以下のnoteをみてください。
グダグダなアイスブレイクから始まると、少し不安ですよね。。マイナスイメージを与え、商談に対する期待感が落ちてしまうくらいであれば、オンライン用の決まったアイスブレイク、自己紹介を作っておくと良いですね。
③仮説から刺さりそうな事例ページを3つは用意しておく
事前準備におけるオンラインセールスの強みは「無駄な用意ができること」だと思っています。1商談にかけられる時間が移動時間分長くなること、また提案資料を印刷する必要ないので、その分用意するコストが圧倒的に低くなります。資料を複数気軽に用意できるし、例え用意した資料を使う機会がなかったとしても心理的ダメージも少なくて済みます。ので、今から商談する顧客の課題解決に1ミリでも寄与できる可能性がある資料であれば、いつでも出せる準備をして商談に臨むことができます。(訪問先での営業をPCで行えば良いだけの話といえばそれまでですが)
で、少し具体的な話をすると、事前準備段階で、3つは事例を用意するようにしています。
業種、課題、体制別にハマりそうな事例をどんな言葉でどのような話し方で伝えるか決めています。
業種・・業種がぴったり一致する場合、めちゃくちゃラッキーです。ほとんどの会社でぴったり一致はないとは思いますが、顧客の中での課題解決イメージも具体化するので、あれば使った方が良いです。ただ業種業界限らない商材だと、やはりぴったり一致はほぼないので、ターゲット業種・規模、少し離れると商材特徴・単価で一致する事例がないか探します。
課題・・課題だとある程度型にはめて訴求できるかと思います。以前セミナーで学んだことの受け売りになりますが、課題別事例は大きく3つに分けることができて、【売上上げたい/コスト下げたい/組織を良くしたい】みたいなものに分類されるそうです。で、多くの会社でこのいずれかに課題を持っているので、仮説を立てて訴求できる事例を用意します。
体制・・僕はツールの導入提案なので、そのツールを誰がどういった体制で運用するのかは、営業提案時に斬っても切り離せない話になります。マーケティング・インサイドセールス・クロージングセールスの分業有無、人員規模によって似たような状態で課題解決に寄与できた事例を見つけます。
要するに、自社の事例は少なくとも上記3つの観点で把握しておくべきですね。
自社の課題が顕在化しているのに、提案商材がどういう解決策を持っているのかどういう効果が出るのか見えないまま進む商談ほど、怖いものはありません。暗闇の中でゴールも分からないまま誘導されているような感覚です。オンラインだとより”見えない怖さ”みたいな物が端々にあると思っていて、いかに事例で解消するかが重要です。
もし事例がない場合は、セールスも事例を作る動きをした方が良いと思います。僕も多くのお客様にご協力いただき、事例取材を行いました。ここ最近弊社でも事例コンテンツを増やしているのですが、半分以上は僕が取材を行っています。「セールスの仕事じゃない!」と言うのは簡単ですが、セールス本来の案件を前に進めることが難しい状況下にある(多くの会社そうだと思います)のであれば、事例コンテンツ作成に取り組んでみても良いかもですね!オンラインコミュニケーションに慣れるという観点でもプラスですね!
まとめ
訪問営業は「通常のビジネスシーンで受動的に得られる情報が多く」、オンラインセールスは「受動的に得られる情報が少ない分、能動的に情報を掴みに行く」ことがより重要となります。
しげのさんが言及していましたが、オンラインセールスで能動的に情報を掴みに行かないと、良くない体験が生まれます。
オンライン訪問を断る企業が一定数あると聞きました。
— しげの_インサイドセールス (@insidesales_job) August 12, 2020
すべては企業のスタンスなので良いも悪いもないと思いますがもしそれが設備や環境問題ではなく、意識だけのことであればもったいないですよね。
これからの時代は買い手の進化が必要になります。売り方だけではなく買い手の力が重要になります。
ただこれを悲観するのではなく、インサイドセールス村の住人としてはどうにかして社会の意識を変えてきたい。
— しげの_インサイドセールス (@insidesales_job) August 12, 2020
そのためには「良い体験の連鎖」が必要だと思っています。我々が1件1件の顧客体験をどれだけ高められるか、にかかっていると思っています。
僕らの活動は5年後の世界を創ってる。
良い体験を生み出し続けるためにも、最初の事前準備はしっかりしたいですね。
最後に
オンラインセールスに関するnoteを書くと、どうしても訪問営業と二項対立のような図式になります。どちらも良くて、セールスパーソンがシチュエーションによってどちらも選べるものになれば良いと思っています。
また、SNSの世界ではその特性上、二項対立が起こりやすく、どちらかに優位性を求めたがります。そんな世界にうんざり!の人におすすめなのが、以下で、李禹煥(リ・ウファン)という方の「関係項」という作品です。
「関係項」は、李禹煥が立体作品の包括的なタイトルとして、1970年代以降採用してきた言葉です。韓国と日本、東洋と西洋、実践と理論、絵画と彫刻、対象物と余白、自然と人工物、作ることと作らないこと――こうした二項対立構造のはざまで、李自身は与えられた空間や状況における媒介、エネルギーとして機能し、それぞれの瞬間に求められる緊迫と均衡の時空を模索してきました(下記ページより引用)
森美術館で展示されていますので、是非見に行ってください。
最後に、アートの宣伝になりました〜。
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