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びっくりのインド ● 19 ● 夜のルーティーン

私が暮らしていたところは安全な街だったが、それでも 「夜は危ないから明るいうちに帰宅してください。外が暗くなってきたら門の鍵を閉めます」 と言われていたこともあって、定時で仕事を終えたら一旦家に戻ってすぐにフィットネスクラブへ行き、その後は近くの市場で夕食を済ませ、朝ごはんを買ってから帰宅した。

日本のように 『急にお腹が空いて夜遅くにコンビニに行く』 なんてことはできない。
そもそも、食べるものがいつでも徒歩で買いに行ける国はそんなに多くないと思う。
特に日本の都会では、大きな道路を隔てて斜向かいに別のコンビニがあったりする。
私たちは食べ物を買うのに道路を渡ることすら面倒だと思うようになってしまっている。

インドでは何をするにしても 歩く
夜のルーティーンの最初のイベント フィットネスクラブへ行く のに 20 分歩いた。
フィットネスクラブについてはまた別の記事で書くとして、運動した後は、たいてい近くのレストランで食事をした。
英語が通じる、テーブルと椅子がある、食器とカトラリーが清潔、ミネラルウォーターを注文できるところだ。

そこにはレストランが恐らく 30 件くらいあり、そのほか生活で必要な物は、日用雑貨店や病院も含めてすべて揃っていた。
1970 〜 1980年代の日本の 典型的な商店街を 3 倍くらいにした感じ と言ったところだろうか。

食事が終わったら、市場で朝食のパンを買った。
インドに住み始めてから暫くすると、さすがに3食カレーはきつくなり、朝はパンを食べるようにした。
けれどそこは びっくりのインド、油断していると、中に何も入ってないと思ったパンの中からカレー味のゆで卵が出てくる、なんてことも度々あった。
店の人に 「中に何か入ってますか?」 と聞くようにしていたら、そのうちに訊かなくても 「この中には何も入ってません」 と言ってくれるようになった。

次に向かうのはフルーツを売っている店。
色々なフルーツを山積みにして売っている店でトロピカルフルーツを買った。
お値段ちょっと高めの 何でも屋さん (コンビニサイズのスーパーっぽいところ) で買ったのは りんご
南インドでは りんご が育たなくて北インドから運ばれてくるから、金持ちが食べるフルーツだ。

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えっ! という量に思えるだろうが、これを2回に分けて1日で食べていた (バナナは1日1~2本)。
左上のグリーンは パパイヤ、みかんの上に乗ってるのは マンゴ だ。
全部で 150 円くらいだったと思う。

この後に豆乳を買い、フルーツと一緒にバックパックに入れ 20 分も歩くと、「食べ物がこんなに重いなんて」 というほど肩にグイグイ圧し掛かってくる。
食べる物を買って帰る というのは思いのほか 重労働 である。

家に帰ったらシャワーを浴びて、ここからはやっとゆっくりと時間が流れる。

フルーツを食べつつメールをチェックするのが 8 時くらいだ。
1日中よく歩き、よく動いているから 9 時には睡魔が襲ってくる。
部屋にロウソクを灯して、しばらく静かに外を見ながら、夜を味わった。

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冷たい風が部屋に入ってきてロウソクの灯りが揺れるのを見ると急に意識が遠のいてきて、火を消して 22 時には眠った。

日本にいると、どうしても時計に行動させられてしまう。
インドでは、日が暮れてから寝るまではとても静寂で、1日の終わりを体で感じる時間だった。


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