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びっくりのインド ● 00 ● 準備 part 1

まだ会社勤めをしていた時の、「惠白さん、惠白さん、インド行かへん?」 という一言が、そもそもの始まり。

前からインドには興味があったので 「行きます!」 と即答したのはいいけれど、計画を説明してもらううちに、段々と上の空になって、

1週間くらいの出張...
ではない?
数ヶ月?
そんなに長くインドにいられるの?
インドのどこ?
 ガンジス川は近く? 沐浴?
確か... 死んだ人を...
ガンジス川に流すんだよね?
え、え、えっ!

と、限られた知識のすべてが頭の中をぐるぐる回った。
しかし、この話しがあってから、あれよあれよという間に事が進んで、インド行きが決まった。

出発まで 3 か月。
インドのあれこれをインターネットで調べると 「予防接種を受けろ」 と書いてある。
予防接種をしてくれる病院を慌てて探して、すぐに尋ねた。
ドクターに事情を説明すると 「 3 か月? それはきついね。いくつかワクチンがあるけど、1 回目と 2 回目の間に 4 週間あいだを置いたほうがいいやつもあるし」  と言うので、「そこを何とか」 とお願いして、3 か月でワクチンを接種してもらうことにしたのだが、そんなにたくさんのワクチンを接種しないといけないほどインドでは色々な病気に晒される可能性があると気付いて、急に現実が近づいてきた。

これがドクターから渡された ワクチン接種スケジュール

001 予防接種

この画像はスキャンに失敗して歪んだのではない。
最初からこんな風に印刷されていたのだ。
どことなく雑なこの表 を見たときは、「この病院で予防接種をしてもらって大丈夫か?」 と不安になったが、スケジュール表があるということは以前にもこの病院でワクチンを接種した人がいるということだから 「大丈夫、大丈夫なはず」 と自分に言い聞かせた。

しかし、日本脳炎 の予防接種がスケジュールに入っていないことに気付いた。
あるサイトに 『インドには 蚊が多い』 と聞いてあったことを思い出して、ドクターに 「あの... 日本脳炎のワクチンは...?」 と訊くと、どうやら 3 ヶ月で 5 種類のワクチンを接種するのは無理があるようで、「まぁ、大丈夫でしょう。蚊に刺されないように気をつけてください」 と言う。
「えー! そんな軽い決め方?」 と思ったが、口には出さなかった。

1 週間後に改めて病院へ出向き、いよいよ 1 回目のワクチン接種が始まった。
狂犬病のワクチンは、それまで見たこともない大きな注射器で、こんな大量の液体を体内に入れてもいいものかと思ったほどだ。
しかも、かなり痛かった。
一度に 2 種類ずつワクチンを接種したせいか、次の日に腕がぱんぱんに腫れたこともある。

それまでアメリカの他に、幾つかアジアの国に行ったことはあったけれど、予防接種など考えたこともなかった。
「やっぱりインドは違うんだなぁ」 と思ったが、違う どころか、3 か月後に びっくりの出来事が次から次へ 起こることは、まさに 知らぬが仏 だ。


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