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びっくりのインド ● 02 ● 出発

出発の日。

宅配便で空港へ送っていたスーツケース 2 つを受け取って、ゴロゴロというよりゴリゴリと引きずって航空会社のチェックインカウンターに行った。
スーツケースを預けようとしたら、カウンターのお姉さんが真面目な顔で 「重量が大幅にオーバーしています」 と言う。

超過分の値段を計算してもらうと、驚くことにチケット代よりも高い。
けれど、仕事で使うものを減らすわけにはいかない。
私物を半分に減らして、それを郵送しようかと考えたが、果たして何日くらいでインドに着くのか、いや、インドに無事に着くのかも分からない。

「うーーーっ」 と唸ってたら、責任者の人が来て、「超過分の値段を払うなら、ちょうどいま アップグレードキャンペーン をしておりますので、ビジネスクラスになさったら如何でしょうか? そのほうが安いですし、超過分の料金もありません」 と教えてくれた。
捨てる神あれば拾う神あり とは、まさにこの事だ。
早速、会社の人に電話したら、「では、ビジネスクラスで」 と言ってくれた。
何と、幸先の良い 話しではないか。
途中、バンコクの空港で乗り継ぎがあるが、石のように重いスーツケースなしで時間を過ごせるのは本当に助かる。
フライトまでそんなに時間はなかったが、せっかくだからタイ航空のラウンジで少しだけゆっくりしてから飛行機に搭乗して、いよいよバンコクへ飛んだ。

そして 6 時間半後、タイに到着。

わたしは空港という場所が好きで、どんな空港でも心が躍る。
これから観光地へ向かう人、誰かから去っていく人、ビジネスでどこかへ行く人、色んな人の心持ちが混ざっていて、他の場所では味わえない独特の空気を味わえる空港が好きなんだと思う。
乗り継ぎに何時間もあると嫌がる人がいるけれど、わたしの場合は多分、1日くらいは平気で待てる。
しかも、タイのスワンナプーム国際空港で退屈するなど、あり得ない話しだ。
事前に念入りに下調べをしていたとおり、まずはマッサージに行って全身の凝りをほぐしてもらい、併設されているホテルで仮眠を取った。
そして早めにホテルを出て、バーでワインを飲みつつ飛行機が離発着する様子を 1 時間くらい眺めた。

インドに到着するとすぐに幾つもの苦難が待っているとは知らず、酒が入っていたせいか、「インドかー。なんか... いいなー。良いことがある気がするー」 などと呑気に考えていた自分が今となっては懐かしい。

この 4 時間後、ついにバンガロールに到着した。

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