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びっくりのインド ● 03 ● インドに着いたわいいけど part 1

バンガロールの ケンペゴウダ国際空港 は 2008 年 5 月 24 日に開港したのだが、私が到着したのは同年の 11 月 15 日だったから、さすがにきれいで機能的、開放感たっぷりだった。

入国審査や税関ではいつものように、まるで私が 何かよからぬものを運んでいる と言わんばかりにあれやこれや尋問された。
インドのスタッフが事前に日本へ送ってくれていた手紙 (彼らはそれを invitation letter と言っていた) に滞在の理由、滞在期間、滞在先が書かれてあり、それを見せたら無事に通れた。
この手紙は 水戸黄門 の印籠のような効果があった。
これでついにインドの地に立てる。

到着ロビーに出ると、乗客以外は誰もいない。
ここはインド、何億人も住んでる国、出迎えの人でごった返していると思ったのに、がらーんとしている。

「インドは出迎える習慣がないのだろうか...」
「空港へのアクセスがなくて来れないのかも...」

などと思いながら、空港の外に出ると、いきなりの超インドだった。
100人、いや 200人はいたかもしれない。
インド人の顔がずらーっと並んでいて圧倒された。
よく 「西洋の人は、アジア人の顔の違いが分からない」 と不満げに言う人がいるが、一度インドに行ってみるとよい。

しかも、だ。
大勢の人が、おかえりなさい! とか ようこそインドへ! らしきことをヒンディーで書いて掲げているけれど、謎の暗号にしか見えない。

ホテルから迎えの人が来ることになっていて、その人もきっと KEIHAKU英語で 書かれた輝かしいメッセージ を高く掲げてくれているはずだ。

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Google 翻訳で調べてみると、上が Welcome back home! で、下が Welcome to India! だけれど、これが 100 も並ぶと、ただただ 「うゎー!」 である。
この中から、Welcome to Bangalore, KEIHAKU-san! を探すのは、大草原で四葉のクローバーを探すようなものだ。
ひとつひとつ丁寧に見たけれど、K E I H A K U は、どこにもない。

実は事前に迎えの人の電話番号を知らされていたのだが、空港内に公衆電話があるのか、どうやって電話を掛けるのか、どの硬貨を使うのか、まるで分からず、そもそも着いたばかりで硬貨は 1 枚も持ってないし、最悪の場合、もたくたしている間に迎えの人が来て私を見つけられず帰ってしまうかもしれないから、とりあえず待ってみることにした。

10分後、迎えの人は来ない。
… 20分後、来ない。
…… 30分後、来ない。
………… 40分後、来ない

それまでに行ったことのある国なら、タクシーに乗るか、シャトルバスに乗るかするところだが、シャトルバスなんて 1 台もない。
タクシー乗り場もない。
外は真っ暗。

ワタシ... ドウスルノ?
ソレデ...?
ワタシ... ドシタライイノ?

途方に暮れる、この時の私をこれほど的確に表す言い方は他にない。


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