【ライブレポート】30歳中学生、ファミえんに行く(2)
4.Maybe、そんな勇気はない
繰り返しになりますが、今回の話にAKB48は全く関係がありません。格の違いを見せつけられた、ということです。
前回の記事で触れた通り、広場には物販テントがあり、様々なファングッズが販売されていました。Tシャツ、リストバンドといった定番のものもあったのですが、その中で異彩を放つものがありました。
『EBIG!フード付きメンバータオル』(税込2800円)。
名前からではどのようなものか分からないと思うので、説明します。
バスタオルの長辺にフードを付けたような形をしています。フードの付け根にボタンがあり、フードを被ってボタンをとめることで防寒着にできます。9人のメンバーに対応して9種類が用意され、色はそれぞれのイメージカラーになっています。ここまでは普通のファングッズです。フードとボタンは珍しいですが、むしろ画期的だと思います。問題はここからです。
背中側にメンバーの上半身が大きく写されています。広場にはそのメンバータオルを身にまとったファミリーが少なくありませんでした。すれ違う度に背中のメンバーが目に入ります。
――洗濯した後、どこに干すのか(外にはとても干せない)
――帰ったら何に使うのか(風呂上りに体を拭く? まさか、そんな……)
――次のライブにも持参するのか(目立ちはするだろうが……)
色々と疑問はありましたが、山中湖まで足を延ばさなければ見られなかった光景だと考えると、これはこれで感慨深いです。
数年後には自分も一員になっている可能性が……あるのでしょうか。今のところ、ないように思われます。
5.開演まで
さて、放送に従って広場に集まったのですが、入場が始まる気配はありませんでした。暇をもて余していると、ラインを受け取りました。Fさんからでした。
Fさんとは、去年の大学芸会で右の席に座っていた人です。この日は名古屋から山中湖まで車で乗り込んでいました。一週間前に所沢で開催された夏のバカ騒ぎに参戦していることを考えると、凄まじい行動力です。
Fさんは私よりも前に到着し、車で山中湖を一周していました。間もなく戻る、という連絡でした。物販テントに並んでいるとのことだったので、レジの外で待つことにしました。しかし、それらしい人はいませんでした。通信状態も悪く(スマートフォンやタブレットを持った人が広場に集まっていたからだと思われる)、ラインは通じません。どうしたものかと考えていたら、なぜか後ろから現れました。7ヵ月ぶりの再会になります。
公式Tシャツを着ていたFさんでしたが、さすがに上述のメンバータオルには引いていました。大学芸会からそれまでエビ中やももクロのライブに参戦していたので、それらのライブについて話を聞くことができました。2013年の春の一大事(公式の動画がYouTubeに上がっている。私はそれを観て3年前に参戦を決めた)にも参戦していたことが分かりました。そういったこともあり、話題は尽きませんでした。
しばらく話したところで、ようやく入場が始まりました。整理番号の関係で、Fさんより先に入場しました。残念なことに、その日はもうFさんに会えませんでした。
さて、『山中湖交流プラザきらら』には『シアターひびき』というイベントスペースがあり、ライブはそこで行われます。富士山をバックにして屋根付きのステージがあり(霧さえなければ富士山が見えたはずだった)、それを半円形の芝生が囲んでいます。椅子等はありません。芝生はロープでいくつかの区画に分けられており、チケットにはどの区画に行くべきか書いてあります。私がいたBブロックはスタンディングエリア(座ってはいけない区画)の最も外側でしたが、ほぼ正面だったので、ステージが良く見えました。さらに外側にはリラックスエリア(座れる区画)が設けられていました。
ライブが始まるまでの間、周囲を観察しました。上空に何かが飛び回っていましたが、近くのファミリーが話していたところによると、撮影用のドローンのようでした。前方に水色の服を着た集団(5人以上10人以下。1ヶ月も前なので記憶が曖昧)がいました。りったん(中山莉子)推しを集めたパックツアーだったのでしょうか。今となっては確かめようもありません。
間もなく、会場に『ebiture』が響き渡りました。続いて、メンバーの声が。待ちに待ったファミえんがついに始まったのです。
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