【ライブレポート】30歳中学生、ファミえんに行く(1)

1.はじめに


  8月6日、ファミえんに参戦しました。ファミえんとは私立恵比寿中学(ももクロと同じ事務所に所属するアイドルグループ。以下、エビ中)が毎年夏に開催している野外ライブです。『夏のファミリー遠足』を略してファミえんと呼びます。ファミリー、とはエビ中のファンのことです。

 会場は年によって異なりますが、今年は『山中湖交流プラザきらら』でした。過去のファミえんで使われたことがある他、ベイビーレイズJAPAN(アイドルグループ。『夜明け Brand New Days』は名曲。知った時には既に解散していた。無念)の解散ライブで使われた会場です。

 この記事ではそんなファミえんについて書きます。

 長いので、複数の記事に分けます。

2.いきさつ


 さて、エビ中のライブに参戦するのはこれが初めてではありません。初参戦は去年の大学芸会(年末に開催されるライブ)です。元々ファミえんに興味はあったのですが、大学芸会が楽しかったので参戦することにしました。今年12月で転校(脱退を意味するエビ中用語)するおもち(柏木ひなた)にとって最後のファミえんであることも大きかったです。

 先行販売に遅れないように、公式ホームページを毎日確認しました。もちろん、感染が再拡大してファミえんが中止にならないよう祈りながら、です。そして、ついにファミえんの開催が告知されました。しかも、感染が下火になっていたためか、声出し可能なエリアまで設定されていました。

 ここまでは良かったのですが、問題は会場が山中湖畔であるということです。山中湖はアクセスが悪いです。バスを乗り継いで行かなくてはなりません。道中は混雑が予想されるため、予定通りバスが乗り継げるかどうか分かりません。しかも、乗り継げたところで帰宅は深夜になります。現地に泊まろうにも、そもそも宿がありません。
――断念するしかないか
 非常に悔しい決断を下さなければならないところでした。しかし、しばらくして公式ホームページにバスツアーの告知が上がりました。横浜発着の便もありました。私は喜び勇んでチケットを購入しました。チケットは声出し可能なエリアのものです。約2年半ぶりにコールできるということで、期待は膨らむばかりでした。

 しかしながら、感染の再拡大により、声出し可能なエリアは消滅しました。さらに、ぽーちゃん(小林歌穂)が体調不良により欠席となりました。なかなか思い通りにはいかないものです。

3.僕の夏が始まる


 今回の話にAKB48は全く関係がありません。ライブに行ったことすらありません。何となく、そんな気分だったということです。

 山中湖行きのバスは横浜駅からやや離れた場所からの出発でした。分かりにくい場所だったらどうしようかと不安でしたが、杞憂でした。遠目にも分かるカラフルな服装の人々が並んでいたからです。バスも停まっていました。3年前の池袋駅を思い出して懐かしくなりました。

 出発までの間、リュックに入れておいたももクロ扇子で涼んでいました。そこでは広げても問題ない気がしました。

 バスはほぼ定刻通り出発しました。遠足、とは良く言ったもので、確かにこれから遠足に行くという高揚感がありました。山中湖という日常から離れた場所で行われる、しかも初めて体験する野外ライブです。落ち着いていられるはずがなかったのです。

 バスの中では3年前の、つまり最も新しいファミえんの映像が流れていました。エビ中は10年以上の歴史があるので、知らない曲も歌っていました。そこで初めて聴き、歌詞を検索して知った曲が『テブラデスキー』です。偶然であるとは思いますが、映像が終わったタイミングでバスが山中湖に到着しました。

 山中湖畔は肌寒く感じました。霧が立ち込めていたので、湿気もありました。羽織るものを持っていくべきでした。
 駐車場と会場入口の間に広場があり、そこにキッチンカー、物販テント、仮設トイレが並んでいました。何はともあれ、昼食を済ませなければなりません。キッチンカーでステーキ丼を買いましたが、広場には椅子もテーブルもなく、芝生に腰を下ろすしかありませんでした。ステーキ丼はニンニクが効いていておいしかったです。
 物販テントでマフラータオルを買おうと思いましたが、意志は長蛇の列に砕かれました。飲み物だけ買ってスマートフォンで新聞を読み、読み終わると湖岸を散歩しました。
 空気が澄んでいました。湖水が穏やかな波音をたてていました。
――贅沢な時間を過ごしているな
 日頃の疲れが癒されていくのが分かりました。

 そうこうしているうちに、開場時刻が近づいたことを知らせる放送が聞こえました。


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