KAIZEN Ⅳ
連日の"KAIZEN"に関するコメントについて。今回が本題です。
世の中の問題をザックリ分けると、ジグソーパズル型とルービックキューブ型の2つのタイプに分けられます。ハイフェッツ教授の言葉を借りると、技術的問題(technical problem)と適応課題(adaptive challenge)ですね。
これまで問題の多くはジグソーパズル型の問題と捉え、問題の要因を分析し、原因を分けて考え、一つ一つの問題を正していけば、全体が解決できる、というパズルのピースを嵌めるような問題解決手法が、日本では一般的なやり方として定着してきました。
部分最適の積み上げが全体最適に繋がるという考え方は、高度成長期の日本が築き上げた製造業の経営・事業スタイルに浸透しています。そう、製造業で浸透した"カイゼン"の考え方です。
しかし、人間関係の問題や、時間の変化と共に状況が大きく変わる、予想外の変化が起こる状況では、問題のタイプは異なり、部分最適の積み上げでは全体最適に繋がらず、問題は解決できません。
問題の解決のために取った手段が、別の側面に影響を与えてしまうような、ルービックキューブ型の問題を解決するためには、目の前の状況をミクロに見つめるだけではなく、ものごとの全体をマクロに眺め、全体最適を導くやり方が必要になります。
しかし日本の義務教育では、批判的思考やシステム思考といった全体最適を導く考え方を教えてきていません。大人達はこの考え方を"当たり前"と認識していません。
・分けるのではなく統合
・因果と繋がりを意識
・時間的変化を考慮
こうした視点を持つことで、現象や表層に流されず、その奥にある本質に目を向けさせることに繋がります。
ルービックキューブ型の問題を解決するために必要なこと。適応課題はadaptive challengeです。"挑戦"を生み出すメカニズムを内側から起こすために、何が必要なのか。そのことをできるだけ回りくどく伝えることが、今私がやりたいことです。
参考書籍:
『他者と働く』 宇田川元一 著
『学習する組織』 ピーター・M・センゲ 著 他
[2022.09.12投稿]いいね:26
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