妄想:気候変動による難民で先進国は混乱する

(以降、妄想)*****
食べるモノがない。住むところがない。買えないし働けない。伝染病が流行り医療・福祉が圧倒的に足りない。気候変動で明らかになる極度の貧困(経済・健康)。政治は力づくで統治しようとするが、反発もできないほどに弱った国民は国外へ逃れていく。

向かう先は先進国。

先進国は科学技術を駆使して気候変動による危機を乗り越えようとしている。食べるモノは何とか確保し、災害から身を護れる程度の住環境を整備し、電気が使える状況であればデジタルで経済を回し、バイオテクノロジーで伝染病に対峙し高齢福祉を何とか回している。

気候変動で極端に貧困になる人々と先進文明の水準を維持しながら豊かさの中に浸る人々。

この差は、気候変動の温度差と同等かそれ以上のエネルギーを生んで、地球を猛烈な渦の中に巻き込んでいく。

貧困という熱気は、難民の先進国への移動により持ち込まれ、比較的安定していた先進国の温度を上げていく。温度が上がれば "いら立ち" が増し、穏やかだった先進国の人々もヒートアップしていく。

そこかしこで、食料・住居の奪い合いが始まり、遺体が街にあふれてそれによる伝染病も流行り崩壊した医療・福祉では賄いきれない。強いものが取り仕切る世の中になって、弱い者は虐げられる。

先進国はもはや先進ではない。

気候変動の限界点。これを知っていて放置した先進国の成れの果てだ。気候変動に脆弱な国や地域もわかっていた。だが、先進国同士の調整が不調に終わり、気候変動に対抗できる状態にまで整備できないのだ。

気候変動は変数の集まりで複雑だが、各々に限界点を超えると、ある時、後戻りできないほどに全体が荒れはじめる。先進国はそれを知っていたが、自国の都合を優先した結果、自国もろとも先進を崩壊させたのだ。

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やはり、先に進む者が全体の安全を確保する義務があるのだろうと思うのです。あるべきリーダーシップはなにか。自国優先に偏らない安全保障の在り方など、"先進の思想" が必要になっているのではないか。そう、妄想した次第。

#日経COMEMO #NIKKEI

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