「雑用」って、なんだろう・公務員転職希望増加

中央官庁では、国会答弁対策などで不夜城となるようです。

大臣や議員から発せられるのは、国家情報。従って、齟齬はあってはならないので、最終的な論理調整やどうとでも取れる文言の掲載で多くの人が時間を費やしているのだろうと思うのです。

議員や大臣の思いが官庁に響き渡り、国の政策が施行されていく流れではないのでしょう。官庁が積み上げた動かしがたい ”なにものか” を大臣や議員が認めたうえで情報を発すのでしょう。

上手に ”積み上げる” には、バランス感覚が必要。けれど、その先の公務のために ”角度を持たせる” 能力も必要です。前後左右、どちらに傾かせるか。崩壊しないように、若手を深夜まで働かせる。その中でバランス感覚と公務のベクトルを学ばせているのでしょう。それは、”雑用” といってもいいかもしれません。

民間も積み上げはあるものの、あえて取り崩し更地にして再度組み上げる。ダイナミックでなければ生き残れない。急速展開の小気味良さ。そこにハンドリングの面白さを感じる若手有能公務員も多いのではないでしょうか。

「公はすぐには変われない」。なにごとも、闇雲に変わっていたのでは、公平を維持できない。公平を維持しながら徐々に民意に沿う方向へ進めていく。これは、民間にはない能力です。とても必要な能力。けれど、これを学ぶのに必要な経験とは何か、そこにベテランと若手の思いの違いがあるのではと心配しています。

「雑用から学べ」。どうやら、大臣や議員がすき好む言葉のように思います。けれど、テクノロジーが発展している現代では、「適性をすばやく発見し、最適に展開する」能力が問われています。これは、大臣や議員がいち早くモノにすべき能力です。その検証に、若い有能な公務員が携われるのなら、”雑用” に追い回されずに、民意を探りながらベクトルを見出す経験ができるのではないでしょうか。

「公僕」。華々しく報いられることは少ないのでしょう。けれど、社会にはなくてはならない存在。民間もその必要性を十二分に理解しています。一度は、民間で様々な経験をしていただき、その中で改めて公僕の魅力を再発見していただいて、新たな手法で公を培ってほしいと願っています。

#COMEMO #NIKKEI

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