妄想:全体主義が活性化する「世論分裂」

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アメリカ合衆国でも、欧州でも中東でも最近の台湾(中華民国)でも、世論が二極分化されている。そして、対立が深まれば深まるほど、喜ぶ勢力がある。

それは、となりの「全体主義勢力」であろう。

不適切な方法であっても全体を統率仕切ってしまえば、分裂は起こらない。分裂しない一つの塊は、分裂した相手を粉微塵にできるパワーを持つことになる。

つまり、二極分化されたものを各々さらに二極分化するように塊をぶつければいい。あの分裂方法だ。つながりを失った塊は二分木で粉になるまで分解するのだ。

全体主義は出来上がった粉の上をゴロゴロ動き回るだけでいい。「雪だるま式」に勢力拡大を図ることができる。

ある程度の体積になると中心部が密になり引力が発生し、さらに密になり高温化していく。そして、習性に準じてゴロゴロと粉の上を動き回る。

「全体主義の魅力」で二分木の片割れをさらに割っていく。細かく割れたほうは「全体主義勢力」に次々に取り込まれ、引力によって自由を奪われ、全体の組織として圧縮されていく。

広い空間では、同じ作用があちこちに発生し、やがて、巨大な全体主義の塊が二つ現れる。互いに「粉」を求めてゴロゴロと動き回るが、やがて、最接近する時が来る。

「全体主義の魅力」なる強大な引力で互いにぶつかり合う。衝撃で陥没やひび割れが発生し、互いの欠片を吸収しながら、それでも、ぶつかり合う。やがて、ぶつかり合ったまま、離れなくなり、互いに吸収しあい、大きな塊を形成する。

習性で「粉」を探し回りゴロゴロとあてもなく動き回るが、突然、動きを止める。内部の高温がある境を越えてしまい、かつてない急速な収縮が始まったのだ。移動をやめて収縮に集中し、やがて、超高温に耐えられなくなって、大爆発を起こす。

粉々になった一つ一つは小さな塊を作り、それより大きな「極小全体主義」を形成し、更に近隣の「全体主義」を吸収していく。

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今の世界にある国家や集団は、「ちいさな全体主義」の塊で、ひとつの価値観という引力でつながりあっていたのだろうと思うのです。お隣の違う価値観と衝突し割れているのが現状ではないでしょうか。価値観でまとまる塊。それを打ち壊す違う価値観。欠片を吸収するのはどちらの価値観か。わたしは粉となって、どこの塊のゴロゴロにくっついていくのか。すこし、滑稽な妄想が浮かび上がったのです。

#日経COMEMO #NIKKEI

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