生成AI時代の創造とはなにか

創造(コトバンク参照):① 新しいものを自分の考えや技術などで初めてつくりだすこと。② 神が宇宙、万物をつくること。

今回は①。"新しい・・・初めて" ということは、なにをもって言えるのか。

ニンゲンが紡ぎだす "新しい・初めて" は、本当にそうなのか。過去に事実がなかったということか。それは、過去の事例すべてを掘り起こし、全く、"新しい・初めて" と、証明できるのか。

私にはそう思えない。条件付きの "新しい・初めて" と解釈しています。「〇〇については、◇◇の領域で△△の条件下で、"新しい・初めて" と証明できる」ということでしょう。

それさえも、領域と条件をただしく区分けや厳密な時間軸などの調査ができているとは限らない。ある瞬間だけ "新しい・初めて" と言えるだけだろうと思うのです。

だとすれば、生成AIがさまざまな統合と要約を繰り返し質問者に回答する所作は、①の "創造" に該当すると解釈しています。つまり、①の創造は、ニンゲンの専売特許ではない。生成AIについても当てはまるということ。

生成AIが出力する様々なモノやコトガラについて、権利は全体にあり個には存在しない。つまり、だれでも利用できるということ。権利主張は利用した個人にあるということ。権利の範囲は一瞬であるということ。


生成AI時代の権利主張は、「◇◇の領域で△△の条件下でつぎの創造までに」有効であるということ。実用では、ほとんど存在できないほどの一瞬であるということ。それが、新しい時代の "創造" を定義することになるのでしょう。①の創造は、権利主張がほとんど無意味になるということです。

発見と想像は、人間にも生成AIにも許される。それをニンゲンの生業に組み込むとはどんなことなのか。ニンゲンには一人一人に生産・消費・生活の役割があります。生産にかかわることで報酬を得て生活のために消費するという循環です。

生成AI に①の創造が与えられると、生産はどうなるのか。ニンゲンは生産にどうかかわって報酬はどう発生しどう受け取れるのか。生産に関われないとすれば、報酬のないまま生活のために消費することはできるのか。

「報酬のないまま生活のために消費する」という社会の構築。生成AI の①の創造による「生産:ニンゲンの役割の終焉」は、全く新しいニンゲンの文明を創造することになるのでしょう。

#日経COMEMO #NIKKEI

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?