超妄想:合衆国暗黒化

いや、この妄想はひどすぎる。そんなはずがあるわけもなし *****

T前大統領支持派(以降、T派と呼称)が決起する。民兵結成へ動き出した。「T氏を護る!われらの思いをUSAに響き渡らせる!」。

T派の構成は各界にわたる。財官民学、ありとあらゆるところに存在する。各々に「T氏を護る!」を合言葉に団結していく。合衆国議会では、T派が発言力を増し、国の機関の責任者の任命をことごとく妨害する。合衆国の混乱が徐々に深まっていく。市場では合衆国への信頼が揺らいでいく。ドルの価値が乱高下しながら、徐々に下がっていく。

「T派由来の不景気」到来だ。T派は「この不景気はエリートたちが仕組んだ!」と叫び声をあげる。「T氏を貶めるための策略だ!」と叫ぶ。もはや、合衆国に敵対する国々からの情報操作さえ必要ない。放置していても「合衆国の暗黒化」は深まっていく。

やがてどこからともなく「合衆国はダークマターに包み込まれていく」という情報が広まる。ダークマターの意味を解釈することもなく「暗黒が合衆国を包み、ブラックホールの中へ吸い込まれる」という拡大解釈された "真実" が信じられるようになる。

合衆国から国外へ逃れる富裕者が増えていく。不思議なことだが、それとは逆に合衆国へ不正流入する人々も増えていく。各地で略奪や抗争による殺人が増えていく。汚職も蔓延し、国としての制御を失っていく。

T派は、「われらのUSAをダークマターから護るために、強力な軍隊が必要だ!」として、強圧的なデザインの旗の下、民兵を集めて軍隊として構成していく。「身を護るために、"銃こそすべて" を口ずさめ!」として、いさましい詩と曲に踊らされながら、不法移民たちを有無を言わさず攻撃していく。

突然、T前大統領が死亡した。原因は不明である。何年も前からつづく決着のつかない裁判の途中の出来事であり、T派は2千年前の救世主の死と重ね合わせていく。T派は「T宗教」の先導者としての役割を担いながら、合衆国を再構成していく。

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この "T派" は、妄想の中で猛烈に元気になっていくのです。どうも、ニンゲンの中にある本性が現れて "解放され光り輝く" ようなイメージが出来上がっていきました。変なのです。暗黒化していく中でやたらに輝く集団。そんな妄想でした。あくまでも、妄想でしかありません。こんなことが現実に起こるはずがない。・・・そう、信じるしかないのですが・・・。

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