平和という泉、砂漠を移動するのなら

現在の国連をあの楼蘭にたとえてみます。砂漠の湖ロプノール。かつては水量が多くそのほとりに楼蘭という都が成立していました。例えるなら、砂漠は戦の多い世の中であり、ロプノールは平和に集まる国々とその連合体。その豊かさの象徴である都の楼蘭は、国連。

戦は時々に場所を変えますが、都度、平和を求めた国々は平和の引力に沿って位置を変えていき、象徴である都は多くの国々に平和をもたらしました。

ですが、強力な砂嵐のためにその輪郭は優美さを失い、世界の平和を維持することが難しくなって、都から人々が去っていきます。

やがて湖も干上がり、痕跡だけが残ることになります。

ですが、地下では平和の流れは脈々と受け継がれ、表に現れる場所を探します。激しい砂嵐が一時治まったところに、砂漠の窪みから滔々と平和の水が湧き出るのです。

あの美しい都の楼蘭という名前だけは継承しますが、国々の集まり方や象徴の構造は全く違ったものに作り上げられます。主要国の拒否権はなく、どの国も排除しない構造です。

今は砂嵐が治まるまで自身の国を各々で守るしかない。ですが、砂嵐が治まれば、新しい平和の象徴の都を創り上げるべきです。そうしなければ、砂上の楼閣となってしまう。

#日経COMEMO #NIKKEI

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