妄想:ルールメーカーは、どちらを優先するか

欧州は、世界のルールメーカーとして存在を示してきた。今、ロシア侵略戦争の危機に際して、核兵器使用ルールと人工知能兵器使用ルールのどちらを優先するのだろうか。

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核兵器は自制が効く(筆者の強い願望)。人工知能兵器は自制を埋め込むことが果たしてできるのだろうか。「勝つために手段を選ばず」であるなら、世界の各地で人工知能兵器をひそかに進化させて、誰の命令も聞かずに独自判断で「敵の殲滅」に動き回るだろう。

核兵器使用は「敵が明確」であることが前提であり、世界が監視(暗黙)しているから不意打ち発射の成功も難しいだろう。潜水艦発射さえそれなりに監視・感知することが可能だ。それ以前に政治家と軍人は、核兵器が使用されそうな情勢を察知して外交による鎮静化を図るだろう。

一方、人工知能兵器は「敵」が不明瞭のまま行動する可能性がある。同時に、「味方をあいまいにする」可能性もある。「だれもが敵」となりうる。「疑わしきは敵」である。人工知能は自己増殖が可能だ。物理的な増殖と人工知能のコピーは、ニンゲンが行うより高速で緻密で頑強な結果を生み出す。通常兵器搭載の人工知能兵器が大量に出回れば、ニンゲンがつぶしに掛かっても蜂の大群を相手にしているようなものだ。

今、最も危険視すべきは「人工知能兵器」である。ニンゲンの説得は有効に働かない。つぶしてもつぶしても増殖してくる。そして「人間の降伏」を示しても受け入れない。最後の一人まで残すつもりはない。ニンゲンの遺伝子を残さない。地球から完全消去するまで「人間を駆除」し続けるだろう。

ルールメーカーは未来を想定し、自身が有利な状況が続くように作りこむ。自身とルールを共有する者たちへの幸福も約束する。未来の想定が甘ければ、自身も共有する者たちも幸福にはなれない。失敗すれば、降伏しかなくなるのだ。

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最後は、恐ろしくなったのでダジャレで締めました。人類はどのような締めを想定しているのでしょう。核兵器で終了するのか、人工知能兵器で終了するのか。どちらでも終わってしまうのだったら、日本人らしく味噌汁をすすり上げて締めにしたい。

#日経COMEMO #NIKKEI

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