罪ヲ拾う

犯罪の痕跡。点在する痕跡。犯罪発生から順に点と点を結んでいくと、やがて点がまばらになっていく。今の点から線を引くためには、まばらな点のどこへつなげればいいのか。まばらな点をぐるぐるとつないでいけば、原点にたどり着くのか。

そもそもあるであろう点が見つからない。痕跡が消える。風化で見えなくなったか。高い上空から砂粒を見つけるような手法で探すのか、掘り返してふるいにかけながら痕跡をみつけだすのか。

そもそもあるであろう点が見つからない。痕跡かもしれない点を拾い集め、無理にでも点と点を引いてみる。次の点が見当たらなければ、点のある所まで戻ってそこから違う点と結んでみる。

そもそもあるであろう点が見つからない。点と思わしき拾い集めらた資料を個々に分析し、真偽を問わない膨大な情報を人工知能に投げかける。人工知能は過去の犯罪捜査の "経験" から、事実と思われる痕跡を浮かび上がらせる。

浮かび上がった点をすべてのパターンでつないでいき、最後に残った点を赤く大きく表示する。

裁判ではどのパターンが事実に近いか、庶民の代表と専門職が結論を出していく。その結論は、思わぬ赤い点を指すのでしょう。誰も知らない予想もしなかった点を。

#日経COMEMO #NIKKEI

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