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苦土石灰って何の肥料?

苦土石灰とは?

苦土石灰とはドロマイトという岩石を原料として精製された「苦土」と「石灰」を含む肥料のことです。

苦土って何のこと?

苦土とは・・・マグネシウムのことを指します。苦い味がするから、と農業用語らしいです。
マグネシウムは葉緑素(クロロフィル)を構成する元素の一つであり、植物体内で糖やリン酸の代謝にも深く関わっていて、炭水化物・タンパク質・アミノ酸の合成に不可欠です。

苦土欠乏症

  • 下位葉の葉脈間が黄化(クロロシス)する。

  • リン酸の効きが悪くなる。

  • 生育不良、果実の収量・食味の低下につながる。

苦土過剰症

  • カリウム欠乏症(拮坑による)

  • カルシウム欠乏症(拮坑による)

  • マンガン・亜鉛・ホウ素の欠乏症(pH上昇による)

石灰って何のこと?

続いては、「石灰」についてです。
石灰とは・・・カルシウムを指します。
カルシウムは細胞壁を作るための材料の一つであり、有害物質の生体内中和や、根の生長促進の働きなどもしています。

石灰欠乏症

  • 病害虫への抵抗性が低下する。

  • 若い葉や根の生育が抑制される。

石灰過剰症

  • カリウム欠乏症(拮坑による)

  • マグネシウム欠乏症(拮坑による)

  • 鉄やマンガンなどの微量要素の欠乏(pH上昇による)

苦土石灰っていつ必要?

苦土石灰は、石灰質肥料に分類されていて、石灰質肥料はカルシウムを補給するという目的は勿論ですが、土壌酸性矯正(pHを上昇させる)のために使用されることが多いです。
石灰質肥料には、苦土石灰の他に、生石灰消石灰炭酸石灰(炭カル)・有機石灰などがあります。
苦土石灰は、「酸性矯正したいし、マグネシウムも同時に補給したい!」という時にはぴったりな資材ということですね。
ただし、生石灰や消石灰に比べてアルカリ分が低いため、酸性中和力が比較的弱く、ゆっくり効き目が出る(遅効性)という点では注意が必要です。

ということで以上、苦土と石灰の説明でした!!
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

川島珈琲研究所

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