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WEBディレクターズガイド#1「ヒアリング」

こんにちは、2週間ほど空いてしまいましたが今回はWEBディレクターズガイド#1「ヒアリング」について書きたいと思います。文字ばかりですが、読み物的に読んでいただければ幸いです。

突然ですが、ヒアリングっていうと何を連想されますか?
なんかこう…Hear(聞く)…みたいなことであったりとか、
Hearing(聞いている)…みたいなことをイメージされるかもしれません。

WEB業界にいると当たり前のような言葉ですが、実は一般ではそこまでヒアリングという言葉は浸透していないのではないかと思ったりしています。(その辺は別途リサーチやったりしてみたいですが…)

さて、本題です。

このシリーズはWEB制作会社に所属するWEBディレクターを想定して書いています。そのため、営業担当者は別にいます。はい。

WEB制作のスタート地点として、営業担当者(または直接お客様)から案件の引き合いがあった場合、まずはお客様がどんな意図があって、WEBを変えたい(作りたい)のかを把握する必要があります。

そのため、お客様にお話を伺わせて頂く…のではなく、
お客様の意図を引き出す工程(立派な工程ですよ!)、これをヒアリングと呼んでいます。

冒頭の話ではないですが、お客様のやりたいお話を伺う…事ではないと私は捉えています。なので、ヒアリングではなくインタビューなんだと思います。

この工程をすっ飛ばしてWEBなんて作れやしません。例えるなら、初めて会った人の好きな物や今食べたい物を何の予備情報もなく当てる行為に等しいからです。(カレーを作って目の前に出して「カレー好きですか?」「嫌い」と言われたら次は味噌ラーメンを作って「どうですか?」…みたいなラリーを延々とやるようなものです。材料費も手間もなんのことやら…です。)

なので。

インタビュー設計を必ずやりましょう。

単に聞きたいことを並べるだけであればよいのですが、可能であれば営業担当者からお名前、年齢、性別、所属、社内ポジション、決裁権の有無、人物の雰囲気、ITリテラシーなどご担当者様に関する情報をなるべく集めるようにしてください。これだけでも仮想の取材対象像が出来上がります。

大体ですね、、、ご担当者もハッキリ「WEBについてどうしたい」かなんて、わかっちゃいないケースがほとんどなんです。明確な回答なんてまず返ってこないってつもりでいた方がいいです。なので相手の土俵に上がりそこにWEBを絡めるようにしていくことをお勧めします。

ヒアリングを行う際、相手によりある程度質問は変えることをお勧めしますが、、、、過去の経験上以下のポイントは含めておいた方がいいと思います。

・WEBサイトを通じて何をしたいのか。
なぜ変えたい(作りたい)のか。(課題は何か。)
誰のためのWEBサイトか。
・現在どのようにWEBサイトを使っているか。
・いつまでにWEBに変化を起こしたいか。(新しい展開を始めたいか)
・予算感
・他社にも声をかけているか?(何社くらい?どこ??)

お客様の事業視点+案件の視点+技術視点くらいの
重みづけでよい気がします。
※決して技術を軽視しているわけではありません。

ビジネスの話をしよう。

何となく、無目的にWEBを作りたいってことはまずないわけで、必ずお客様の企業(団体)様のビジネスを何かしらよくしたい、変えたい、意図や目的があるわけです。

なのでお客様の会社情報をインプットしてからインタビューにのぞむことはマストです。

自社のことについて語れないご担当者はまずいません。
なのでお客様のビジネスの中にあるWEBサイトの立ち位置を踏まえながら話をするとよいかと思います。会話を通じて相手の癖や趣向、立場や力関係など、非言語情報をつかむようにすると尚良いです。

ここまでが、ヒアリングに望むまでの心づもりと準備に関しての内容になります。お分かりかと思いますが、準備が9割です。残りの1割は、、、、

・声を張る
・胸を張る
・プロを演じ切る
・わからないことは「確認します」と言って持ち帰る
・初めと終わりの挨拶はきちんとする

これくらいかと思います。

逆に。

技術的な質問に偏りすぎないようにしましょう。例えば情報システム系のご担当の方が同席している場合は、サーバーや稼働環境の要件を伺うことは重要ですが、ほぼと言っていいほど技術系の方がお見えになる場合は中心人物が別にいます。

中心人物が目の前にいるのに、技術的な話ばかりをしていては「自社の事業を推進するパートナー」ではなく「技術屋さん」としか見られなくなってしまいます。ただ結構陥りがちなことでもあるので注意が必要です。

最後に。

上記で必ずうまくいくとは断言できませんが、ここで伝えたいのはWEBはあくまでお客様のメディア(=ツール)です。ツールを目的にしてもお客様にとってはあまり意味がありませんし、なによりこの次につながる提案の視野が狭くなってしまいます。(作れます!できます!の提案になっちゃう…、コンペに出てくる会社はみんな作れるし、できるのよ。)

ヒアリングの段階でお客様の人物像まで把握しておけば、案件を受注した際のコミュニケーションにもいい影響が出ると思います。

ヒアリングは単なる話を聞くだけの場、ではなくお客様との初めての接点、取材対象者に対するインタビューと捉え、この記事がヒアリングという場が良い提案に結びつけるための一助となれば幸いです。

※次回は提案に向けた準備にあたるWEBディレクターズガイド#2「企画・調査」を書きたいと思います。

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