見出し画像

【激震】Finaleが開発終了【譜面作成の業界標準が逝く】

2024年8月26日。

久しぶりに心の底から動揺するニュースが。

The end of Finale(フィナーレの終焉)」

えええぇぇええぇぇええええ…!!!?

譜面作成ソフトの「Finale」が開発終了…!???

たしかに去年くらいから「そういえば新しいバージョンがリリースされないな…?」とは思ってたけど…

色々な意味で衝撃が大きすぎる…🫨



Excelが終わるレベルの衝撃

楽譜を作るソフトと言えば「Finale」か「Sibelius」の二大巨頭。

どちらかといえば「Finale」が業界標準ソフトというイメージだった。
(自分でも言ってたし↓)

世界標準の楽譜作成ソフトウェアFinale日本語ポータルサイトへようこそ。ご存じでしたか?現在国内外で出版されている楽譜のほとんどがフィナーレを使って制作されています

https://www.finalemusic.jp/

まさかその業界標準が終了するとは…🥵

音楽業界に詳しくない方に向けて例えるなら…

Microsoftが「Excel作るのやめます。」って言ってるようなもの。

「エクセルが終わるようなもの」 『Finale』サービス終了に音楽家たちから嘆きの声

Yahoo news リアルサウンド編集部

ホントによ。

「使いやすいソフトか?」と言われるとそうじゃなかったかもしれないけど…

  • 業界標準ソフトを扱えるスキル

  • 作った楽譜のデータ

  • 効率化のためのスクリプト

  • (Pythonで自作した)RPAツール

などの財産がほぼ無価値になるのは痛い。

楽譜制作がメインなわけじゃない僕でもツラいので、それがメインのお仕事の方には計り知れないインパクトだと思う。


開発を終了する理由

35年前、現在のMakeMusic社の前身であるCoda Music Technologiesは、画期的で使用者中心の楽譜ソフトウェアであるFinaleの初版をリリースしました。40年以上にわたり、私たちのエンジニアと製品チームは、楽譜ソフトの金字塔となるものを情熱を持って作り上げてきました。

ソフトウェア業界において40年は非常に長い期間です。技術スタックは変化し、MacとWindowsのオペレーティングシステムは進化し、Finaleの何百万行ものコードが蓄積されてきました。これにより、時間とともに顧客に対して段階的な価値を提供することが指数関数的に困難になってきました。

今日、Finaleはもはや楽譜業界の未来ではありません—これは35年後の現実であり、私はこのことについて率直でありたいと思います。ユーザーにわずかな価値しか提供できないFinaleの新バージョンをリリースする代わりに、私たちはその開発を終了する決断をしました。

the finale blog

まぁ…僕も曲がりなりにもウェブサービスを作ってるので、技術的負債が蓄積されたコードのエグさはわかる。

自分一人で書いた数万行のコードでもしばらく見なかったらワケわからんのに、40年間に渡って積みあがってきた数百万行のコードなんて…想像するだけで寒気がする。

そもそもFinale、今まで使ってても「ちょいちょいバグってるな…」みたいな挙動はあったから、わりとギリギリで動いてたんだろう。

でも、影響の大きさを考えると「なんとかならなかったのか…」とも思ってしまう…🫠


どうしよう

2024年8月27日 午後5時30分(東部時間)更新: 最初の発表に関する補足説明Finaleの認証は無期限で利用可能です: ただし、将来のOS変更により、新しいデバイスでFinaleを使用する能力に影響が出る可能性があることにご注意ください。
Finale v27がDorico Proクロスグレードに含まれます: 現在、Dorico Proクロスグレードを購入された、または購入予定のすべてのお客様がFinale v27をダウンロードできるようにする解決策を検討中です。これにより、利用可能な最も強力なバージョンのMusicXMLであるMusicXML 4.0を使用してFinaleファイルをエクスポートできるようになります。ご迷惑をおかけしますが、詳細情報は近日中にお知らせいたします。

the finale blog

「1年したら今持ってる製品を新規で認証するのもできなくなる」って言ってたけど、それは撤回して(動作は保証しないけど)無期限に認証できるようにするみたい。

それから、Doricoへ移行する人は最新版Finaleへのアップデートは無償のよう。

まぁ、でも冷静に考えてFinaleを使い続けるっていう選択肢はないよね。

というわけで…割引している今のうちにとりあえずDorico Pro5を購入した。

今やってる諸々が一区切りついたらDorico勉強する…😭


Finaleの未来

昨今ものすごい進化がめざましいAI。

最近だとVercelの「v0」なんて凄まじいなと感じます。

でも、まだ数十年単位で積みあがった技術的負債をなんとかできるレベルじゃない。

ただ、AIの発展の速度を考えると、将来AIがこういうワケ分からないレベルの負債が積みあがったソフトの保守や改修をする未来が来るかもしれない。

そうしたら、最近復活していたSonarみたいにFinale復活みたいな話もあるかもしれない…。

もちろん、ある程度時間が経てば大半のユーザーは別のソフトに移行していて戻らないのだろうけど、Finaleのシェアと歴史の長さを考えるとしばらくして復活してもありがたい人はいるんじゃないかな…。


2024/09/08 追記:Doricoの所感

とりあえず、ぼちぼちDorico Pro 5の勉強を始めた。

僕は新しいソフトの操作を覚えるとき、大体キーボードショートカットの収集から始める。

こちら↓Doricoの基本概念キーボードショートカットが簡潔にまとまっているチートシート。便利っぽいので載せておきます。

https://japan.steinberg.net/fileadmin/redaktion_japan/documents/Dorico/Dorico-cheatsheet_ja.pdf

こちら↓はDoricoのマニュアル

で。

ちょっと使ってみて思ったのは…

「あれ…もしかして…Finaleより便利じゃね…?🤔」

ってこと笑

特にドラムセットの各楽器の構成符尾の向きをカンタンに設定できるのめっちゃうれしい。

Finaleは(たぶん)キックとハイハットペダルとそれ以外をレイヤーに分ける必要があった。
それ用のスクリプトまで組んでたのに…!こんなアッサリと…。

細かいところはまだ使い込んでないから分からないけど…

少なくとも「ガチガチに自由度の高い譜面を作りたい」とかじゃないライトユーザーはDoricoの方が便利そうかも?

2024/09/14 追記:

DoricoへのクロスグレードとFinale27(日本語版)を得る流れを別のnoteに整理しました。


いいなと思ったら応援しよう!

キムラ ヨシト
読んでいただきありがとうございます!✨ 内容が「良かった」と思った方は ↑スキをポチッとしていただけると嬉しいです! さらにコメントやサポートをいただけると、とても励みになります!🔥