(前半無料)【メロディの法則】2000以上のメロディを分析して分かったこと
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(前半無料)【メロディの法則】2000以上のメロディを分析して分かったこと

Yoshito Kimura@KHUFRUDAMO NOTES

こんにちは!クフルダモノーツYoshito Kimura(k1mu)です。

今回は、かーなーり気合いの入った記事です。笑

600以上のアーティスト2000以上のメロディをデータ分析して分かったことをまとめました。

 

(このまま続きを読んでいただいてもかまいませんが、ブログ↓の方が、文章が分かりやすくレイアウトされていると思います。内容はほぼ同じです。)

 

動機:”メロディ”を作るのに必要なのは才能やセンスか?

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「”メロディ”の作り方」は、いたるところで紹介されています。

「適当に鼻歌を歌ってみましょう」レベルのものから
「シンコペーションを使うなど、リズムを工夫してみましょう。」

みたいなアドバイス的なもの…

 

もう少し発展した内容だと

「モチーフの展開の方法は…」とか、「コードの構成音から考えると…」
といった内容になり… 

さらに発展すると
「コードに対して、どんな度数になっているか…」などの細かな分析や、
対位法的なアプローチになる印象です。

もちろん、どれも間違っていませんし、それらを学ぶことは重要です。

しかし、そういった内容を一通り学んだ後に思ったんです。

他にメロディを考える時に使えるものは無いのか?
本当にあとは、才能やセンスなのか?

そんなあるとき、ひとつのアイデアを思いつきました。

 

“メロディ”を分析する

“メロディ”という概念の抽象度を考える

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音楽の3要素といえば、“メロディ”“リズム”“ハーモニー”ですよね。

作曲では、他の曲と同じ“リズムパターン”“コード進行”を使用しても基本的にOKです。
しかし、他の曲と同じ“メロディ”を使用すると盗作になる場合が多いです。

「……コイツ…何、当たり前のことを言っているのだ…?(^ω^)」

と思うかもしれませんが…、待ってください。笑

僕は、この原因を「一般的な“メロディ”という概念の抽象度が、他の2つに比べてまだまだ低いためではないか?」との仮説を立て、

他の曲に流用しても大丈夫 かつ 抽象的になり過ぎない丁度よい抽象度で“メロディ”を捉えることはできないだろうか…?

と考えました。

その結果、

“メロディ”を「ピッチクラスの変化」のみで考える 方法

を思いつきました。

“メロディ”を「ピッチクラスの変化」のみで考える

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“ピッチクラス“とは、「同じ音名を与えられている音の集合」の意味です。

たとえば、「真ん中のド」や「mid2 C」など、オクターブごとの高さを区別した呼び方がありますよね。

しかし、ピッチクラスで考える場合“名前が同じ音”は全て同じものとして扱います。

現代の多くの楽曲は12平均律で作られているので、メロディに登場し得るピッチクラスは、ド ド#/レ♭ レ レ#/ミ♭ ミ ファ ファ#/ソ♭ ソ ソ#/ラ♭ ラ ラ#/シ♭ シ12種類になります。

また、一般的な“メロディ”の概念には、“リズム”の要素も多く含まれています。
そのため、そのまま“メロディ”を分類すると
量が膨大になるので、“リズム”の情報も省きます。

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まとめると、“メロディ”を分析するにあたって

・”リズム“は無視する。
・”ピッチクラスの変化“だけに注目する。
・調(キー)の違いよる情報の煩雑化を防ぐために、階名(移動ド)で捉える。

ことにしたわけです。

たとえば、

いつも何度でも冒頭 改

こんなメロディ①↑と

KEGON冒頭

こんなメロディ②↑ があったとします。
従来の“メロディ”の概念で考えると、この2つのメロディに共通点など無い気がします。

しかし、上記のように“リズム”の情報を無視し、“ピッチクラスの変化“だけに注目すると前者①が「ファ-ソ-ラ-ソ-ド」、後者②が「ラ-シ-ド#-ラ-ミ」となります。

これを階名(移動ド)で捉えると、どちらも「ド-レ-ミ-ド-ソ」となり、実は同じ”ピッチクラスの変化”だと分かります。

以下では、このように“ピッチクラスの変化”だけに注目してメロディを分析していきます。


“ピッチクラスの変化”に注目する利点

「ピッチクラスの変化に注目する視点」のメリットは何でしょうか。

それは

①本来関連性を見出せなかったメロディに通底する流れを可視化できる。
②メロディを応用可能な形で分類できる。

大きくこの2点だと思います。

では、今から具体例を通して説明していきます。


“メロディ”に通底する流れを可視化する

“ピッチクラスの変化”に注目する

たとえば

藤井 風さんの「優しさ」の歌い出し

「今何を…」のメロディをピッチクラスの変化だけで捉えると、

「レ♭→ミ♭→ファ→レ→シ♭」です。

キーはB♭m(♭×5)なので、階名に直すと「ド→レ→ミ→ド→ラ」ですね。

これに対し

中島美嘉さんの「ORION」冒頭の歌い出し

「泣いたのは…」のピッチクラスの変化は、「ファ#→ソ#→ラ#→ファ#→レ#」になります。

キーはD#m(#×6)なので階名に直すと、こちらも同じく「ド→レ→ミ→ド→ラ」になります。

“ピッチクラスの変化”は 流用できる

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上で紹介した、2つの“メロディ”はリズム(符割)も、キーも違います。
しかし、冒頭のピッチクラスの変化は「ド→レ→ミ→ド→ラ」で共通しています。

「最初の5音くらいが一緒だから何だ?」と思う方もいるかもしれません。
ですが、“メロディ”はアタマの部分(モチーフの冒頭)の流れがとても大切です。 

むしろ、“メロディ”の先頭の数秒の流れが、聴衆の心を掴めるかどうかの分水嶺と言っても過言ではありません。 

そして、この考え方の最大の利点は、
「ピッチクラスの変化」を自分の作曲に流用できる点です。

もちろん、参考にした曲と似たリズム(符割)やアレンジで使えば、盗作っぽくなります。

しかし、同じ“ピッチクラスの変化”の流れを使っても、符割やハモリの付け方など変化を加えられる部分は無数にあります。

工夫すれば、明らかにパクリとは呼べない強度のメロディになるはずです。

 

たとえば
米津玄師さんの「Lemon」の歌いだし「夢ならば…」も

G#mキー(#×5)でピッチクラスの変化は「シ→ド#→レ#→シ→ソ#」なので
階名で表すと「ド→レ→ミ→ド→ラ」になります。

 

また、ずっと真夜中でいいのに。の「暗く黒く」の歌い出し「触れたくて…」も

Cmキー(♭×3)で「ミ♭→ソ→ファ→ミ♭→ド」なので階名で表すと「ド→レ→ミ→ド→ラ」になりますし…

 

FLOWの「GO!!!」のサビ頭「We are Fighting Dreamers…」の部分

のピッチクラスの変化は「シ→ド#→レ#→シ→ソ#→シ」です。
階名に直すと、「ド→レ→ミ→ド→ラ→ド」です。

 

全て冒頭5音のピッチクラスの変化は共通していますが、
「似た曲だな…」と感じる人は恐らくあまりいないと思います。

 

さらに言えば、

先ほど例に挙げた↓このメロディ①は、

いつも何度でも冒頭 改

“千と千尋の神隠し”の主題歌、木村弓さんの「いつも何度でも」の冒頭「呼んでいる…」のメロディです。

 

一方、↓こちらのメロディ②は

KEGON冒頭

拙作、KHUFRUDAMO NOTESKEGON」のサビ頭のメロディです。

この2つのメロディを結び付けてもパクリとは呼べないでしょうし、
実際に僕自身も、この2つのメロディの”ピッチクラスの変化“の類似に気付いたのは、曲を作った後です。笑

KEGONの楽譜(スコア譜・総譜)は、こちら↓からダウンロード可能です。


“メロディ”を応用可能な形でカテゴライズする

というわけで、この”メロディ”の”ピッチクラスの変化”に着目するアイデアを思いついてから、印象に残っているメロディを中心に

500以上のアーティストの2000以上の”メロディ“の”ピッチクラスの変化“を記録してきました。

以下では、それらのデータを分析して分かってきた、「”メロディ”の法則や傾向」をまとめています。

 

では、いってみよう!(๑˃̵ᴗ˂̵)و

※以下では特に断りが無い場合、「ドレミ…」は全て階名(移動ド)の意味で使っています。

人それぞれ”好みのピッチクラスの変化”がある?

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12種類あるピッチクラスの変化の組み合わせは単純に考えると
2音で132通り、
3音で1452通り、
4音で1万5972通りと膨大です。

 

しかし、分析していくと

・同じアーティストの曲
・影響を受けたと公言しているアーティストの曲
・同じシリーズのアニメやドラマの主題歌

といった間で、似た”ピッチクラスの変化“がしばしば見られました。
それぞれ、”どこまで意図されているか“は分かりません。
しかし、一聴して気付かない曲に同じピッチクラスの変化がしばしば見られたのは興味深いことでした。

 

同じアーティストの曲

以下で紹介するのは、ほんの一例です。

King Gnu
2019年大ブレイクしたバンド、King Gnuの楽曲には「ラ→ミ→レ」がよく見られました。

King Gnu – 白日

サビ頭の「真っ新」のピッチクラス変化が「ラ→ミ→レ」です。

King Gnu – 飛行艇

サビ頭、「この時代に飛び乗って」のピッチクラス変化が「ラ→ミ→レ」です。

King Gnu – Prayer X

最初のサビが終わって、G#mキーからE♭mキーに転調しつつ間奏に入ります。

その間奏のメロディ冒頭のピッチクラス変化が「ラ→ミ→レ」です。

 

Official髭男dism
こちらも2019年大ブレイクしたバンド、Official髭男dismの楽曲には「ソ→ラ→ド」がよく見られました。

Official髭男dism – Pretender

サビ頭の「きみの」、「運命の」のピッチクラス変化が、それぞれ「ソ→ラ→ド」です。

Official髭男dism – 宿命

Bメロ頭の「夢じゃない」のピッチクラス変化が「ソ→ラ→ド」です。

Official髭男dism – ノーダウト

Aメロ頭の「まるで魔法」のピッチクラス変化が「ソ→ラ→ド」です。

 

ずっと真夜中でいいのに。
音楽ユニット「ずっと真夜中でいいのに。」の曲にも、面白いピッチクラスの類似点が見られました。

ずっと真夜中でいいのに。 – 脳裏上のクラッカー

Bメロ、「なりたい自分と」ピッチクラス変化は「ラ→シ→ド→ラ→ソ」です。

ずっと真夜中でいいのに。 – ハゼ馳せる果てるまで

0:22あたりからのピアノフレーズ冒頭のピッチクラス変化は、「ラ→シ→ド→ラ→ソ」です。

音の流れとしてみると、4,5音目の「ラ→ソ」がオクターブ上なので同じだと気付きにくいですね。

しかし、このように同じピッチクラスの変化を使うことで、どことなく共通の世界観を演出している気がしました。

作曲者が影響を受けたと公言しているアーティストの曲

たとえば、米津玄師さんはBUMP OF CHICKENの影響を受けていると公言しています。

両者の音楽は、そこまで似ているとは思えないものも多いですが…。

米津玄師 – 春雷

ただ、この曲のサビ頭「言葉にする…」のピッチクラス変化は「ソ→ド→シ→ソ」です。

BUMP OF CHICKEN – カルマ

それに対して、BUMP OF CHICKENのこの曲のサビ冒頭、「必ず」のピッチクラス変化も「ソ→ド→シ→ソ」です。
両方とも鉄琴のような音が入っているので、意図された作曲の可能性もあります。
しかし、なかなか興味深いピッチクラス変化の類似ではないでしょうか。

同じシリーズのアニメやドラマの主題歌


和田光司 – Butter-Fly

テレビアニメ「デジモンアドベンチャー」のオープニング。

イントロの開始0:06あたりからのギターフレーズ、
ピッチクラス変化は、「ミ→ファ→ミ→レ→ド→レ→ファ」です。

和田光司 – ターゲット ~赤い衝撃~

一方、先ほどのアニメの2期にあたる「デジモンアドベンチャー02」のオープニング。
こちらのイントロギターフレーズのピッチクラスの変化は「ミ→ファ→ミ→レ→ド→シ→ソ」です。

つまり、『Butter-Fly』イントロとピッチクラス変化が「ミ→ファ→ミ→レ→ド」までの5音で共通しています。

個人的には、こちらの曲は意図的である公算が大きい気がします。

また、同じピッチクラスの変化を使用しても、
アレンジ次第で曲調が違ってくる好例だとも感じました。

ちなみに、2020年の大ヒットした『鬼滅の刃』の主題歌のピッチクラスにも類似点がありました。

最も “メロディ”の冒頭に登場する音 は何か?

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さて。

いくつか似たようなピッチクラスの変化をする曲の例を見てきました。

…しかし、ある程度音楽を勉強したことがある人は

「人それぞれに好みがありそうなことは分かったよ。…でも、そもそも多くの音楽は調性に則って作曲されてるよね。移動ドで考えると12種類の音が登場する割合は一定じゃないのは当たり前でしょ。

と感じると思います。

 

それはその通りです。

 

たとえば、
「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ」

の音の方が

「ド#/レ♭、レ#/ミ♭、ファ#/ソ♭、ソ#/ラ♭、ラ#/シ♭」
よりは、多く使われている気はしますよね。

 

もちろん、その辺りも調べました。

 

では、ここでクイズです!!(唐突)

 

“メロディ冒頭” に最もよく使用されていた音は一体何でしょうか?


 

 

…実際に2000フレーズ以上を分析したデータをグラフにしたので、ご覧ください。

各音がメロディーの冒頭に使用される割合(%)

答えは「」でした。

「ミ」がメロディ冒頭に来る割合は、全体の約27%。実に1/4以上です。

また、「ド」が約25%、「ラ」が約23%、「ソ」が約15%を占め、
メロディの約90%は「ミ」か「ド」か「ラ」か「ソ」で始まっていると分かりました。

想像以上に偏りがあるな」と感じられる方も多いのではないでしょうか。

【考察】
長調の主音の「ド」、短調の主音の「ラ」を抑えて「ミ」が多いことには驚きました。

しかし、ダイアトニックコードに対するテンションで考えると
「ド」はⅢm7、Ⅴ7、Ⅶm7(♭5)のアヴォイド・ノート(使用を避けるべき音)ですし
「ラ」はメジャーキーで明るさを演出するときにメロディ冒頭に使用しにくい音です。

そのため、長調と短調のトニック(Ⅰ△7とⅥm7)の構成音
且つ
ダイアトニックコードに対してアヴォイド・ノートが無い「ミ」が、より使用されやすいのかな…と思いました。

※最初にも書いたように分析に使用したメロディのチョイスは僕の好みで、調べる対象を変えれば割合の数値は変化します。
ただ、SpotifyやApple Musicで配信されている曲が約6000万曲と言われてい中で、2000以上のフレーズを調べたので(計算が間違っていなければ)サンプリング誤差は±約2%程度です。
また、概ね著名な曲のメロディを調べているので実態と大きくかけ離れている可能性は低いとも感じています。
実際に、この「各音がメロディ冒頭に使用される割合」は、フレーズのサンプル数が500くらいの時から大きく変化していません。

最もよく使われる”メロディ”とは!?

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こうなってくると、さらに続きも気になってきます。

そこで、ピッチクラスの変化の出現頻度の割合を示したデータを元に、“メロディ”の希少性を評価してみました。

 

そして、試行錯誤の結果、概ね「最もよく使われているだろうピッチクラスの変化」に目星を付けました。

データを分析した限り、一番よく用いられてるピッチクラスの変化は

 

ミ→レ→ド」でした。

 

僕自身、データ分析をする前のピッチクラスの変化を記録している段階から『「ミ→レ→ド」を使っている曲が多いなぁ~』と思うくらい、非常に多くの曲で、「ミ→レ→ド」が使われていました。

 

ピッチクラスの変化が「ミ→レ→ド」な曲

以下で紹介するのは、ほんの一例です。

米津玄師 – ピースサイン

サビ冒頭の「もう一度」の部分が「ミ→レ→ド」です。

 

One Direction – What Makes You Beautiful

サビ冒頭の「Baby you」の部分が「ミ→レ→ド」です。

 

UVERworld – AS ONE

サビ冒頭の「陰と陽」が「ミ→レ→ド」です。

 

あいみょん – 君はロックを聴かない

サビ冒頭の「きみは」が「ミ→レ→ド」です。

 

メーベル – バルーン

サビ入りの「だから」が「ミ→レ→ド」です。

 

SHE’S – Letter

サビ冒頭の「僕らは」が「ミ→レ→ド」です。

 

Who-ya Extended – VIVID VICE

サビ冒頭の「もう戻らない」が「ミ→レ→ド→レ→ミ」です。

 

Ado – ギラギラ

 

ゆず – 栄光の架橋

サビ入りの「いくつもの」が「ミ→レ→ド」です。

“いく”の部分は「ミ」のオクターブ跳躍、”もの”は「ド」の同音連打なので、ピッチクラスの変化としては、このメロディ冒頭も「ミ→レ→ド」となります。

 

その他の主な曲例をまとめたSpotifyのプレイリストはこちら! ↓

誤解してほしくないこと

ここまで読んで、「なるほど~良い曲を作りたければ“ミ→レ→ド”を入れとけばいいのか~」とは思わないでもらいたいです。

最終的な曲やメロディの良し悪しには、もっとたくさんの要素が関係しています。

「リズム」や「コード進行の種類」だけで曲の良さは決まらないのと同じで
「ピッチクラスの変化の流れ」だけで、曲やメロディ自体の評価を決めるのは早計です。

作曲では、和音でもリズムでも、”ありきたりなもの“と”そうでないもの“をどのバランスで配置するかが重要だと考えます。

しかし、一方で「何がよく使われるか」の知識は大きな指標になります。
ですから、この分析はそんな視点で捉えていただきたいです。

実際、上で紹介したどの曲もそれぞれ色々な工夫をされており、曲全体で見て「ありきたりだ」とは感じませんよね。

 

珍しい”メロディ”とは!?

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では逆に、珍しいピッチクラスの変化をするメロディはどんなものでしょうか?次は僕が調べた中で「珍しいピッチクラスの変化をするな~」と感じたものを紹介します。

ここでもう一度、冒頭の各ピッチクラスの登場割合を見てみましょう。

各音がメロディーの冒頭に使用される割合(%)

【考察】
四七抜き音階ことペンタトニックスケール(ド-レ-ミ-ソ-ラ)の有用性を改めて感じますね。

しかし、その中では「レ」始まりのメロディの割合が比較的低いです。

この理由は、曲の冒頭に非常によく使われる「Ⅰ△7、Ⅳ△7、Ⅵm7」のコードトーンに「レ」が無いためだと考えられます。 

そして、メジャースケールに含まれるにもかかわらず、「ファ」や「シ」が冒頭に来る割合の低さも伺えます。

この原因は、いくつか考えられます。

まず、鼻歌などで感覚的にメロディを作ろうとすると
「ファ」や「シ」を使ったメロディが生まれにくいからです。

これは以下の理由によると考えられます。

・「ファ」は下属調の「ド」を意識させる。
・「シ」は属調の「ミ」を意識させる。
・「ファ」は、「ミ」に対して進行する(吸い寄せられる)力が強い。
・「シ」は、「ド」に対して進行する(吸い寄せられる)力が強い。

それから、モード(旋法)的な要因も考えられます。

・「ファ」は、フリジアン、ミクソリディアン、ロクリアンモードの特性音
・「シ」は、ドリアン、リディアンモードの特性音

「ポピュラー音楽でも、モーダルなメロディを使った曲はたくさんある…」と言っても、全体の中に占める割合はそこまで高くありません。

詳しくはこちら↓

つまり、モード的な雰囲気を抑えるためにも、「ファ」や「シ」を冒頭に置くことは避けられやすいと考えられるわけです。

 

そして、「ド#/レ♭、レ#/ミ♭、ファ#/ソ♭、ソ#/ラ♭、ラ#/シ♭」は、メジャースケールの音から外れるため、さらに割合が低くなります。

ただ、使い方によっては使えないわけではありません。
(むしろ印象深いメロディになりやすいかもしれません。)


 …という感じで、ここまでは主に「メロディの分析方法」をまとめてきました。

以下では、「具体的なメロディの分析結果」をまとめていきます。

大まかな内容は

・珍しいピッチクラス(ド・ミ・ソ・ラ以外の8音)から始まるメロディの曲の例
・曲例とともに「ミ→レ→ド」以外の頻出する使いやすいピッチクラスの変化の12選
(※曲の例は、全部合わせると約50曲紹介しています。)
・各音のメロディ冒頭に使用される割合と、メロディ内に登場する割合の比較
・132通りのピッチクラス変化、その全ての登場割合データと考察

(記事冒頭の目次を見るとイメージが分かりやすいかもしれません。)

「…なんだ有料か…」と思わずに、データ分析と執筆を頑張った僕を労うために「ご飯でも奢ってやろう…!」と思ってくれると嬉しいです。\(^o^)/


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クフルダモノーツのJapanese Djentの人。DTMer,マルチプレイヤー。音楽製作の全てを1人でやります。・詳しい自己紹介→https://yoshito.khufrudamonotes.com/