中国ライブコマース市場規模と仕組み
■市場3つのポイント
①非常に市場規模が大きく発展スピードが早い
ライブコマース市場は現在ものすごいスピードで発展している。
広告主は従来のWEB上での商品の表現方法と異なり、消費者までの広告のルートが短くなるので広告効果、効率がアップする。
②2つのモデルで売上アップが更に加速
タオバオのような店舗を持っている所がライブ配信を行うスタイルと、TikTokのようなライブ配信サービスの中に店舗が入って集客をするスタイルの2つのパターンがある。
ちなみに2019年11月11日(中国の独身日)にはライブコマースだけの1日の売り上げが200億元(日本円で3000億円)を達成した。
③ライブコマースには期待と不安が入り混じっている
中小企業、KOLの参入が増え更に盛り上がると予測されているが、一部では商品の質が悪かったり、コピー動画コンテンツで違う商品へ誘導したり成長のスピードが早い分、問題を残したまま発展している。
中国の市場調査によると約3割が期待しているが約半数は未だ様子見だという統計データがある。
■ライブコマースの歴史
ライブコマースは2016年頃から発展を続けてきたが成長に合わせて年々進化している。
2016年
第一段階
配信プラットフォーム上で店舗がライブコマースを行うようになってきた
2017年
第二段階
MCN(KOLを抱える会社)が出てきた
このタイミングでライブコマースを実施する上での役割や部門が細かく分かれて産業が発達してきた
2018年-2019年
第三段階
ユーザーが「どこで?だれが?」という部分を探し始めた。
生産者や工場などから直接配信をするケースが増えてきた。店舗を挟まずユーザーと販売元がつながりやすくなった
2020年
第四段階
店舗から直接のライブ配信は終息していき業界内部の競争が激しくなる
ライブコマースに参入する会社が更に増え、違うモデルで進化を続けていくと予想される
■ネットショッピング売り上げ規模
・2014年から2018年(売上額は3倍)にかけて伸びているが2019年は減少
・成長率は2018年を境に減少傾向にある
・利用しているユーザーは年々増えている
■eコマースのモバイル・スマホユーザー規模
・モバイル・スマホユーザーが増えている(2020年には8億人に)
・増加率は下がっている(広告主側はユーザー獲得にコストがかかるようになる)
■ライブ配信市場規模
・ライブ配信利用ユーザーは2020年予想では5.24億人にのぼる
・ユーザーは増えるが増加率は下がる予想
■ライブコマース市場規模
・市場規模予想は2020年には9610億元(日本円で約14兆5000億円)
・市場規模の増加率は下がる予想
■eコマースとライブコマースの違い
・表現方法の違い
文字や写真しかなかった
↓
リアルタイムに実際の商品を見ることができる
・時間コスト
商品を知るまでに時間がかかっていた
↓
KOLが専門知識を持って商品のメリットを分かりやすく紹介する事で、あの人が言うのなら買うというように変化
・社会的属性
商品の写真やレビューを見ての判断
↓
リアルタイムで質問したりコミュニケーションを取りながら買い物できる
・ショッピング体感
買い物している感がなかった
↓
外で買い物をしているのと同じ感覚
・販売方式
人が物を探していた
↓
物の情報を探さなくても入ってくるようになった
■メリットまとめ
・店舗
商品の販売促進に繋がる
ユーザーへ効率よく販促できるようになる
・ライブ配信プラットフォーム
ユーザーの滞在時間が伸びる
他のプラットフォームとの差別化
新規ユーザーの流入、獲得ができる
・消費者
安く購入できる
商品の説明が分かりやすい
物を買うまでの判断時間が短くなる
・KOL
安い価格でユーザーに提供できる
更にフォロワー、ファンが増える
個人的な影響力UPにも期待できる
■ライブコマースの流れ
一般的に広告主がMCNやKOLへ商品宣伝を依頼をする
その際に広告主へは報酬条件と特価で安く商品を提供するようにと交渉が入る
代わりに広告主は注文、ブランド効果を得る
MCN、KOLはTikTokのような短編動画プラットフォームまたはタオバオのようなライブコマースプラットフォームで動画コンテンツを投稿
プラットフォームで動画コンテンツを見たユーザーは通常よりも安い価格で購入ができ、注文、チャンネル登録、コメント等を店舗や商品側に返す
KOLもプラットフォーム上で投稿した動画からフォロワーの新規獲得を狙うことができる
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