イタリア・スイス・フランス旅行記②ヴェネツィア・ビエンナーレ1
ヴェネツィア0日目
ローマ・テルミニ駅からヴェネツィア・サンタ・ルチア駅まで、トレニタリアの夜行列車で向かいます。当初は成田→ローマ→ヴェネツィアと空路で直接向かうつもりだったのですが、ローマで降りて夜行に乗ればヴェネツィアの一泊分のホテル代が浮くのではとひらめいて夜行で行くことにしました。
列車に乗ったはいいものの、どう見ても席がありません。
自分の席に他人が座っているというわけではありません。席が存在しないのです。私の席番号は20Dですが、列車内に示されている番号は19の次が21です。こんなことある???
空いている席が他にないかとネットで変更しようにも、どうやら735席すべて埋まっているようです。検札に来た車掌さんに聞いてみました。
「Il mio numero di posto è 20D. Non c'è un posto 20D su questo treno.」
(あの……席がないんですが……)
「Quattro giorni fa c'è stato uno sciopero dei treni. Il funzionamento dei treni potrebbe essere cambiato. Non conosco i dettagli. Il suo biglietto è valido, quindi può continuare a viaggiare su questo treno.」
(こないだストがあってその影響で車両の運用が変わってるんだろう。私にはよく分からんけどあんたのチケットは有効っぽいからこのまま乗ってていいよ)
ん?? よく分からんのはこっちやと思いながら、どうやら腹をくくるしかなさそうです。以前トレニタリアに乗ったときも「今からストします」と言われて知らない街で降ろされたことがあるので目的地に着けるだけで十分です。
ヴェネツィア1日目
そんなこんなで朝6:40、ヴェネツィアに到着しました。一睡もできなかった……。
鉄道や車が入れるのはここまで。ここから先の移動手段は船か徒歩のみです。サンタ・ルチア駅のすぐ目の前には運河が広がっています。
ヴェネツィア市内の移動はヴァポレットという公共交通機関(水上バス)が担います。訪れるのは15年ぶり2度目ですが、前回来たとき暗記していた路線図とほぼ変わっていませんでした。1回券が7.5€(約1,000円)に値上がりしていたことを除けば……。
ヴェネツィア・ビエンナーレの開場時刻10:00まで時間があるので、まずは朝8:15から開いているアカデミア美術館に向かいます。
美術館の一部で三嶋りつ惠さんという方の個展が開かれていました。20代で京都からヴェネツィア・ムラーノ島に移住し、工房に弟子入りしてガラス職人になった方だそうです。
ヴェネツィアの中心・サンマルコ広場を海から。お天気に恵まれています。
もう少し時間があるので、ヴェネツィア中心部からヴァポレットで20分ほどのところにあるリド島に向かいます。
トーマス・マンが小説『ヴェニスに死す』の舞台とし、ルキノ・ヴィスコンティが映画『ベニスに死す』を撮影した名門ホテル「Hotel des Bains」。セルゲイ・ディアギレフが最期を迎えた場所でもあります。
経営破綻して買収されましたが、改修されることも公開されることもなく、何の利用もされないまま放置されています。2018年にここでヴェネツィア国際映画祭の歴史を振り返る展示が行われましたが、それ以降は一切使われていません。
リド島は高級リゾート地として有名で、夏にはヴェネツィア国際映画祭が開かれます。カンヌとベルリンは観に行ったことがありますがヴェネツィアも鑑賞してみたいものです。寒そうですがカフェにはそれなりに人がいました。
さて、いよいよ念願のヴェネツィア・ビエンナーレに向かいます。
ヴェネツィア・ビエンナーレは①国別パビリオンと②特別展「The Milk of Dreams」のふたつから構成されます。
①国別パビリオンは各国が代表作家を選出して展示するエリアです。
②「The Milk of Dreams」展は、総合ディレクターのCecilia Alemaniがキュレーションを担当し、世界58カ国から200人(組)以上のアーティストの作品を展示しています。
主要会場は市中心部のGiardini(ジャルディーニ)とArsenale(アルセナーレ)の2箇所に分かれています。
1日目はアルセナーレ会場を回ります。
ビエンナーレのレビューはこちらの記事に書いたので、このnoteではそれ以外の作品を紹介していきます。
アルセナーレ会場:「The Milk of Dreams」展
Simone Leigh 1967- USA
Gabriel Chaile 1985- Argentina
Portia Zvavahera 1985- Zimbabwe
Felipe Baeza 1987- Mexico
Ruth Asawa 1926-2013 USA
Toshiko Takaezu 1922-2011 USA (両親が沖縄からハワイに移住した日系2世の陶芸家の方だそうです)
Jaider Esbelle 1979-2021 Brazil
Delcy Morelos 1967- Colombia
Sheroanawe Hakihiiwe 1971- Venezuela
(こんなふうに子どもたちの授業がいたるところで行われていました)
Firelei Baez 1981- Dominican Republic
Emma Talbot 1969- UK
Sandra Vasquez de la Horra 1967- Chile
Candice Lin 1979- USA
Solange Pessoa 1961- Brazil
Prabhakar Pachpute 1986- India
Jessie Homer French 1940- USA
Igshaan Adams 1982- South Africa
池田龍雄 1928-2020 Japan
Teresa Solar 1985- Spain
Allison Katz 1980- Canada
工藤哲巳 1935-1990 Japan
Joanna Piotrowska 1985- Poland
Marianna Simnett 1986- UK
Louise Bonnet 1970- Switzerland
Raphaela Vogel 1988- Germany
Carolyn Lazard 1987- USA
Mire Lee 1988- South Korea
Sandra Mujinga 1989- Democratic Republic of the Congo
Marguerite Humeau 1986- France
Lu Yang 1984- China
Tishan Hsu 1951- USA
Lynn Hershman Leeson 1941- USA
Zhenya Machneva 1988- Russia
Robert Grosvenor 1937- USA
Precious Okoyomon 1993- UK (あいち2022でも展示されていました)
アルセナーレ会場:国別パビリオン
ここからは国別パビリオンです。
フィリピン館 Gerardo Tan
ニュージーランド館 Yuki Kihara(あいち2022でも展示されていました)
ラトヴィア館 Skuja Braden
アイスランド館 Sigurður Guðjónsson
レバノン館 Ayman Baalbaki
ガーナ館 Na Chainkura Reindorf
中国館 Liu Jiayu
サウジアラビア館 Muhannad Shono
(ヴェネツィア2日目:ジャルディーニ会場につづく)
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