見出し画像

名古屋モーターサイクルショー2024 自動二輪車産業裾野は広いよ大きいよ。サプライヤーメーカーなどなど

写真は「Dirt Freak」

−−−−−−変更履歴−−−−−−
2024/04/07 初稿
2024/04/19 追記修正
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 前回に引き続き名古屋モーターサイクルショー2024からのレポート。前回はバイクメーカーから私が気になる……いや、自分の気持ちに素直になりたい。「欲しい。ください」というバイクをいくつも取り上げてきたが、今回はバイク用品、各サプライヤーメーカーの一部を取り上げていきたい。

・Dirt Freak
 昔足げに通った未舗装道路に強いショップ。ブースに展示されているフルサイズモトクロッサーは跨ることが出来〼。写真撮影のサービスも有り〼。レース用車両故、足つき性について意味をなさないが、折角なので確認してみたので報告致し〼。
 足つき性。全く無い。
 著者は身長にさしてコンプレックスを抱かないが、バイクになると話は別だ。憎い、憎いのです。西洋人や足長の奴らめ。朗々に腰高なバイクに跨り、信号待ち中ヘルメットバイザーの庇を上げ、朗らかな会話を酌み交わす場面を目にすると、怒りのセルモーターが回り出し、憎悪のエンジンにプラグインである。
 著者は小学生時代、忍びの里出身という設定に基づき「道路上の白線から外れると死ぬ」という、それはそれは厳しいタフな空想修行を繰り広げてきた。無論、道中敵に襲われることもあれば(想像の中で)、女にもよくモテた(想像の中で)。そういう背景を持てば、自ずと解決策はハードウェアに頼ることはなくなる。よって股下プロブレムの解決に「足を着かなければどうということはない」と、トライアル型を採用し、信号待ち中は「足は着かない。絶対に、いいか絶対に。だ!」という自己戒律を一時期課していたのだった。
 つまり、読者に伝えたいことは、成長期にはちゃんとした食事と運動をしようということであり、「おいそこのあまっ子。食事を抜いてりゃ美徳だと思ってんだろ。細けりゃいいなんて間違いだ。食え。そして運動しろ。ちゃんと寝ろ。俺が言いたいのはそういうことだ。ほいでフルサイズモトクロッサー買え、バカ」
 しかし、カッコいいな……オフロード車。フロントフェンダーからリアフェンダーにかけての形には鳥類を想起させられ、そんなオフ車にオンロード用のタイヤを履かせたらどうなるかというのが、モタードの始まりであり、ブース内にはHONDA CRF250Lをベースにした車両が展示されている。
 エキゾーストから電装部品、ハンドル周りをガッチと同社製品でコンプリートした此方の車両は跨ることが出来たので、「跨りましょう。跨りましょう」と、早速足をかけてみると……朗報。
 足つき性。意外に良い。
 フルサイズと呼ばれる前21後18インチのタイヤを、前後17インチに履き替えたことに加わり、柔らかい足回りは跨るとよく沈む。シートに着座し、直ぐに取り回しの良さが股下からビビビッと伝わり、いや、ほんと欲しい。
 オフロード車をベースにしたモタードモデルは私の理想的なバイクの一つ。軽くて速い!
 難点はスポークホイールにある。洗車に手間がかかり、タイヤ選びにはチューブタイヤという制限が課せられる。チューブレスキットというものがあるが、バイクメーカーから発売されるモタードはSTDでチューブレスタイヤとして展開して欲しかった。それとリム幅の細さにも不満が残る。
 今後はチューブレス済み、リアタイヤのリム幅150辺を願いたいのだが……時既に遅し。日本のバイクメーカーから発売されるモータードモデルはほぼ絶滅した。唯一KAWASAKIが空冷エンジンで展開されているが、猫も杓子も乗っていたKLX(水冷エンジン)と、それをベースとしたD-Trackerは絶版である。
 モタードはその成り立ちの原点に立ち戻り、オフロード車両をベースに、オンロードにカスタムする必要があるのだった。(外国メーカーを除く)
☆D-TrackerのOEM版 SUZUKI SB250という車両があった。友人が乗っていたが、彼はやはり変わり者だった。

「オフ車は壊れてもパーツ代が安いですから」と、昔Dirt Freakの店員さんに教えてもらったが、そう、オフ車は転けてなんぼ。ハンドルが折れてナンボ? であり、ウィンカーもよく砕けるものだ。そうしたオフ車あるあるを背景に開発された同社製品ウィンカー一体型のハンドガードは人気を得た。併せて可倒式レバー(転けてもレバーが折れ難いようになっている)がよく売れていたのを記憶している。
 ショプはレース活動にも力を入れ、モトクロスは勿論。主成分は「気合い」であろうFMXまでをスポンサードしている。FMXショーをまだ目にしたことのない方は是非。「バイクってこんな高さまで跳ねるんだね」と、その跳躍に刮目せよ。喝!

・ACTIVE
「17インチにタイヤを変えたらホイールもね」 スポークホイールを洗う煩わしさから解放されたいならこれだ。元々キャストホイールだったとしてもこれだ。我儘言うな。
 メーカーブースには幾つものホイールが展示され、貴方はそれを回すことが出来る。
 私が足を運んだ際、仕事の出来そうなスーツ姿の女性の方と、スーツ姿の男性陣が名刺交換をし、商談か何かをされていたが、その傍、チベット仏教はマニ車を回すかのようにホイールをコロコロとさせている革ジャン姿の男が俺だ。
「幸福とは執着からの脱」と、説いたのがお釈迦様であり、回転する重量物、ジャイロ効果、バネ下のしがらみを幾許か慰めるものがGALE SPEEDか。
 この俗世、重力圏からバネ下を軽くして何が悪いか。「欲しいんだ。だああああ!」 囚われ、しがらみを皆もクルクルと己を回し、己を知れ。喝!

・YSS JAPAN
 バネ下の次はバネそのものであるサスペンションだあああ。
“Your Suorne Suspension”の略称名を社名とする此方ではフロントサスペンション、リアサスペンションがどのように動き、どんな仕事をするかを体験出来る。
 STD製とYSS製に換装したフロンサスペンションが並置され、押し比べることが可能。STD製は押し込むと素直な反発を返すが、YSS製は押し込む時点で手応えが違う。
 我が愛車「ニャンスタ丸」は律儀に路面のギャップを全て拾う自然派の足回りであり、その挙動は某フランス自動車メーカーよりも猫足で有名。鋭いギャップには相応に反発し、車体は窮鼠に咬まれた猫かのように跳ね上がり、車内カップホルダー上、熱々のコーヒーが我が手に爪を剥き襲いかかるのだが、それに比べてこれは何だ……。縮みから戻る際の反発はあたかも耐え忍ぶ忍びのようにゆっくりと、じんわりと、力を押し戻す。サスペンション頂上部に突き刺さった聖なる六角をプラス方向や、マイナス方向にグルグルと回すことで足回りがどのように変化するかを体験せよ!
 フロントサスペンションだけではない。リアサスペンションの動きも体験出来る。であるが諸君、注意されたし。突然の座面への着座、離席はサスペンション設定を行うメーカー社員の指をバネ下に挟む危険を孕む。面白半分の悪ノリが笑えなくなってしまってはタダの下手くそだ。職員さんの指示にちゃんと従おう。良い子にはインスタントドリップコーヒーの贈与もあるだろう。そこにはアプリケーション・ダウンロード秘密のQRコードが印字されているが、数には限りがあるんじゃない?
 にしても「ず、ずるい!」高性能な足回りはこんな動きをするのか……。これならファビオにも勝てる。彼はMT-125(無論全てSTDの)、私はサスペンションを組み替えたMT-07を選択。場所は鈴鹿ツインサーキット。勝ったら勿論「motogpライダーよりも速い作家!」というプロフィールで大々的に打って出る。ズルは無しだ。勝負だ!
 公正公平なレギュレーションに刮目せよ。勝つ!

・Trick Star
 ホイールとサスペンションと来たので、ではレースということになる。
 此方は舗装されたサーキットレース活動に力を入れるパーツメーカー。KAWASAKI車両をベースに、レース活動に力を入れる立ち位置はSUZUKIとヨシムラのような関係性だろうか。それ故、走行性能に関わる製品を中心に市場にドロップしている。そういうのに弱い層、まあ、私なんだけどさ。そういう方に刺さるパーツに誘われ、足を運んだ。
 社名の"Trick Star"という源流に"Trickster"があることを容易に推察出来る。これは延いては「ヘルメス」を意味し、「三倍偉大なヘルメス」という逸話もあるのだが、今ここでそんな話をすると「バイクだからと読みに来たのに……」読者の頭の中でこむら返りが起こるであろう。よって割愛するが、同社から販売される「イカヅチ」というエキゾーストパーツの開発背景に、ギリシア神話がちらほらり。関係性があることを確信している。
 此方に足を運んだのにはもう一つの目的がある。「お客様の声」というのを届けたいのだ。では早速ブース内に居られた男性へ「もっと光を! もっとZX-4Rの在庫を!」と、外濠を埋めるかのようにチューンメーカーにも伝え、本題に入っていく。実はバイクも金もないが、そういうことは内緒だよ☆
☆ここからは声に出して読もう。

「あのお……ZX-4RRのフルエキなんですけど、ダウンタイプのマフラーを出して欲しいんです」と、著者。
「……ええ」と、メーカー担当者は渋い顔。因みにTrick Starからレース用のダウンタイプマフラーは既に発表されているが、公道走行は不可というものである。
「レース用を装着して街中を走るのは、流石にこの年だと一寸……」 会場のブース番号B42「愛知県警察本部」を刺激するようなマフラーは避けたい。
「実は……現在開発候補に上がっていて」と、メーカーの人。
「おお!」と、俺。
「ですが……弊社はレーススペックを謳っているため、物は出来てもスペックが落ちる物だった場合、出せないので確約は出来ません」とのこと。
「カッコつけんな!」あ、ここ嘘です。ごめんなさい。
「なーる……ほど」と、実際には答えていました。
 エキゾースト部品を作るのは結構な難物で、管長を短くするとトルクやピークパワーが低下し、性能を発揮するための『必要な長さ』『必要な太さ』『排圧』の関係性は複雑怪奇で、尚且つデザインも関わってくる。唸り叫ぶ煩いマンドラゴをを作ることは容易い。エキゾーストをチョップでぶった斬り、仏恥義理った直管で走れば、そう、迷惑。
「すげえ! ボグワーズ? ゴーレムも作れるの!」 今時サーキットといっても音量規制はあり、そもそもレースマシーンは五月蝿くすることを目的にエキゾーストを装着していない。
「ゴーレムも無理だけど、マンドラゴも作らない!」と、メーカーの人。我儘だなと思った。
 私は素材置換による軽量化の恩恵もあるかと思うのだが、同社はそれだけでは応じてくてくれそうにはないようだ。
 ブース奥には耐久レースで使用されているZX-10Rもありますが、触っちゃダメ。Trickstar製品コンプリートモデルのZX -4RRが展示されており、同社製品が多数取り付けられた「おい、それ俺のZX-4RRだろ」という車両が展示され、それには跨ることが出来〼。
 KAWASAKIというメーカーは自社製品に突撃的超過給機スーパーチャージャーを付けたり、Trick Starからはターボキットが展開されたりと、エンジンに過給したい何かが発揮されているようだ。ブース内にはZX-25Rにターボを取り付けた車両も展示されており、曰く「ZX-4RRにも過給機の魔の手が、今!」 開発中ですって。
「ターボ付きとまで我儘は言いません。N/Aモデルのコンプリートモデルを私にお譲りください」
 ターボパーツに刮目せよ。喝!

・HONDA Dream高浜
「レース!だああああ!」と、俺よりも速く先に外に出たほうが勝ち、というレースに見事勝利した私は此方へ足を運んだ。というか、繁華街の客引きのようにショップ店員さんに呼び込まれ、菓子を握らされ、更に中学生でレース活動をしている子も居るとのことで……この文脈だと如何わしさが匂い立つが、そういう趣味を持ち合わせない私は、純然とレースに頑張るショップとキッズを応援したい、グッと心内に押し寄せるものに突き動かされ、若いライダーを激写。
 これまであまり人を撮ってこなかったが、被写体がバイクレーサーというのは我ながら面白い。若い頃のロッシを想像し「ろっしふみ頑張って」と、メーカーの垣根と世代を超えた出会いの後、ステッカーを貰った。
「市川にこを見た」と伝えなくともお菓子がもらえるので、「ボールは友達。バイクは恋人」翼好きは行こう。ええっと……兎に角あれだね、刮目せよ! 喝!
☆無限HONDAはブラン名でありますが、お菓子の数は有限です。

・鈴鹿サーキットブース
「キャン……ギャル……だ……と」 バイクと女性が好きな私は押っ取り刀で「SUZUKIの8耐はサステナブル!」と、口にし、屋外からとって返し屋内に膝を擦り捲って戻ったのが此方。
 雑誌『オートバイ』とタイアップしたアパレルブランド"ALPHA"製品を羽織ったモデルさん達のガールズトークに耳を傾け、 バックプリントにカタカナで書かれた朱色の「オートバイ」に笑った。
"ALPHA"製品は私も愛用しているが、不満がある。それは内張左後ろに貼られたミルスペクを示すタグが強くグリップし、サーキット走行後のタイヤかのように着用したインナーを毛羽立たたせることだ。私の服は概ね左腰部分がボソボソに至っているが、Alphaのタグが要因。
偽りなしミルスペック」を信用しますので、縫い付け位置と、素材の見直しを願っております。既に対応済みだったらごめんなさい。
 そうしたことを思いながら舞台に立つめんこい三人の女性をサングラス越しに見つめ、エアロダイナミックスに応じたナロー型のモヒカンとポニーテールのハイブリット姿のそれが俺だ。映画『タクシードライバー』はまごうことなき名作でありますが、私は風体から思想までを主人公トラビスに寄せてまおりませんで、読者は刮目せよ。
"O...organi...organizized ?" 喝!

・(株)コミネ
 モーターサイクルショー会場内で黄色サコッシュを襷掛けする方々をちらりほらりと見かけていた。色から察するに「SUZUKIだろう」と高を括っていたが、違った。そこで総合受付にて事実調査を実行。
「あの、あそこに居る、熱心なバイクオタクの方が掲げている黄色い袋は何方で頂けますかな?」
「あー……あれはコミネさんで配布しているんですけど、先ほどから見かける数が減ってきたので、もう……」
「あ、なるほど。行ってみます」
 結果は涙目でその日その場を後にした。
「喝……」

 以上、名古屋ーターサイクルショー2024

この記事が参加している募集

#一度は行きたいあの場所

52,721件

#映画が好き

3,336件

バイクを買うぞ!