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【深夜】異国の断崖絶壁にしがみつきながら悟りを開いたお話

こんばんは。くらです。
今回は学生時代に行った海外旅行について、つらつら書いていきます。

2019年秋口、大学はまだ夏休み中です。
バイトにボランティア、インターンシップ、遠方の大学に進学していたら帰省など、世の大学生もなんだかんだ忙しくしています。そんな中、くらは異国の断崖絶壁を深夜3時によじ登り、「命」という壮大なテーマと向き合っていました(゚∀゚)
一体何がどう転んでその状況に至ったのか、ご説明していきます。

※今回はスーパー長文となっています。夜間登山についてご覧になる方は、目次「地獄のそうべえぎ見た景色」へ一気に飛んでみて下さい!🙇🏻‍♀️


■友人の故郷は古都西安

旅行のきっかけは、「友人の故郷に行ってみたい!」の一言から始まりました。
タイ語クラスで仲良くなった友人。どうやら北京や上海、香港といった沿岸沿いの生まれではなく、西安という内地の出身でした。なんと西安はくらの大好きな漫画の1つ、キングダムのもろ舞台。友人が卒業後暫く連絡を取ってなかったのですが、すぐに話を持ち掛けました。その当時、友人は上海で働いていたにも関わらず、駆けつけて案内をしてくれることに。ありがとう、そんな友人に宝くじ当たりますように!

■西安と言えば…?

西安と調べると、世界遺産の兵馬俑が真っ先に出てきます。世界遺産の近くで育ってきたからか、私は史跡や古い街並みが好きです。ということで、

くら「兵馬俑はマストで行きたい!!」
友人「あそこはお勧めしないよ」
くら「…(゚∀゚)」

と即却下。え。何よりも本人が行きたくなさそう。

くら「てなると、逆にどこがお勧めなん?」
友人「華山でご来光を見ることかな!」

と即答。新出単語、華山。山登り?
まあ特に好きでも嫌いでもないし、その子が言うならと行こう!と軽い気持ちで快諾しました。

■旅立ち前から一大決心

旅行のことを両親に伝え湯船に浸かっていると、突然母が風呂場のドアを開けてきました。いや何事笑

母   「あんたこんなとこ登り行くん?」

と心配そうに写真を見せてきました。🤳

くら「いや岩やん。これ山ちゃう( ´_ゝ`)」

日本の木々が生い茂った山で、ハイキング程度を想像していた私からすると驚愕。ということで、ちゃんと調べてみました。なんとノリでいこうとしてた華山は、中国五代名山と呼ばれる有名な山の1つで、その中で最も険しいと称されているのです。さすがに私もヒヤヒヤ、友人に連絡したところ…提案してくれた当の本人、3回挑戦して3回とも登頂に失敗してるそう。いやよく誘ってきたなと。確かに大のゲーマーな友人。納得の結果と言っても本人は怒らないでしょう。友人としては、4度目の正直にしたいとのことでした。

私はそれでも尻込みしていましたが、謎に食い気味な母の一言に心を動かされました。

母 「兵馬俑は大人なっても行けるやろうけど、
   中国行ってあえて山登りなんてこんな機会
   ほんまにないで」
くら「…確かに友人が言ってくれなかったら、
   そもそも選択肢にすら上がってなかった
   もんな。…これは山登るしかないな!」

と出発前から一大決心をし、ついに西安に向かいました!✈️

西安到着後、日中は友人と市内観光に繰り出しました。これはまた、別の機会に書けたらと思います。 


■地獄のそうべえが見た景色

山登りはまさかの23時スタート。
もう驚きません。中国の方は、西安に来たら華山登頂、ご来光を拝むまでがワンセット。
ロープウェイは日中しか運行していないので、夜間登山で山頂を目指す一択に限られるのです。 

駐車場付近 案内板

市内から華山麓まで車に揺られること約1時間半。
いよいよ入り口が見えてきました。
入山料※を支払い、いよいよ出発です!
確か学割も適用されましたが、いくらだったかすっかり忘れております、すみません!

※以下は2019年時点の料金
 シーズン  (3月〜11月):180元
 オフシーズン(12月〜2月):100元

入場門
くらと友人(🐼)と友人の知り合い(🐻)

どんな道を歩くのかと思っていたら、意外と明るい。ここ10年で道がだいぶ整備されたらしいです。また老若男女問わず訪れるため、至る所にベンチや売店が設けられています。くらは売店で炭酸ジュースを買いました。
休憩時に食べるお菓子が、美味しいこと!置かれてる環境が違うだけで、なんであんなにも美味しく感じるんでしょうね。

各所に設けられている売店

くら「(案外登頂するの楽勝なんでは!)」

と調子に乗り始めた辺りから、道がどんどん険しくなっていきます。歩き始めた当初、45度くらいの傾斜が途中くらいから65度、75度、85度と尋常じゃない角度に。

龍の背中と言われる難所

またいい感じに心を折ってくれるのが、先ほどまで有り難く感じていたライトアップです。行き先を照らしてくれているはずが、なんせ果てしない。真上に続くライトを見て、思わず一言。

くら「リアル地獄のそうべえやん」

終わりの見えない階段
真横の岩肌にブッ刺さている杭

午前3時、崖上りも眠気も佳境に。誤って手を滑らせれば、一寸先は闇。まさに極限状態でした。
死と隣り合わせになって、私は「命」というヘビー級のテーマと向き合うことになりました。

■ふと悟ったAM3:17

私は手を止めずに必死に登り続けました。というのも、私の後ろ、なんなら真下にいて頭すら見えない友人の存在があったからです。
私が気を抜いて手を滑らしてしまった時、友人の命も無くなる状況でした。ましてや友人の下にいる知り合いの方、他の登山者の命も奪うことになってしまいます。

'命は自分1人のものじゃないな'

極限状態の中、そんなことを思っていました。体感はおよそ午前3時17分頃。

今思うとこのぼんやりと考えていたことが、壮大なテーマに対するくらなりの答えなのでしょう。

北峰の頭頂部

4,5時間の苦行の末、ついに山頂に辿り着きました!ですが辺りはまだ暗いです。なんと華山は東西南北ごとに山頂があるらしく、私は北峰を登頂していたのです。日の出がよく見れるのは、東峰とのことで更に進みます。峰から峰の移動は高低差がないことから、先ほどとは打って変わりハイキングに近い感覚で楽しめました!

東峰に着いたころにはやっと辺りが明るくなってきました。ご来光スポットには、あり得ないほどの人。ですが聞こえてくるのは全て中国語。すれ違い様に、欧米の方らしき1組を見た以外は、中国の方しかいないようでした。どうやら貴重な経験をさせてもらったのだと後から実感(´-`).。oO

■格別な炭酸ジュース

ご来光を静かに待つ登山者

ご来光は、神秘的でほんの数分のことでした。あっという間でしたが、忘れられない思い出です。また行き道の売店で買っていた炭酸ジュースをこの場で飲んだのですが、堪りませんね〜!!五臓六腑に沁みるとはまさにこのことです。

念願のご来光
くらの登頂記念撮影

記念撮影を終える頃には、景色が一変していました。登山中は周りが暗闇で気づかなかったのですが、高さがえげつないんです。冗談抜きで。
西峰にもっとすごい場所があり、行ってみたかったのですが、私の友人が足を傷めていたので帰ることに。

帰りは楽々ロープウェイ♩かと思いきや、要所要所でぐわんぐわん揺れて、心もとなさすぎ。そんな絶叫アトラクションに加えて、見渡す限りこの景色。まさに絶景ですよね。乗り合わせた方全員で大発狂しました。

最後に大発狂させてきたロープウェイ

麓に着いた頃には、もう足の感覚なんてありません。とてつもない筋肉痛を覚悟していましたが、帰り道に寄った何気ないマッサージ屋さん。現地価格で約700円という、ありえない値段で60分全身を揉みほぐしてもらうと、さっきまでの疲れがなくなったんです。是非ゴッドハンドに認定させて下さい!!!!\\\\٩( 'ω' )و ////

以上が、登山デビューにはディープすぎた華山での思い出になります。途中行くのを断念した、「長空桟道」が華山の人気スポットです。是非検索してみてください!
皆さんの極限状態はどんな時だったでしょうか?

長文乱文となってしまいましたが、ここまでご覧いただきありがとうございました!
また次回も楽しみに〜!

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