『採用は採用担当だけの仕事ではない。全社員の仕事。』グロース上場を果たしたステークホルダーDXプラットフォームを運営するジーネクストの採用戦略に迫る。
“ステークホルダーDXに特化したSaaS”が世の中に存在していることを知っている方はどれくらいいるだろうか?
おそらくそう多くはないだろう。
今回インタビューを行ったのは、そんなニッチな領域でビジネスを展開しつつグロース市場に上場も果たしている、株式会社ジーネクストだ。ジーネクストは、「ビジネス現場に革命的な「楽」をつくる」というミッションを掲げ、ビジネスで発生する「情報の分断」を「つなぐ」「まとめる」「活用する」ことで、様々なステークホルダーの課題解決を支援するクラウドサービス「Discoveriez」を運営している。
具体的には、電話・メール・チャット・SNSなどあらゆるチャネルから寄せられる顧客や社内の声をVOCとして集約し、あらゆるVOCの対応を状況を一元管理することで、各ステークホルダー(顧客、流通、小売、商品開発 等)に対して情報をワンストップで提供しているプロダクトだ。
また、ジーネクストは当時40名にも満たない規模でグロース市場への上場を果たした、という点でも稀有な会社でもある。本当はその辺りの話も聞いてみたかったが、本日のテーマは“採用”だ。
この精鋭をどう集めたのか、そしてこの先はどう更なる精鋭を集めていこうとしているのか。その全貌に迫った。
認知のない上場企業。認知がなくとも、採用は上手くいくことを証明した会社。
―渡邉さん、本日は宜しくお願いします。早速ですが、「認知」フェーズではどんなことを考えていますか?
正直なところ、認知はまだまだです。今回のインタビューを通じてより多くの人にジーネクストという会社を知って欲しいなと思っています。
実はジーネクストはこれまで、あまり認知獲得のための活動をさほど行ってきませんでした。
今までは認知が無くとも、採用はできていたというのが正直な所ですね。
実際に、弊社をそこまで知らない状態でジーネクストに応募いただく方がほとんどでした。ですが、上場したこともあり、これからは今まで以上のスピードで採用を進めていくので、認知にも力を入れていこうと考えています!
―なるほど!確かに業界内では圧倒的な知名度ですが、業界がニッチなだけに、多くの人が知っている会社ではないかもしれませんね。認知獲得はどのような手法で行っていこうと考えているのですか?
今後はSNSの活用にも注力していこうと考えています。
Twitterやnoteなどで情報発信を続けていくことで、少しずつ認知を得ていきたいと考えています。Twitterで広い認知を獲得していって、noteでより深めていくようなイメージで考えています。まだ設計段階ではありますが、色々な方法を模索していきます!
なぜ認知ゼロで採用が上手くいっているのか?“全社採用”に答えがあった。
―認知獲得が上手くいけば、さらに採用にドライブをかけることが出来ると思います。認知無しで採用が上手くいっていた、ということでしたが、「集める」フェーズでは何が上手くいっていたのでしょうか?
あえて一つに絞るとすると、経営陣や現場メンバーを中心とした採用活動。いわゆる“全社採用”という考え方が浸透している、ということに尽きるかもしれません。
実際に最も上手くいっていた採用手法は、リファラル採用でした。リファラル採用が強かったため、認知獲得がさほど必要ではなかったのです。
特に代表横治やCTOの大河原など、経営陣を中心に採用へのコミットメントが非常に高いので有難いです。そのため現在の社員のうち、約2割~3割はリファラル経由ですね。
『採用は、採用担当の仕事ではなく、全社員の仕事だ。』
こんな考え方が身に付いていることが、集めるフェーズで上手くいっている要因だと考えています。
―その考え方を会社全体で持てているのは素晴らしいですね!実際に何名くらいの採用を実現されたのですか?採用手法を合わせてお伺いしたいです!
昨年は、中途の方約20名超の方から内定を承諾いただきました。上場したことをきっかけにさらに組織拡大を目指し、営業や導入コンサルタント、エンジニア、コーポレートなど幅広いポジションで採用をしないといけなかったので、かなり苦労したことを今でも覚えていますね。
手法としては、エージェント、媒体、ダイレクトスカウト全てを活用しました。特にエージェントとダイレクトスカウトに力を入れていましたね。というのも、やはり上場してから事業拡大に向けて急ピッチでポジションを充足させることが求められていて、転職顕在層を中心にアプローチをしないといけないと考えていました。
では、転職顕在層がどこに最もいそうか?ということを考えたときに、エージェントとダイレクトスカウトが良いのでは、となったのです。当時エージェントは20社~30社ほど、ダイレクトスカウトは、ビズリーチやリクルートダイレクトスカウトを活用していました。
―なるほど!その際にも全社採用の考え方は発揮されましたか?
発揮されていたと思います!
ジーネクストの採用活動では、求人作成・書類選考・面接面談をほぼ現場の役員や社員に対応いただいています。
また、実際に候補者にスカウトを送る際は、現場の方のフィードバックを積極的にお願いしていました。スカウト文章やピックした候補者の質感など、現場と認識・意識をすり合わせていきました。現場の方も快く協力してくれるので、採用活動は非常に進めやすかったです。
エージェントとダイレクトスカウトについてはお話しをしたので、媒体についても補足をしますが、媒体は有名なところを活用するという形でした。Green、ビズリーチ、openworkをメインに使っていました。
当時媒体選定で意識したことは、採用予算も限られていることから出来るだけ成果報酬型のサービスを優先的に情報収集して提案していきましたね。
良さだけでなく、会社の悪いところも誠実に伝える。会社の熱意が伝われば、マイナスにはならない。
―「ファンにする(口説く)」フェーズで大事にしていることはありますか?
とにかく、候補者にジーネクストの魅力を伝えていくことを大事にしていました。ジーネクストは認知が弱いので、とにかく面接面談の場にて、候補者とのコミュニケーションの量を確保しようと必死でした。
エージェントやダイレクトスカウト活用すると、ジーネクストよりも知名度や認知度が高い会社を受けている人が多いのです。
そのため面談・面接では会社説明会にも力を入れていましたね。担当によっては、投資家向けの資料を共有したり、プロダクトのデモ画面の共有もしていました。
このような形で、候補者の興味・関心に合わせてマッチしたものを適宜紹介するということを愚直にやり続けていました。その結果、他社に内定を貰ったけどジーネクストに入社をしていただける、という人がどんどん増えていったので、効果も実感出来ています!
―「候補者にマッチした魅力を紹介する」非常に素晴らしいお取り組みだと思いました。他にも「ファンにする(口説く)」フェーズで意識していることはありますか?
良いところも悪いところもすべてフラットに話すようにしていましたね。
これによって、ファンに出来ていたという事例もあったのです。
ジーネクストでは、会社の良いところも悪いところもフラットに話すようにしています。
例えば、ある候補者の方には「体制強化中で社内にそこまでノウハウがないけど、今までの経験を活かして立ち上がってやっていって欲しい」ということを役員が熱意を持って伝えました。
本来は「ノウハウがない」というマイナス情報ではあるのですが、その候補者には役員の熱意が伝わったのか、結果ご入社をいただけたのです。
マイナスとなり得る情報でも、候補者への期待や必要としている理由を一緒に伝えることでプラスになります。それからは、選考中はもちろんオファー面談でもこういった話をするようにしています!
―確かに、「誠実な会社」と印象付けることが出来ますよね。他にも似たような事例はありましたか?
転職活動の軸として、「「会社のミッションやビジョンや明確にあり、浸透している」」と言う人に、「再構築していて、今のミッションの浸透度はぶっちゃけそこそこです」と伝えたにもかかわらず入社をしてくれた例もありました(笑)逆に自分の意見をはっきりと持てる環境なのだと、プラスに受け取ってもらえたので、これも一つの成功例だと思います!
抜け目ない“見定め”と、きめ細やかな内定者フォロー。
一貫して丁寧な採用活動が為されている。
―確かにそうですね!では「見定める」フェーズで大事にしていることはありますか?
先ほどと重なるのですが、ありのままの姿を見せる、仮面をつけないということは大事にしています。良いところも悪いところも率直に伝えることが、見定めるという効果もあると思っています。
ジーネクストの課題だと思うところに良くない印象を持つ候補者は辞退をしますし、課題だと思うところ良い印象を持った人は辞退せず残り、最終的には入社をしてくれます。課題だと思うところを正直に伝えること自体が、重要な見定めポイントになっているのです。
―まさに!悪いところも伝えるメリットは本当に大きいですよね。見定めるポイントはありますか?
見定めるポイントは明確に4つに定めています。
ベンチャーフィット、カルチャーフィット、スキルフィット。キャリアフィットの4つは基本的に見るようにしています。
4つの項目を誰がどの面接で見るかは、部門ごとに設定をして運用しています。ただ、会社のフェーズによって欲しい人物像は変わりますので、今後も柔軟に対応や改善ができればいいなと思っています。
ー複数人が面接を行って、見定めが出来ているのは凄いですね!その裏側にしっかりとしたコミュニケーションと全社採用の考え方があるのだと思います。それでは、最後に「内定出し、内定者フォロー」フェーズで意識していることを教えてください!
取り組みとしては色々ありますが、内定承諾をあげるというテーマは社内でも非常に重要であるという強い意識を持っています。実際に、週に1回定期ミーティングの場があって、そこで経営陣や現場マネージャーと話し、どう内定承諾率を上げていくのかのディスカッションを行っていました。週に1回ボードメンバーが集まる採用の会議をここまで頻繁にやっている会社、あるのかな?といつも思っています(笑)
―弊社では1000社以上、採用のご支援をしていますが、初めてです!ミーティングをして、どんなフォローをすることになるのでしょうか?
ミーティング内では、「まずは自分たちが出来そうなことをやろう」という方針から、オファー面談後に面談や会食に力を入れました。
経営陣や現場マネージャーとのコミュニケーションを機会は多くとるようにしています。ですが、ただコミュニケーションを取るだけでは意味がないので、その中で意識していることもあります。
それが「この会社の人と働いたら楽しそう/成長できそう」という体験を作ることです。面談や会食では、会社や事業・働くメンバーのことなど候補者の関心や興味に合わせながら話しすことで、「ジーネクストで働くと楽しそうだな」とか、「成長できそうだな」と思ってもらえるような体験を生み出すことが出来ていると思います。
―貴社だと内定出しのときにオファー面談もやられていたと思うのですが、その中ではどんなことを話していますか?
オファー面談では、特にお互いのマッチングの最終確認の場だと思っているので、弊社の課題は何で、
候補者には何を解決して欲しいのか、なぜあなたに入って欲しいのかといったことをしっかり伝えるようにしています。あなたが必要な理由、あなたではければならない理由を納得感持って伝えるようにしていますね。
―渡邉さん、本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました。ニッチ業界で事業展開をしつつ、“全社採用”の考え方をベースに非常に効率的な採用を実現されており、感銘を受けました!
ジーネクスト様にご興味お持ち頂けた方!
以下リンクより是非エントリーを!
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