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欲しがりません、受注するまでは!

誰から聞いたか忘れたが、先日あることをきっかけに思い出したことがある。

営業で工程が進んで、見積提出の段階まで進んだとする。といっても、業界や業種によっては、ある程度細かい前提条件を聞かないと見積書を作成できないケースもある。例えば、以前やっていた資源リサイクルの仕事であれば、段ボールの回収のためには、排出量や回収頻度、置き場の状況など。もちろん、何かの計器を使用しているのであれば聞かないとわからないこともあるだろうが、現場に行けば、感覚的にわかることがほとんどだ。どうしても、わからないなら、何パターンかシミュレーションしたものを提出すればいい。

それだけの話なのであるが…

「ちなみに、今の業者との請求書(取引条件)って見せてもらっていいですか?」

と確認しないと気が済まない営業パーソンがいる。

見積書を作成するのに、現状の取引内容を確認するやつは二流だ

確か、上記のような状況でその人が放った言葉だと思われる。

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しかし、なんで、この営業パーソンは二流なんだろうか?

最近は営業をするよりも、受けることも多くなったが、先日同じようなことを体験した。

先方の営業パーソン曰く、「現行の業者からの請求書って入手できますか?」と。これに対して、自分でもビックリするくらいにヒステリックに対応してしまった。なんてことはない、より精度の高い見積もりを出してもらうためなら、いいいじゃないか。特に、その情報が他に漏らされるわけでもないなら。

いやいや、そうなんだけど、それでも許せなかった。やっぱり、「それって安易じゃない?」って思うわけである。

確かに、提示価格って相対的なものもある。現状の業者よりもいくら下げますよ、みたいな。でも、そうじゃなくて仕入値に諸コストを足して売値を提示したり、売値から諸コストを差し引いて仕入値を提示したり、その会社なり部署として、絶対的(他社の比較を前提としない、社内で閉じている、という意味で)に算出できるものもあるだろう。それにあたって必要なデータは、プロなら自分で揃えろよ、暫定でもいいから、って思うのである。先ず知りたいのは、そういうプロセスを経て提出されるその会社の実力。「御社への提示価格はこの金額であるべきだと考えます!(暫定ですけど)」みたいなものを提示して、興味を持ってもらえたら、「じゃあ、正確なデータを渡すから、再度試算してみて」と次のステージにいけるだろう。

もっと言うと、私は天の邪鬼だからこうも考えるのである。

こうならない?

仮に現行業者が100円で販売しているとして、この会社のベストプライスは90円。でも、10円の幅があるから、ベストプライスじゃなくても95円の提示でいいか?

もうこう思い込み始めると、この業者のやることなすこと不信感が募るのである。

「実は、今だからいうけど、既存の業者はこんなに高くて(低くて)、そちらに変わってからこんなにもメリットが出るようになった」。現行の取引先の条件を知るのは受注後に、くらいのスタンスで臨むほうがかえって近道になるかもしれない。

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