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小さく産んで、大きく育てる

「やってみませんか?」
声をかけていただいたのは、半年くらい前だろうか。
もちろん、今までやったことがない仕事。不安がなくもないが、できるだけ、こういう場合は受けることにしている。何でも受けるわけではない。どちらかというと、仕事の内容よりも、声をかけていただいた人との関係で決めている。どうせ限られたリソースを割くのであれば、居心地のいい関係の人と時間を費やして方がいい。
あーだ、こーだ、考えても仕方がない。まず「YES」。受ける。受けた後で考える。なんとかなるものだと思う。そういうのができるのも、基本的に仕事の形態が限りなく個人事業主に近いからであろう。
「やるか、やらないか」
こちらの覚悟次第だ。
受けた以上は、あとは上手くやるだけだ。

実際、やってみると今まで使ったことがない筋肉を使うような感じで、大変だが、世界は広がっているような感じはする。今まで見えていなかった世界は、もしかしたら他の事業にもプラスの影響をもたらすかもしれない。

よくよく考えたら、組織の規模が小さいのにおこがましいが、こういうのは一応、新規事業になるのか。そうなると、起業して3年間、はじめた仕事の大半は新規事業になってしまう。やるじゃない!?

やるじゃない!?

世の中、「探してこい!」との上層部からの指示の下、新規事業を血なまこになって探している組織、社員も多いと聞く。まあ、そういう自分も経験もあるが、なかなか簡単にはいかない。
なぜか、余計なことをあれこれ考えてしまう。考えざるを得ないからだ。
当たり前だ、道楽じゃあるまいし、やる以上は採算性を考えないといけない。パートナーがいるなら、そこの与信も調査が必要だ。
あと、覚悟が必要なのは自分だけじゃないので、必然、根回しにも時間がかかる。
そうこうしているうちに、新鮮だったネタも手垢がついてしまうものだ。

あれほど、目を皿にして探していた新規事業だが、これを組織ではなく個人レベルまで拡大すると、意外と世の中転がっているものだ。もちろん、誰もがヒットするわけではないが。

宝物見っけ!

結局、提案するパートナーも仕事を受ける自身も相互にリスクも少なく、こちらの覚悟も、判断も瞬時。あと、提案する側も相手の顔が見えるから、ある意味、安心感もあるのだろう。リスクがあるとしたら、こちらの健康くらいだろう。

結論から言うと、企業も新規事業を始めたいなら、組織ではなく個人レベルまで間口を引き下げればいいと思う。が、ガバナンス等の問題もあり、それも困難。だから、組織で動かざるを得ないわけで、そこが隘路となる。
一方、私のようなケースだと個人で動くことができるが、規模を引き上げるわけにはいかない。そもそも、個人が好きでやってるんだから、組織だってやってくれ、って言われてもね。本末転倒になる。
ここにも、トレードオフの関係が発生しているのである。

新規事業にまつわる、このアンバランスさ。もっと、これがバランス取れるようになると世の中にとってもいいのだろうが。

きっと、その解はあると思う。

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