見出し画像

「押ささり」上手になろう

今ではそう頻繁にはないが、以前は、上司へのいやーな報告、得意先へのいやーな説明等、するべきか、スルーすべきか、岐路に立たされることが多々あった。あの、独特の感じ…いやですよね。
日常において、よく見かける「なんで、あのとき報告しなかったんだ!」という上司からの叱責の原因は、上記状況においてスルーしてしまったパターンであるかと思われる。
確かにいやーなことが100%、遅かれ早かれ露呈するなら「報告する」の一択なのだが、稀に「逃げ切れる」こともあるから事態は複雑だ。

違う意味で報告しづらい

それでも、自分の場合、割と生涯報告率は高いほうだと思っている。イチローよりも高いのではないだろうか(体感的に)。
なんでか?
コツは2つある。
一つは、以前の上司の言葉。そういう場では、必ず浮かんでくるようになっている。
「小西な、正直が一番強いんだよ」
そのままだ。そして、その通りだ。
シンプルだが、的を得ている。

もう一つが、マイルールだ。
大体、直接にしろ、間接にしろ、先ずは電話での報告になるかと思うが、あれこれ悩んでから電話をかけるのではなく、先ず電話をかけてからアレコレ悩むことにしている。後者の場合、アレコレ悩むのも相手が電話を出る数秒なので、実質悩みようもないのだが。

「あれ?かかっちゃった?!」
くらいのノリでいい。

笑う必要もないが、とりあえず押すべし、押すべし!

札幌に単身赴任で1年以上いたことがある。
ここ金沢もそうだが、札幌も方言のようなものがある。
まあ、だいたいは直感的に理解できるのだが、その中でも地元の人が使うほど、使い慣れないワードがあった。
それは、

「押ささる」

エレベーターとかで、ボタンを押し間違えたときなんかに、「あっ、押ささっちゃった」と使うケースがある。

要は、「押しちゃった」に近いか。ん、ちょっと違うか。「押しちゃった」は能動的な感じだが、もっと自分の意思と違う力が働いて、気付いたら「押されていた」みたいな不思議な、ふわっとしたワードだ。
自分の責任の所在を曖昧にする、道民をダメにする言葉だ、と言っていた人もいたが、まあ確かに「私のせいじゃ、ありません」みたいなニュアンスもあるのかもしれない。

当時は、馴染みがなかったが、これが意外と便利で、今では自然と口に出てしまうことさえある。あぁ、北海道の方ですか?って言われることも。


「かけてから思い悩むことにする」というマイルールはあるとはいえ、それにしても「かける」、「通話ボタンを押す」というのはこちらの意志だ。

そんなときには、自分の意思ではなく、なにか違う力が働き、「通話ボタンを押ささっちゃった」ことにすることをオススメしたいと思う。


DALL-Eにて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?