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面積は体力、高さはセンス

新卒で働き始めて間もない頃、先輩に質問されたことがあった。
「小西な、センスって、どいうことかわかるか?」
まったく抽象的な話で、創造もつかない。
服のセンス、料理のセンス…。感性?

その先輩いわく…

センスがいい?

営業において、ゴールのない仕事はない。
新規であれば、成約であったり、納品であったり、上司から「お疲れさん」と言われる瞬間がどこかにある。自分の実績として、カウントできる瞬間がどこかにある。
もちろん、いったんそこで一区切りとなるが、その後も得意先のフォローは続く。一度作った売上を減らないようにしなければいけない。放置してはいけない。
担当エリアの地図を上から俯瞰して、自社のお客さんのドットで埋めていく。陣取り合戦みたいなものだ。
他者の色を排除し、自社の色を濃くすべく足繁く通い、また未開のエリアに、面積を広げるべく行動範囲を広げる。

DALL-Eより

コロナ禍で、営業の手法も変わりつつあるが、物理的に外に出歩くか、どうかは別として考え方は変わらないのではないかと思う。

体力と根気の勝負。
基本、アプローチの質に違いがなければ、あとは量の問題。
相手の行動量を上回ることで、凌駕できるはず。

以上は、地図を俯瞰したケース。


視点を変える。
上からではなく、横から。
各ドットの高さは、どうなっているだろうか?
面積にこだわる一方で、高さのない、ベタッしたドットの点在になっていないだろうか?

高さを引き上げる。
他部署や他グループ会社のサービス、商品を薦める。
売買の提案ではなく、パートナーとして協業の提案を持ちかける。
現状のサービスに省庁や自治体を絡ませる。

DALL-Eより

手元のリソースを組み合わせて、取り引きを有機的につなげていく。何なら、直接つながらなくてもいい。今はつながらなくても、先々でくっつけばいいのだ。
高さができると、単に高い、安いといった、売買を超えたステージにたどり着けることができる。


あらためて、当時の先輩の質問の答。
先輩曰く「小西な、センスとは組み合わせなんだ。服の組み合わせ、食材の組み合わせ…。センスがいいヤツっていうのは、組み合わせがうまいヤツだ」。

そう考えると「面積は体力、高さはセンス」だと思う。
もちろん、組み合わせるネタがないといけないので、高さを作る仕事のためには、面積の広げる仕事も必要だ。だいたい、前者ができる人は、後者もできる。が、問題は、逆も然りとならない点。どれだけ面積を広げられても、ネタがあっても、残念ながら、必ずしも高さを作り出せるわけではない、ということだ。

適材適所。
営業のマネージャーは、ここらへんを見極めないといけない。
えっ?高さを作り出せる人材がいない?
心配ご無用。

「いるじゃない?あなたが」



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