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中学受験 国語を得点源に!

中学受験の国語とは

国語は配点の高い学校が多く、中学受験において言うまでもなく核となる科目です。特に、雙葉、豊島岡、栄東、慶應中等部、渋谷渋谷、早実中などは理社に比べ国語の配点が高いのが特徴です。
しかし、「国語は学習しても得点に結びつかない」「なんとなく自己流で解いている」といった声が多いのも事実です。

言い換えると、このような考えの受験生が多いからこそ(実際、想像以上に多いです!)、入試本番を意識した適切な学習により、周りのライバルと国語で大きな差をつけることが可能になります。


実例のご紹介

※成績の参考とした模試:四谷大塚合不合判定テスト

以下は、ある受験生の合不合判定テストの偏差値推移です。

第1回合不合判定テスト:47
第2回合不合判定テスト:45
第3回合不合判定テスト(体調不良で未受験)
第4回合不合判定テスト:57
第5回合不合判定テスト:62

元々理系科目の実力はありましたが、小6春から入試本番までに国語が大幅に伸びたことにより志望校を再考し、本来の志望校であった早稲田中学に合格しました。


知識問題を絶対に落とさないこと

多くの学校で、漢字は国語の配点の10%を占めます。また、「四字熟語などの漢字関連問題」を含めると国語の配点の25%程度を占める学校もあります。

いきなりですが、以下の問題を解けますか。
【問題】 以下の①~⑤の反対または対の意味を持つ語を答えなさい。
①予算 (洛南中)
②反抗 (浅野中)
③断  (洛南)
④余分 (東洋英和女学院)
⑤問  (甲陽学院)

【正解】
①決算
②服従
③続
④不足
⑤答

知識問題は短時間で確実に正解できるように、塾のテキストの復習や模試の復習を通して、頻出の知識を正確にインプットしていく日々の努力が重要です。


語彙力をつけること

以下は、すべて実際に出題された語句の問題です。
それぞれの用語の大体の意味を説明できますか。

①閉口して   (吉祥女子中)
②面食らった  (吉祥女子中)
③口を切る   (フェリス女学院中)
④とりとめのない(甲陽学院中)
⑤かねがね   (京都女子中)

【正解】
①閉口して=困って
②面食らった=慌てた
③口を切る=最初に発言する
④とりとめのない=まとまりがない
⑤かねがね=ふだんから、あらかじめ

読解スピードを上げること

近年、大学・高校入試と同様に、中学入試においても、ここ数年で物語文や論説文(説明的文章)の長文化が急速に進んでいます。
従来は3000~4000字程度が標準的でしたが、近年の中学入試では7000~8000字の文章を出す学校も増えてきています。これを小学生が制限時間内に解き切るのは簡単ではありません。

一般的な入試においては、1分あたり500~600字の内容を読み取る読解スピードが求められています。しかし、最近はスマートフォンの普及により、活字を読む機会が減っていることもあり、長文を読むことに慣れていない生徒さんが多いです。

「文章を読むことのがとにかく遅くて・・・」
「文章を読み切っても内容が理解できません・・・」
このようなお悩みを結構な頻度で聞きます。

これらは長文の問題文に慣れていないがゆえに起こる悩みです。
つまり、国語の長文に慣れさえすれば解消する可能性が非常に高いです。
読解スピードを上げるためには、先述した語彙力の増強は必須ですが、これまでに確実に効果のあった方法があります。

それは、塾のテキストや過去問、模試に掲載されている問題文のみを毎日欠かさず20分程度読むことです。

この方法は地味ですが、想像以上の効果を発揮します。地道に2か月程度続けると飛躍的に読解スピードが向上していることに気づくはずです。
※問題文に出てきた不明な用語は、調べたうえでノートにまとめ暗記する癖を付けてください。語彙力の向上にもつながります。

お子様が基準となる読解スピードを達成できているかを確認するために、音読をさせてみて下さい。
もし、音読に不備があるのであれば、保護者ができるだけお子様の音読に付き合ってあげてください。
保護者が音読の手本を見せてあげるというのもかなり有効です。


解法テクニックを身に付けること

今回は紙面の都合上、超頻出の傍線部問題の解法のみをご紹介します。

問題
傍線部○○○○とあるが、その説明として最も適切なものを次の中から1つ選びなさい。

最も出題頻度が高い問題のひとつと言えるでしょう。

傍線部説明問題を解く上で重要なのは、「傍線部そのもの」です。

多くの生徒さんは傍線部分を詳しく読むことなく、すぐに傍線部の前後を見ています。これは典型的な間違いです!

「傍線部の説明として最も適切なものを選びなさい」と問われているのですから、まずは傍線部がどのような意味であるのかを考える必要があります。その上で、それが言い換えられている表現を探します。

この段階で、傍線部とはまったく異なる点について言及している選択肢を消去できることも多いです。

そして、傍線部の意味を把握できたら、次は傍線部の前後をチェックしていきます。

現代文は、筆者の主張を表現するための文章です。そのため、重要な部分は形を変えて何度も登場します。

特に、問題文において傍線が引かれている箇所は重要な部分ですので、必ず文中のどこかに似た表現があります。そのため、傍線部の前後を見ることが鉄板です。

仮に、傍線部の内容が難しかったとしても、それを分かりやすく説明している部分がだいたい近くにあります。多くの場合は、傍線部の前後2~3行にあるケースが多いです。

また、指示語(例:このような~)がある場合、指示語にも着目しましょう。文章中からその指示語が指している内容を見つけ、傍線部の内容を補足することが重要となります。

最後に

国語という科目は究極、きちんと問題文を読めたら適切な解法で解ける科目です。したがって、本文に書かれている情報を効率よく集めたうえで整理できるかが得点の分かれ目となります。
そして、情報を効率よく集めるためにも語彙力の補強は必須です。

今回は傍線部問題の解き方を説明しましたが、国語にも頻出問題の解法が存在します。
「国語は学習しても得点が伸びない」というのは明らかな誤りです。適切な対策をしたうえで解法を身に付ければ確実な得点源になります。

国語力は他の科目の成績にも大きく影響します。
・言葉の意味を理解し、論理的に物事を考える習慣を身につけること。
・語彙力を補強し、言葉の表現を学ぶこと。
ご家庭でお子様に対して教えるときは、是非意識してみていただければと思います。

国語の学習はすべての科目に通じます。
国語を得点源とし、皆様が志望校合格を掴めることを祈念しております。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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